菫の武勇伝
物語の中の区切りかたが少しわかりにくいかもしれません。ごめんなさい。
『私の見立て通りだと100年ぐらい立ってると思うけど、あなたは元気?』
菫さんは出てきた途端にそう言った。
「見立て通りってどういうこと?」
楓は俺の思ったことと同じことを呟く。まあ録音だから意味はないが。
『あ、今見立てどうりってどういうこと?とか考えたでしょ。お母さんぐらいになるとわかっちゃうんだな、これが。』
投影機のそばで楓がクスリと笑う。100年経ってても考えがわかるなんて楓のお母さんは本当にすごいと思う。
『知らなかったと思うけど、実は私、異世界転移は2回目だったんだ。』
「「「えッ?!」」」
『私が高校生ぐらいのときだったかな?下校中に足元が光ったと思ったら真っ白い部屋にいてね。慌てて周りを見回したら、私と同じぐらいの歳の女の子がいたのーーー』
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◇視点菫
〜治が転移させられる(地球基準で)20年ほど前〜
真っ白い部屋に私ともう一人の少女。当然困惑するわけで、その少女に問いかける。
『あなたは誰?ここはどこ?』
『私はハーブ、命の女神をしてるわ。』
なにふざけたことを言ってるのか。今私は何も知らない土地に放り出されたっていうのに。私は頭にきて強く当たってしまう。
『なに言ってんのよ、神なんているわけないでしょ?!』
『目の前にいる。現実を見ない奴はモテないわよ。』
『なっ!!』
なんて失礼な奴。失礼な奴もモテないと言ってやりたい気持ちを押さえつける。そんな私を尻目にハーブと名乗った少女は私の手を掴むと引っ張り出す。
『お茶を出すからついてきて。』
『え?』
この白い空間には何もない。例えるならゼロだ。お茶を淹れるなんて何を言っているんだろうか?
そう考えた時だった。
ーーパチンッ
少女が指を鳴らす。するとそれまで何もなかった空間が歪曲し始め、新たに庭が現れた。夢でも見ている気分になり、ほっぺたをつねってみたが普通に痛かった。
『座って。ハーブティー淹れるから。』
『は、はあ……』
芝生とたくさんの色あざやかな花が特徴的な庭。風景が真っ白なことと相まって神聖な雰囲気を醸し出していた。
ハーブはその中心部にあった白いテーブルと椅子を指すと座るように言う。
私はまだ処理の追いつかない頭を懸命に操作しながら言われた通りにする。しばらくするとハーブがハーブティーを持ってきた。
『この空間は私が作った庭のようなものなの。私だけの部屋みたいな。』
『あなた、本当に神様だったのね。』
『言ったでしょ?なんならその友達みたいな口調もかしこまった口調に変えて私を崇拝してくれてもいいのよ?』
『いや、私はあなたと友達になる道を選ぶわ。宗教なんてごめんだし。』
『やっぱりあなたを連れてきてよかった。』
『どう言うこと?』
『あなたにやってほしいことがあるの。』
そういってハーブは話し始めた。すご〜〜〜く簡単に言うと自分の創造した植物たちがピンチになっているので助けてほしいとのことだった。
『成功したら願いwーー』
『いつでもここにこれるようにして。』
『なぜ?』
『ハーブがいい人っぽいから。』
私は素直に言う。するとハーブの顔が赤くなっていく。照れてるな?
『な、何を言ってるの?!そ、そんなこと……』
『照れなくてもいいって〜〜』
『て、照れてなんかない!だいたい、いい『人』じゃなくていい『神』だから!』
私たちは友達になった。私は転移されたネムンド王国(バント王国の前にあった国)で森林の減少を防ぐために国家の陰謀を暴いたり伝説のドラゴンを討伐したり色々濃い時間を送った。そして森は守られ、最後に森の入り口に毒をもつ植物を植えることで森への侵入を制限し、地球に帰ったのだとか。
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◇視点治
〜今〜
『ーーーとまあこんな感じだったんだよ。』
超簡略化された菫さんの武勇伝。それを聞いた俺たちは最初こそ驚いていたものの、だんだん菫さんのすごい話に目を輝かせていた。
「楓さんのお母さんってラノベの主人公っぽいことをなさってたんですね。」
「みたいだな。それにしても『毒の森』を作ったのが菫さんだったなんてな。」
「お母さんが私が小さい頃にいつも寝る前に話してた話ってお母さんの体験談だったんだね。」
3人とも菫さんの功績を褒め称える。
『楓が小さい頃にお話ししてあげてたでしょ?あれ実は私の話を少し改良したものだったのよ。それで無事に帰った私はハーブと一緒に遊べるかと思ってたんだけど、なんか人間が空間を行き来するのは最高神の時空の神に制限されたせいで叶わなかったのよ。でも念じればお話しするぐらいはできるようになってね。高校の授業中に行き先がバント王国の魔法陣が現れた時に急いでハーブに話をしたの。そしたら最高神が召喚者らしいから逆らえないって答えが返ってきて転移されちゃったの。』
召喚者は時空の神。時空の神は何を企んでたんだろうか?
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