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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第5章 いつまでも一緒にいたいから

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SAVE29 夢の結婚披露宴

 そして、当日を迎えた。

「それじゃあ、僕は向こうで着替えてくるから」

「うん、楽しみにしてるね」

 ラナ君と別れて、私はいよいよ、純白のドレスを身に纏う。

 どうやら、好きなドレスを選べるようだ。部屋に入ったとたんに、いくつものドレスがウインドウに現われる。

「やっぱり、これかな?」

 白くてふわっとした、可愛らしいドレス。

 レースにブーケ、靴も選んで、それらを自動的に纏った。

『メイクはどうしますか?』

 おまかせメイクと、ナチュラルメイク、ハードメイク、ハーフメイクの3種類が表示される。

 おまかせは、その名の通り、運営が自動的にメイクをするらしい。

 ナチュラルメイクは、より自然な形に近いメイクをしてくれるそうだ。

 ハードメイクは、ちょっぴりロックっぽいメイクができるらしい。

 ハーフメイクはナチュラルとハードの中間っぽいメイク。実例にゴスロリ風なんてのが書いてあった。なるほど。

 私は奇抜なのは好きではないので、ナチュラルメイクを選んでおく。

 すると。


 ぽんっ!!


 あっという間に完成! メイクもいい感じ♪

 ミスティさんとセレさんに呼ばれて、私は、会場に向かった。

「さあ、新郎がお待ちかねだよ」

 扉をあけるセレさんに導かれて、私はドアをくぐる。

 とたんにいくつものクラッカーが鳴り響いた。

 紙吹雪も舞ってるらしい。

 奥の壇上には、すっごく格好いいラナ君が、真っ白なタキシードを着こなして……あれ、固まってる?

「ラナ、君?」

 てけてけと、ラナ君の元へ向かい、ぴこっと首を傾げる。

「やべー、このまま掻っ攫いたくなった……」

 それは冗談ですよね? ね?

「じゃなくって……すっごく、本当に……綺麗だよ、サナ」

「ラナ君も、格好いいよ……」

 いつもの髪をしっかり撫で付けて、大人っぽい。

「では、誓いの言葉を……」

 神父さんの言葉に従って、私達は愛を誓って、皆の前でキスを交わした。


 式はあっという間だった。

 後は、いろんな人達にご挨拶。

 本当は、近しい間柄だけでいいんだけど、ラナ君は、一応、この大地を救った英雄なので、全ての国王に挨拶しなきゃいけないんだって。

 まあ、ラナ君の転移魔法で、さくさくっと終わらせちゃったけど。

「魔王様にも挨拶、するんだね?」

「まあ、一応?」

 親だしと呟くラナ君が、ため息を零す。

「本当はこんなフラグ折りたいところなんだけどね、バグが発生するのが嫌だから」

 なるほど、魔王様、そんなフラグを立てたんですか。


「へえ、孫にも衣装だな」

「帰るよ」

「悪かった悪かった」

 挨拶する前に帰りそうになったラナ君をなだめて、やっと魔王様こと、ラナ君のお父さんにもご挨拶。

「まあ、いろいろと面倒なやつだけど、よろしく頼むわ」

 ちょっぴり嬉しそうな、けれど僅かに淋しそうな笑みを浮かべて、魔王さまは私達を祝福してくれたのだった。


 挨拶周りが終わったら、今度は動きやすいドレスに着替えて、いつもの宿屋でドンちゃん騒ぎ。

 ラナ君が、その場に居る全員におごったものだから、凄いことになってしまった。

 見たこともない凄いご馳走ばかりが並んで、周りにいた人達も口々に祝福してくれて。

 凄く楽しくて楽しくて。


 気がつけば、夜だった。

 みんな、気を使ってくれたのか、私とラナ君は同じ部屋で泊まることになった。

「楽しかったね」

 綺麗な月を見上げながら、私はラナ君にそう告げた。

「うん、あっという間だったね」

「もっと、感慨深いのかなーって思ってたけど、意外とあっさりしてた」

「そう?」

 うんと頷いて、ラナ君を見上げた。

「やっぱ、ここに両親がいないから、かな?」

「ここから出られたら、サナのご両親にご挨拶、しに行こうか」

「うん」

 ラナ君の肩にそっと頭を預けて、月を眺める。綺麗な月。そして、星も。

 こんな時間がずっとずっと続けばいいのに……。

 まあ、出られた方がもっともっと嬉しいけど。


「サナ?」

 思わずラナは、サナに声をかける。

 サナはラナに頭を預けながら、すうすうと寝息を立てていた。

 ラナは何も言わずにそっと微笑むと、彼女を起こさないよう注意しながら抱きかかえ、二人で寝るベッドへと運ぶ。

 本当はいろいろなことを伝えるはずだったのに、伝える前に寝てしまった。

「まあ、いっか」

 心の中でそう呟いて、ラナは部屋の明かりを消した。

 二人だけの夜。

 隣に愛する人が居る夜に、幸せを感じながら、サナのふわりとした金髪をそっと撫でて、ラナもゆっくりと瞳を閉じた。

 

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