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魔王編⑤


魔王と化したナミに

もう自我はなかった。


「ナミー!!!」


「参謀どの!!」


「ぎゃおお?なんじゃこりゃぁ!」


「……ナミ……どうして……」


(ナミしっかりしろ!戻ってこい!!)


誰の声も届かない。


ナミは毒を吐き出し続ける。


周りの床はすぐに毒の沼となり、


ナミから出る息は毒の霧となって


周りを容赦なく蝕んでいく……!


「全員!!逃げろーー!!!」


騎士や魔法使いたちは一目散に逃げ出す。



「S級ダメだ!やるしかない!」


「だ、だめだ!!あれはナミだぞ!!??」


シンシアが冷静さを失っている。


毒の霧を吸ってしまったのはルミナス。


「……あぁ……」


毒の沼を避けて空へ飛んで逃げようとしたが

逆に毒の霧をモロに浴びてしまう結果に……

そのまま落下し床に沈んでしまう……


「S級!!!!覚悟を決めろーーー!!!」


「……うわあああ!!」


シンシアは身動きが取れない


だめだ!やるしかない!


「奥義グランドクロス!!」


ズババババ!!!


斬撃がナミをとらえる!!


グオオオオオオオオオ!!!


やったか?


……いや


暴れ出すナミ。


ドガガガ!!


ナミの一撃を喰らったのはドラゴ。


「ぎゃおお!!痛い痛い痛い痛い!!」


毒の沼に突っ込んでしまう。


「グランドクロスがきかない!!?」


毒の沼と霧の中スカーレットは

最後の力を振り絞る



「秘奥義!エクスカリバー!!!」


ズババババ!!!!


魔王と神速を打ち破った最強の剣技を放つ!


グオオオオオオオオオ!!!


「……効かないだと…?…そんな……」


「……剣聖……無理だ。

攻撃は効かない。

なぜなら

ナミは……

絶対防御魔道具を

持っているのでございます……!」


最悪だ……


ここに来てあの絶対防御魔道具が裏目に……





「逃げようS級!!」


「……ああ。剣聖今すぐ逃げろ」


「……おい!?」


「……ここは私に任せろと言っているんだ」


「バカを言うな!!お前の速度なら逃げれる!」


「……だからこそ、剣聖あなたを先に逃がします」


「……!!」


ポーションは残りわずか


全部毒に覆われているので時間との戦い。



スカーレットは倒れている天使と竜人を

両脇に抱え走り出す


うわぁぁぁ!!


「……頼むS級!逃げてくれ!!」







対峙する…ナミとシンシア。


「……思えばナミ。あなたが我が屋敷に来てから

エルデシュタイン家はとても変わりました」


グオオオオオオオオオ!!


「いつもぴりぴりしていた空気が柔らかくなり

従者全員がいつも笑顔に溢れるようになりました」


ナミの毒と攻撃を避けもしないシンシア。


ドガガガ!!


「従者だけでなく、我が主のお心までも

あなたは溶かしてしまったのでございます」


血まみれで毒まみれのシンシア。

グオオオオオオオオオ!!


「あなたを家族に迎え入れれたことを」


ゆっくり崩れ落ちるシンシア。

ドガガ!!


「私は誇りに思います……」


ついに1度も攻撃をしなかったシンシア。

グオオオオ!!


「……もう剣聖たちは逃げれたでしょうか」


毒の沼に沈み込むシンシア。


「あとは……お願いします」


シンシアはシュガーが消える瞬間を見ていた。


それに全てをかけてこの場を守り、


全員を逃がした。


一切の攻撃をせず、


魔王と化したナミをも


守りきったのだ。


「……ヴィオラ様……」



……ドサッ












ーーーコツン


ーーーコツン


「……シンシア。

隊長としての責務。

全員の命を守った行動……

お見事でしてよ。」


ーーーコツン


ーーーコツン


「……あとは任せなさい」


ーーーコツン


ーーーコツン






そしてーーー


ヴィオラの後ろにはもう1人魔女の姿。


「アビゲイル……うちのメイドを頼みましてよ」


「死にかけじゃ。無理かもしれんぞこれは」


「……無理?……アビゲイル?

そのメイドはワタクシの右腕でございます。

死なせたらタダではおきませんよ?」


「かかっ!相変わらず貴様は最悪じゃ!

その魔王はどうするのじゃ?」


「……魔王討伐はすでに成していますわ」


「かかっ!ならそれはなんだ?」


「……これは手出しは無用。家族の問題でございます」


「かかっ!わかった、メイドは何とか助けてやる。」


「……頼みましてよ」


グオオオオオオオオオ!!!!


ナミから放たれる毒の霧と沼は


すでに魔王城全てを覆い尽くしている。



「……ナミ。あなた何をしているのですか……」


グオオオオオオオオオ!!!


「……ナミ!ワタクシとの日本で交わした約束!」


ヴィオラ様の闇の覇気がナミの毒の霧を覆い返す。


「……まさか忘れたのではありませんわね!?」


グオオオオオオオオオ!!!


「……ワタクシの取り巻きとして生きると誓ったはず!」


グオオオオオオ!!


「……ワタクシの"取り巻き"ともあろうものが!」


グオオオオ


「……"魔王ごとき"に成り下がるとは何事ですか!」


グオオ


「……いい加減にしないと」


グオ


「……ぶん殴りますわよ!!!」


︎グ……







そうだ……


ヴィオラ様は


頭の悪そうなやつは


ぶん殴ってさっさとケリをつける。


こんな姿になったら


私のことも


頭悪いやつと


判断したのかな。


怒らせちゃった。


殴られちゃう。


怖いな。


ヴィオラ様の雷ぱんち。


防げるかな?


いや


多分


防げない


勝てるわけない


無理だ


大人しく


謝ろう







魔王の姿から


いつのまにか


"人間の姿"に戻ったナミは


涙と鼻水でぐしゃぐしゃに


なりながら


主にむかって


告げたのだ。




「ヴィオラしゃま〜ごめんなさい〜!!!」



ナミはその場で

わんわんと泣き叫び

力なくヘタヘタと

座り込んでしまった。






「……わかればよろしくてよ。」


扇が閉じる!

ピシッ!


「……帰りますわよナミ!!」


「はい〜……」








崩壊したその魔王城から


アビゲイルの転移でその場を飛んだのは4人。



とてもクセのあるその者たちは



1人は最強の元冒険者の人間。


1人は最強の吸血鬼の魔女。


1人は最強の勇者の娘。


1人は最強の魔王に"なり損ねた"




スキルのない元勇者候補……








こうして魔王は滅び


魔王討伐任務は終了したのである。









読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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