修行編③
本日はーーー
魔王討伐へ向かう勇者候補を決めるための
実技テストがコロシアムで行なわれる。
そして今回ここで勝った方が現地にいる
剣聖と合流し、
魔王城へ魔王討伐へ向かうことになる。
魔法学園の実技練習場になっているこのコロシアムは
少々の魔法ではびくともしない魔法防御壁が
張られており、観客動員も何万人と入れる規模である。
今日はアーノルド国王みずから観戦に来られている。
その横には教祖アビゲイル様と我が主ヴィオラ様。
マリベル達教会とハインリヒ王子殿下の騎士団達と
国の主要全メンバーが集まっている。
「なんだかすごい催しですね〜」
「屋台企画するべきだったかな〜?」
私とルチアは人が集まると
お金儲けを考えてしまう生粋の商売人化。
「どっちが選ばれるんだろね〜」
普通に戦力としてはドラゴだろうが
スカーレットとコンビを組むと考えると
ルミナスの天使スキルは役に立ちそうだしね。
二人とも修行頑張ってたから
どっちも応援したいな……。
「さぁ、今回の対決方法は!!」
「勇者候補同士での戦闘ではなく!
勇者候補と戦ってもらう戦士を別で呼んである!」
戦士?
「この戦士に勝った方が!
剣聖とともに魔王討伐へ選出されます!」
勇者候補と戦うなんて……
どれほどの猛者かしら?
「紹介しよう!!
この国きっての最強冒険者と呼ばれたその人は」
まさか……
「無敗のS級冒険者!
【漆黒の風】シンシアだ〜!」
ワアアア!!!!
ええー!!!
ゴリマッチョメイド何してんの!!
「シーンシア!」
「しーんしあ!」
「待ってました!【漆黒の風】様〜!!」
うちのゴリマッチョメイドも実は大人気。
会場のボルテージは最高潮。
まずは!
漆黒の風シンシアVS竜人ドラゴ!!
これは楽しみ……!!
「まさか、最強が女とはね。
だが、僕だって魔王討伐の為に
今日まで頑張ってきたのだ!」
ついに竜化を30秒まで伸ばすことに成功したドラゴは
即変身して一気に勝負に出る!
ギャオオオオ……!!
身の丈20Mはあろうかという巨大な竜。
その口から放たれるブレスは
あらゆる爆裂魔法を凌駕する最強火力。
ゴゴゴゴゴドォオオオオオ!!
本気のブレス!会場が揺れる!
とんでもない威力!
まじか!
シンシアさすがにやばいんじゃ?
ドドドドドド!!!!
いっさい攻撃を緩めないドラゴ。
なんて威力だ!強すぎる!!
しかしー
竜の首の後ろにすでに
とっくに降りたっているシンシア。
ドラゴは気づいてもいない。
あちゃー……
グサッ
ギャオオオオ!!!!
呆気なく首を斬られ崩れ落ちるドラゴ。
竜化も解け、そのまま倒れ込む。
30秒変身できるんだっけ?
いや、10秒で終わったんだが……。
回復用にスタンバっているシータが即光魔法をあてる。
「あらあらまぁまぁ〜勝負ありです〜」
「……勝者シンシア!!」
ワアアア!!!
「……遅いのでございます」
速度が段違いすぎる。
シンシアの圧倒的な強さ。
アビゲイル様がヴィオラ様に言う
「かかっ!前見た時よりかなり
レベルアップしとるのう?」
「ええ。彼女も修行に出ていましたのよ」
「痛い痛い痛い死ぬ死ぬ死ぬぅ〜!!」
泣きわめいてるドラゴ。可哀想に……。
続いて
漆黒の風シンシアVS天使ルミナス!!
ワアアア!!!
ルミナスちゃんを捉えれるのか……?
「……早い……怖い」
シンシアの圧倒的な速度を目の当たりにした
ルミナスちゃんは即姿を消す。
スー……
シンシアの後ろから現れたルミナスちゃんの
毒ナイフ攻撃!!
キィンーー!!
シンシアが軽くいなす。
「……!!」
また消えるルミナスちゃん。
キィンーー!!
シンシアはルミナスちゃんを見もせず
ナイフを剣で受け止める。
「……え……なんで……」
まるで、どこからルミナスちゃんが出てくるか
わかってるかのような動き。
スー……
ルミナスちゃんはまた消えて
今度は空高く上空から現れ
毒ナイフを大量に下へ投げ落とす。
「……あれ?……いない……」
そのルミナスちゃんのさらに上へ跳んだ
シンシアはすでにルミナスちゃんの真後ろにいる
ーーートンッ……
ルミナスちゃんの首に軽く剣の柄を当てた。
「あ……」
そのまま気を失って急降下するルミナスちゃん。
ふわりと肩でそれを担ぐシンシア。
まったく相手にならず勝負は終わってしまう。
「……どこに現れるかバレているのでございます」
「……きゅぅぅ……」
「勝者シンシアーーー!!!」
ワアアア!!
強い……圧倒的だ
うちのゴリマッチョメイド……
そりゃ強いとは思っていたけど
さらに磨きがかかっている……。
勇者候補がまったく子供扱いなのである。
会場の盛り上がりは最高潮!!
「しーんしあ!!」
「シーンシア!!」
われんばかりのシンシアコール。
そしてシンシアは叫ぶ。
「ヴィオラ様!」
「……そして!教祖様!国王陛下!」
シンシア……?
「魔王討伐の任務!
ぜひこのシンシアにお任せくださいませ!」
ワアアア!!!!
うおお!シンシアが魔王討伐に!!!
ヴィオラ様が立ち上がる。
「……シンシア見事です。
お父様から無事に譲渡されたのですね……」
アビゲイルが言う
「かかっ!見事じゃ!期待しておるぞ!」
アーノルド国王陛下から
「うむ!しかとこの目で確認した!
勇者エルデシュタインより!
スキル【心眼】を受け継いだ
漆黒の風シンシアよ!
魔王討伐の任務!
見事成し遂げてみせよ!!」
「ありがとうございます!
必ずや魔王を打ち倒しましょう!」
ワアアア!!!
「シーンシア!!」
「シーンシア!!」
まさか、エドの修行って
【心眼】の譲渡だったのか……!
そりゃルミナスちゃんの出現場所もわかるわけだ……
これは勇者超えるわ……
はは……
シンシア覚醒だね……!!
こうしてーーー
シンシアを筆頭に
魔王討伐軍が結成される。
読んでいただきありがとうございます!
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続きが気になるなと
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