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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第5章 いつまでも一緒にいたいから

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SAVE30 すてきなおくりもの?

 ふあああ。

 良く寝た!!

 さあ、今日も頑張ってレベルをあげるぞっ!!

 って、ラナ君、まだぐっすり寝てるし。

 うーん可愛いな。えい、つんつん♪

 ふふふ、やっぱ寝てる。こりゃ、暫く寝てるな、これ。

 というわけで、私は寝るのも勿体無いので起きてみました。


 ……あれ? これなんだろ?



 そして、数時間後。

「ふああああ……」

 くうっと伸びをして、ラナが起きた。

 気づけば隣は空いている。どうやら、先に起きてしまったようだ。

 時間を確認して、まだ朝の時間なのにほっとする。

 きっと1階の食堂に行けば、みんなと会えるはずだ。

 身支度を整えて、もう一度、伸びをした。


 こんこん。


「どうぞー」

 入ってきたのは。

「ぱぱ、おきた?」

 へ?

 思わず、扉の前を凝視するラナ。

 そこには、愛らしいちっちゃい少女が立っていた。年は3歳くらいだろうか?

 ふわふわの金髪で、大きく愛らしいオッドアイの瞳。そんな子がにこっと微笑んだ。


 !?


 こ、これは……も、もしかしていや、もしかしなくても……!!?




 一方その頃、食堂では。

「まさか、サナ嬢が子供を連れて、ここに現われるとは……」

 驚いたよとカインさんは、先ほどの状況を思い出しつつ、頭を掻いていた。


 そう。

 びっくりする話ですが、私とラナ君の間に、子供が出来ちゃいました!!

 どうやらね、結婚した翌日から、子供が作れちゃうらしいのです。

 で、さっき起きたときに、そのウインドウが出てきてたから、さっそく作っちゃいました! てへ。

 いやあ、可愛いね! NPCだから、いろいろと制約がつくんだけど、こうして、ちっちゃい子がいるのは、すごく嬉しい。可愛いし!

 あ、ついでに私似にしてみました! 好きなように顔とか弄られるんだけど、まあ、うちの子だし、どうせラナ君は、私に任せるなんていうだろうから、先に作って驚かせよう作戦なのだ!!


「そういえば……さっき言ってたけど、サナちゃんからアタックしたっての、ホント?」

 セレさんが確かめるように尋ねる。

 私は飲んでいたスチームミルクを飲み干してから。

「うん、そうだよ。なんかね、ぴーんと来ちゃった」

 そうなのだ、ラナ君を電車で見つけて、思わず後をつけて、その場で告白しちゃったのだ。

 なのに、ラナ君ったら、驚いた顔をしつつも、にこって微笑んでそれを受けてくれた。

 だからこそ、今、こうして、一緒にいられるのだ。

「ふふふ、ちょっと幸せー」

 いや、すっごく幸せかもしれない!

 今までずっと離れてたし、やっとずっと一緒にいられるって思ったら、つい、頬がゆるんじゃう。

 だからこそ、今回の『子供』も嬉しい『おくりもの』。


 あ、ちなみに子供は、教えた言葉だけ、発するようになってるらしい。

 なので、今回は「ぱぱ、おきた?」を登録してみた。

 その後、ラナ君のところへ行くように指示をしたのだ。

 きっともうすぐ、驚いたラナ君がやってくるはずだ。


 どたーん、ばたーんっ!!

 あ、部屋から出てきたのかな?

 ばたばたばたばたんっ!!

 急いで階段を駆け下りて……。

「さ、ささささささ、さ、サナっ!!」

 うちの子を小脇に抱えて、ぴゅーんと、ここまでやってきたのは、やっぱりラナ君。

「おはよーラナ君」

「おはよー……じゃないっ!! こここ、この子、もももも、もしかしてっ!!」

「うん、うちの子だよ。名前はまゆちゃん。まゆたんって呼んであげてね」

「まゆたんか、うん覚えた。……じゃなくって、そうじゃなくってね!?」

「うち似にしてみたよー。あ、目の色はラナ君似ね。で、この子も魔術師。いやあ、私の能力を引き継がせたら、今習得してる魔法、全部使えるようになるんだね。びっくりー」

「いや、そうじゃなくって……」

「しかも可愛くって、もうもうたまんないって感じだよね!」

「………」

「ぱぱ、おきた?」

 がくっ。

 たぶん、うちのまゆちゃんが、追い討ちをかましたんだと思う。

「こういうのって、後で決めない?」

「だって、ラナ君の驚く顔、見たかったし♪」

「……まあ、いっか」

 ちょっと疲れた感じだけど、でもまあ、最後は喜んでくれて。

「ところでさ、どうしてまゆちゃん?」

 ラナ君が食堂のマスターに朝食ランチを頼んで、私に尋ねた。

「うん、さなぎから蝶になるように可愛い子になって欲しいなって思って」

「だったら、まゆじゃなくて、さなぎちゃんじゃない? まゆだったら、ガになっちゃうよ?」

 !!?

 なんですとっ!!

 キッドの突っ込みに、私はさっと青くなった。うん、ガはいかん。

「いや、でももう決めちゃったし、まゆちゃんでも可愛いと思うよ。ガになることは、この際置いといて」

 ありがとう、ラナ君。ちょっとほっとした。

 そうそう、可愛い名前ってことにしよう!! そうしよう!!


 というわけで、ライジングサンに、もう1人、新たな仲間が加わりました!!

 あ、レベル1だけどね!

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