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菫さんの願い

こちらの事情で二日間も更新できなくて申し訳ありません!

これからも頑張りますので、ぜひ読んでください。

菫さんたちを召喚したのは時空の神だった。考えてみると、俺たちを召喚したのも時空の神の気がする。

時空の神は時間と空間が操れる。あちらの世界からこちらに転移させるのは時空の神の専門分野が深く関わっている。


『転移させられた時、こちらの世界は1度目の転移から100年以上も経過していて、かつてのネムンド王国はバント王国に変わってた。あちらの世界では10年しか立っていなかったから、こちらの10秒はあちらのだいたい1秒ってことだと思う。確かに、空間を超えてるんだから時間の進みかたも変わるのは何も不思議じゃないしね。』


俺はこのことを聞いて頭の中のピースがガチリと音を立ててハマるのを感じた。あの(・・)事件は集団転移だったのだ。


『転移されたのは私たち二高の人たちだけじゃなくて、一高も三高もいた。転移されたところでは国王が壁画のすぐ前に立っていて、呼びかけに応じてくれてありがとうと言って説明を始めた。なんでも、魔王が復活したらしくてそれの討伐をお願いするためにたくさんの魔術師を集めて召喚したって言ってたの。』


ここで俺は先ほどの話との矛盾が見えた。たくさんの魔術師(・・・・・・・・)を集めて召喚した(・・・・・・・・)


『ハーブは召喚者は時空の神だと言っていたから、すぐに嘘に気づいたの。私は時空の神と王国のつながりを疑って調べ始めた。国王は100年前の転移の記録をもとに私たちを呼んだって言ってたし、図書館に100年前の転移の記録があるんじゃないかと思い始めた。途中で村上さん……楓は知らないと思うけどその時三高で国語を教えてた女の先生で、楓と同い年の息子さんがいるんだって。』


母さんのことだろう。俺はさらにこの話に興味が現れた。母さんは何を追ってたんだ?


『まあそれはいいとして、その村上さんも、詳しくは教えてくれなかったけど、どこかから入手した情報と国王の言っていたことに矛盾を見つけたみたいだった。それで一緒に片っ端から本を調べ始めてから一週間ほどたった時なんだけど、私たちはある本を見つけたの。それは100年前の転移の記録だった。私が転移されていた時からだいたい10年後に転移されてきたみたいで、その勢力を使ってバント王国の初代国王は私のせいで勢力が衰えてたネムンド王国を攻め滅ぼしてバント王国を作ったって感じのことが書いてあった。』


話を聞けば聞くほど俺の母さんに関する新しい情報が入ってくる。お母さんはこちら側の世界と関係があった?わからなくなってくる。


『何が目的なのかわからないんだけど、時空の神は100年に一度こちら側に何十人かを転移させるから適当に理由をつけて魔人を潰させろっていう約束を初代国王と交わしたみたいで、国王は急いで全員を魔人領に向かわせたらしいの。』


時空の神はまだ言語の神を潰したりなかったのか?魔人を潰させるとはどういう目的の元なのか……


『それを呼んだ後私は急いで駿太さんとか生徒たちにこのことを伝えたの。でも、聞いてくれたのは駿太さんだけだった。みんなは錬成師の私がする話には興味も持ってくれなかった。駿太さんは私と一緒に説得をしてくれたりしたけど、それもダメだったの。駿太さんは職業:勇者だったからもしかしたらと思ったんだけど、やっぱり誰も聞いてくれない。それどころか職業:錬成師の私を馬鹿にするようになった。そんな時に私は国王軍から攻撃された。

無能はいらないってことだと思う。国王軍から逃げた私はここに基地を作った。『錬成(+EX)』をフル活用して。』

「お母さんも同じだったんだ……」


楓が少し悲しげに言う。俺と琴美も同じような感じだった。


『これが私が調べて知った事実。本当はもう少しあるんだけど、この魔道具、演出にこだわりすぎたせいで録画時間がすごく短くってさ。アハハハハ……』


なんか最後の一文で俺の菫さん像の小指あたりが崩れかけたけど、まあいい。とりあえず俺が調べなきゃならないことがたくさんあることはわかった。


『あ、でもこれだけは言わせて。私は実はハーブに頼んで錬成師になったの。なんでかわかる?』

「どういうこと?」

「俺に聞くな。」

「私にもわかりません。」

『わからない?じゃあ答えを言うね。正解は!ドゥルドゥルドゥル〜ダン!壊したくないからでした!』


少し下手なスネアロールのまねの後に菫さんは笑顔で言う。


『私は何も壊したくない。私は生み出すための力が欲しかった。だから錬成師を選んだんだ。』


まただ、またこの人は俺の心に何かを残していく。


『力があれば壊すことは簡単にできる。でも、生み出したり、直したり、守ったり。そう言うことができる力は限られてると思うんだ。』


菫さんは言う。復習のために強くなろうとする俺の考えを否定する言葉を、弱い俺を守るように肯定する言葉を。


『今楓は一人かな?それとも隣には誰かいるのかな?その人は友達かな?彼氏かな?楓の、職業は何かな?、楓は……その人を、守る力を持ってるかな……っ』

「お母さん……」


笑顔だった菫さんの声に嗚咽が混じり始める。我慢してたんだろか、楓の目にも雫がたまる。


『私と、同じ錬成師かな?……誰かを、誰かを治す治癒術師かな?楓は、どれぐらい、背が高くなったのかなっ……わたしはっ……楓にっ……会えるのかなっ?』


そこには娘との再会を望む母親の姿があった。楓は涙を流しながらまっすぐ映像を見る。


『ごめんね。こんなところを見せちゃって。じゃあ、これからが私のお願い。私の机の下にある隠し通路で図書室に行けるから、そこにある私の日記を読んで。それにこれからどうすべきかのヒントが描かれてるから。そして最後のお願い。ちゃんと、私の楓の花でいて。そして、誰かの楓の花になって。私はあなたをずっと見てるから。』


最後に笑って言った。菫さんの映像は風景に溶け込むように消えていった。


「じゃあね、お母さん。」


楓の声が響いた。

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