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ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~  作者: 秋原かざや
第5章 いつまでも一緒にいたいから

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SAVE28 いっしょになろう

 ラナ君が指定した場所は、誰も居ない女子部屋だった。

 セレさん、カインさん、キッドには、別の場所で待機してもらってる。


「で、私に何のお話があるの?」

「えっと、その……」

 ちょっと戸惑いながら、けれど、何かを決めたような眼差しで。

「結婚しよう!」

「お断りします」

「えええええええっ!!!」

 思わず、即答しちゃった!!

「だ、だって、結婚だなんて、急に言われても……その、困っちゃうよ」

 一方、ラナ君は、顔に何本もの縦線を入れて、がーんと青ざめている。

「今は無理だけど……その、順序ってのがあるでしょ? デートとか、ご両親のご挨拶とか……それに、私、まだ未成年だし……その……」

「……もしかして、サナ。リアルな方、言ってる?」

「へっ!?」

 ラナ君は気を取り直したらしい、それでも青ざめてるが、なんとか口を開いた。

「ゲーム内で、結婚……いや、エンゲージしようって言ってるつもりだったんだけど」

「ゲーム内、での?」

 なんだ、びっくりした!!

 それに、ラナ君の言葉で、エンゲージの意味も分かったよ。

 そっか、ゲーム内で結婚するのが、エンゲージっていうんだ。

 あれ? でもなんで、即答しちゃいけないんだろ?

「なんだ、びっくりさせないでよ、もう。それならそうと言って。そういうことなら、OKだよ。だって、ラナ君となら、大歓迎だし」

「ほ、ホント!?」

 さっきの青ざめもどこへやら。

 ラナ君は乗り出す勢いで、私の顔を見た。

「うん、ホント。ゲームの中なら、全然問題ナッシングだよ」

「ホントにホントにホント?」

「……しつこいよー? ホントに良いってば」

 その私の言葉に、ラナ君は嬉しそうに片手の拳をあげた。

「いやったああああああ!!!!」

 ちょっと涙目なのは、気のせいかな? 感動しちゃってる?

「ところで、アルフさんが即回答しちゃいけないって言ってたけど、エンゲージしたら、やばいことってあるの?」

 きょとんとした表情でラナ君は、すぐに答えてくれた。

「そうだね、離婚するのに1ヶ月かかるかな」

「……何、それ?」

 ラナ君の話によると、ライサガで結婚するのは簡単だけど、離婚するのは大変らしい。

 離婚イベントを受けて、各地を『徒歩』でお使いイベントをこなさなくてはならないそうなのだ。

「転移魔法も使った時点で、イベントキャンセルされちゃうから、もう大変なんだよね」

「でも、どうして1ヶ月もかかるの?」

「500箇所」

「???」

 ラナ君は続ける。

「世界各地の500箇所を回るんだ。かなり遠回りされたりするし、ホント、あれは途中でくじけそうになった」

 ……そりゃ、たいへ……待って!!

 今、『くじけそうに、なった』って、どういうこと!?

「あ……えっとその……」

 気まずそうにラナ君は、言葉を選ぶかのように語り始める。

「ほら、父さんというか、魔王に? イベント確認頼まれてるでしょ?」

「うん」

「これもやってくれって、頼まれて……嫌だって言ったんだけどね、バグがあったら大変だからって、頑として聞き入れてくれなくて」

「うん」

「僕だけでなく相手側にも、こっそり特典あげるからって、言われてさ。しぶしぶ……その、結婚しました」

「相手はだれ!!?」

 相手によっては、私、怒りますけど!!

「み、ミスティ」

 ……え? セレさんじゃなくて、ミスティ、さん?

「だって、セレは嫌がってたし、男となんて結婚したくなかったし……そうなると、その……あまっちゃうでしょ?」

「…………」

「それに、特典に食いついてきちゃって……その、本当に、仕方なく……」

「………………」

「ごめんっ!!」

「まあ、いいよ。それでも離婚したんだよね?」

「うん、この世界じゃ、バツイチになっちゃってるけど……でも、一番はサナとやりたいって思ってたんだよ、これはホント!! イベント確認なかったら、絶対、そうしてた!!」

 でもまあ、想像してみた。

 大変な離婚イベントを確認するために……あのミスティさんと1ヶ月もお使いイベントをこなすラナ君が、ちょっとかわいそうに思えた……。

「わかった。そういうことなら、仕方ないよね」

 それに、一番は私だって言ってくれてるし。

 なにより、とっても必死にすがり付いてくる勢いだ。

「うん、それも含めていいよ。エンゲージしても」

「いやったあああああああ!!!」

 腕を振り上げ、ジャンプも加わりました!

 そんなに嬉しいのかな?

 でも、そんなに喜んでくれると、こっちも嬉しい。


 だって、ゲーム内でも、大好きなラナ君と結ばれるんだもの。

 その後、エンゲージをすると、アイテムなしで通信ができるようになるとか、一緒にいると夫婦効果で、技と魔法の攻撃力がアップしたり、コンビネーション技とか出せるようになると教えてもらって。

 いよいよ、明日、エンゲージ儀式……と言う名の、結婚披露宴をすることになりました!!

 ちょっと早いけど、ま、いっか♪

 楽しみだな、結婚披露宴♪

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