悪徳商会編②
牢屋に入れられる私達。
「ごめんナミちゃん油断しちゃった〜」
「私こそ……なんも出来なくてごめん!」
「いや〜多分ウチの顔が割れてたね〜」
「そうなんだ……どするの?ルチアちゃん
実は全員秒で倒せる剣士だったりしない?」
「そんなどっかのゴリラマッチョメイド
みたいなこと出来ないよ〜……」
「ふええ……」
いつも心の中で呼んでいたあの人の通称が
ルチアの認識と合っていたことに
密かに喜ぶ私。
「まぁ何かしらの取り引きを
持ちかけられるだろからウチに任せて。
緊急の場合はウチが囮になるから
自分が生き延びることだけを考えてね」
ルチア、あなたはもう私を攻略しているよ。
ナミルートクリアだよ。
おめでとう。愛してる。
私達を捉えた男がやって来る。
「おい、出ろ。ついてこい」
グランツ商会のボス。グランツ。
ジャラジャラと貴金属を携えデンと構える。
「お前メッセ商会の娘だろ。コソコソ嗅ぎ回りやがって」
メッセ商会?
エルデシュタイン領地の1番の商会じゃないか?
「いやぁ誤解ですよグランツさん、
ぜひウチとも仲良くして頂きたくて
今回は個人的に様子見に来ただけなんですよ〜」
「お前人質にしてメッセ商会の利権全部取ってやるからな」
「やだなぁ、そんな乱暴なことしなくても
グランツさんに便宜はかりますから〜」
「お前詐欺師だろ目を見ればわかんだよ」
「わかりましたよ漁業の3分の2の利権を出します」
「お前にそこまでの権利あんのか?」
「ウチは領主とも繋がってますからね〜」
「お前相当やり手だな?逆に信用できねぇ」
「やだなぁグランツさん、
ウチは個人で儲かれば
メッセ家やエルデシュタイン領主なんて
どうでもいいんですよ。
仲良くしましょうよ〜」
「領主の情報も、俺に流せよ?」
「もちろんですグランツさん」
「市場取引も、全部こちら優先だ」
「何もかもお伝えしましょう」
「お前個人に取り分%出してやるから契約だ」
「へへ。グランツの旦那、バリバリ儲けさせますよ」
「娘、お主も悪よのう」
犯人はこいつだーーー!!
いや、まてそりゃそうなんだが……、
え?ルチアちゃん大丈夫?
もう完全に敵に寝返ってるけど。
この子ほんとに、詐欺師かもしんない。
「妙な真似できないようにそいつを人質にする」
え?!私?!
「裏切ったらそいつ殺すからな」
あれ?私人質?まじ?
「いや、グランツさんこの子だけは勘弁してください」
「無理だ」
「ウチの一番の友達なんですよ」
「なおさら人質だな」
「この子以外ならなんとでもします」
「えらい庇うじゃねえか?何かあるな?」
「……仕方ない。白状します……実はこの子」
実は私?
「勇者候補なんですよ」
「おい、マジか」
「勇者候補3人召喚って話が実は
本当は4人だったて噂聞いた事ありませんか?」
「聞いたことある!本当だったのか!」
「こっそりウチが預かってまして……
この子捉えるとさすがに国が動きます」
私に目配せをするルチアちゃん。
「えっと!……えー……あー
召喚の場は王都の第2教会。
剣聖、賢者、神速のスキル持ちと共に
私は召喚されました。ルーララー」
「マジか」
「グランツさん、つまりこの勇者候補の筋から」
「まさか」
「……教会の情報も出せます」
「やるじゃえねえか、契約成立だ!」
無事解放された私達。
「アハハ♪ナミちゃんルーララーてなんなの!?
まじウケるんだけど!」
「咄嗟になにか言わなきゃと思って……」
この詐欺師はめちゃくちゃな契約をして
ほんとにしのぎきってしまった。
「え、でもほんとどうするの?あんな契約」
「大丈夫♪全部ウソ。反故にするから〜」
まじか。
「あれは?メッセ商会の娘さんてのは?」
「あ、それはほんと。
元々ウチはメッセ商会の跡取り。
今はヴィオラ様の元で勉強中なの〜」
実家普通に大金持ちじゃねえか。
エルデシュタイン領地の代表の商会だ。
なんの取引するにも名前が出てくる。
新参者の私ですら知ってるくらい。
私の不安をよそに
その夜は
ルチアの実家で楽しくディナー。
そしてお待ちかねのパジャマパーティ。
さらには実家にいるルチアの妹まで混ざり
それはそれは、もう楽しいパーティ。
「トランプみたいなものか〜」
「トランプ?」
「あ、いやこのカードゲームのこと。」
3人でカードゲームで遊んでいるところに
「海外のデザートらしいよ〜」
運ばれてきたデザートは
「え!おはぎじゃん!」
まるで日本の伝統和菓子そっくり
「知ってるの?ウチの商会で新しく取引するの」
「あ、いや、知ってるのと似てただけ……」
「ふーん……」
「美味しい〜♪」
「新食感〜♡」
「お姉ちゃんのお友達面白いね〜ウケる〜♪」
妹さんは姉に劣らずコミュ力抜群の陽キャ。
こうしてお友達がさらに増えた私は
興奮してヨダレを垂らしまくりながら
朝方まで楽しい
キャッキャウフフを満喫。
翌朝いや、翌昼まで爆睡をかましてしまう。
なんて、幸せなんだ。
こんな経験、
日本じゃできなかった。
ありがとう異世界。
ありがとうヴィオラ様。
ありがとうルチア。
そして美味しいデザートたち。
あれ?ところで
グランツ商会との
めちゃくちゃな契約は
どうするんだろ……?
なんて、ふと、よぎったが
取り巻きモブの私になんぞ
できることは何もなく
翌日昼に、目覚めたら
もう
事件は
さっさと
ーーー解決していたのである。
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