修行編②
セバスチャンの使い魔を飛ばして
教会へ連絡。
正直に伝えるしかない。
勇者候補の天使ルミナスは
シュガーがお気に入りのようで
姿を消してこっそり着いてきてしまった。
とりあえず今日のところは
エルデシュタインの屋敷に泊まってもらおう。
「……めんどくさいですわね」
ヴィオラ様が不機嫌だ……。
「……ネコ……好き」
「……教会で別のネコでも飼わせましょう」
「……このコが……好き」
「……ちっ」
ヴィオラ様……態度に出すぎです……
それを見てヴィオラ様を指さす天使ルミナス。
「……あの人……キライ」
わー!!やめなさい!!
「ルミナスちゃん!ダメよ!あの人はお偉い方よ?」
「……キライ」
わー!!!
「……ナミ。シュガーとあなたで今日は相手しなさい」
「は、はい〜……」
ヴィオラ様の目が笑ってない……ひえ〜
なんて言ってる間にルミナスは姿を消す
……え!
消えた!!
ルミナスのスキル【白召天使】だ。
「ルミナスちゃん〜!遠く行かないでね!?」
ガシャーン!
わー!
キッチンからオズワルドの悲鳴が聞こえる……。
あちゃー……
「き、急に女の子ががが……!!」
クリームに指を突っ込んで
ちゅぱちゅぱしてるルミナスちゃん。
「ルミナスちゃん〜
ちゃんとおやつもあげるから
勝手に動かず、おとなしくしてね〜?」
「……おいしい」
ルミナスちゃんを捕まえて移動させようとするが
スー……
わー!消えた!!
捕まえてても消えられたら触れなくなる。
え、壁とかもすり抜けるんじゃないのこれ。
なにやら性格に難ありで
好き勝手に行動する
まさに、掴みどころがない……
手に負えないぞこの子……!!
「きゃきゃきゃ!結界で動けなくしてやるでありんす!」
おお!まさかのリーベが活躍!!
頼むよリーベ!
「それで、どこにいるでありんす?」
……見失ってんじゃねぇか!
リーベの結界すらもすり抜ける。
存在を消すってすごいんだね……
わーわー!
ぎゃーぎゃー!
……。
夜もふけ、
朝も近いような時間になり
やっと疲れたのか
ルミナスちゃんは眠りに落ちた。
「つ、疲れたー……」
(勇者候補というのは記憶を失ってるのもあってか
どうも性格に難があるものが多いのう)
そういえば……そう言われたらたしかに……
最初のオラオラ勘違い賢者シュナイダーに始まり、
大人の姿をした子供のエド
あらあらまぁまぁお姉さんのシータ。
ヴィオラ様の変態信者、剣聖スカーレット。
妙な雰囲気の竜人ドラゴと天使ルミナスちゃん。
そして極めつけはエド&シータの娘ヴィオラ様……
全員ちょっと変な人だわ!
私がもはや普通に見える!
(……ナミ。お主も大概じゃぞ?)
(シュガー……!待ちなさ〜い!!)
ドタバタ……!
ー翌日ー
「ルミナスちゃん〜教会に帰りますよ〜」
「……ネコいない……キライ」
スー……
また消えてしまうルミナスちゃん……。
ダメだ。ほんとに手に負えない……。
教会のお迎えが来ても言うことを聞いてくれない。
(シュガーしばらく教会居てくれる?)
(断固拒否じゃ!)
まいったな物理的に捕まえる方法がないぞ……
「風の使い魔がなんとなくこの辺りにいるなというのは
わかるようですがかなり曖昧ですね」
セバスチャンも捕まえれない。
使い魔が空を飛んでグルグルまわっている。
「ルミナスちゃん〜出てきて〜」
(シュガー、可愛いポーズでおびき寄せて!)
(ゴロゴロ)
寝そべってお腹を空へ見せるシュガー。
スー……
「……可愛い」
出てきた!
セバスチャンの風の使い魔が回ってた場所に
ルミナスちゃんが出てくる。
空に。
嘘でしょ。
消える。
壁すり抜ける。
からの
さらに
飛んでる……
上空に現れた彼女の背中には
まさしく天使の羽が神々しく広がっていた。
シュガーに手を差し伸べるルミナスちゃん。
そしてシュガーを、抱き抱えてまた空へ飛び出す。
そしてそのままシュガーもろとも消えてしまう。
スー……
うわー!!
召されたーーー!!!
まさに何かで見たことあるあの
天使に連れられて天へ旅立つシーンそのもの。
嘘でしょ。
周りの人も消せるの?
(シュガー!シュガー?!)
反応がない。
触られたら消されて終わり?
とんでもないスキルじゃん。
「……ルミナス!そろそろいい加減にしなさい!」
ついにヴィオラ様が叱咤をしだした。
スー……
シュガーとともに現れるルミナスちゃん。
(シュガー?!大丈夫?)
(うむ。天使に触られていると同じく消されるのう)
(離れたら大丈夫なの?)
(うむ。消えてる間は触れないので変な話じゃが
触ってから消えると一緒に消えてしまうの。
着ている服が一緒に消えるのと同じ理屈じゃろな。
これは恐ろしいスキルじゃのう……)
ヴィオラ様がついにルミナスの元へ
「ルミナス。良いものをあげるから大人しくしなさい」
「……いいもの……なに」
どうするのヴィオラ様?
「……これですわ」
ヴィオラ様が取り出したモノはーーー
数日後ーーー
教会ではルミナスちゃんのスキル修行が
おこなわれている。
消える→敵の後ろに現れる→毒を付与した魔道具で刺す
「……えいっ」
ぷすっ
刺したら消える
スーー……
地味だがめちゃくちゃ強い……!
攻撃スキルはないものの
魔道具を活用することにより
なんとか戦闘スタイルを見出したルミナスちゃん。
戦闘というか
これはどうみても
暗殺ですね……
嫌な勇者だなー…
一方、竜化を20秒くらい出来るようになったドラゴ。
ブレス一撃で軽く周囲を吹き飛ばすほどの
圧倒的な火力を披露。
ただし20秒で力尽きる。
スキルはとても強いが
なかなか使い勝手の難しいこのふたり。
まぁでも、修行には勤しんでくれている。
マリベルが修行を終えたルミナスに近寄る。
「ルミナス様お疲れ様です。」
「……つかれた」
「来週にいちど実技テストを行います。
それまで一緒に頑張りましょう」
「……わかったぁ」
そういってマリベルは
ルミナスちゃんに
黒猫印のマスコットを渡す。
シュガーのぬいぐるみを抱きかかえた
ルミナスちゃんはニコニコと走り出す。
まさかシュガーのぬいぐるみがこんなところで
活躍するとはね……。
癖がありすぎるが
果たしてこの2人は
魔王を倒す勇者になりえるのか。
さてさてーーー
実技テストで合格を貰えれば
いよいよ剣聖と合流……!!
魔王討伐へむかうことになる!
読んでいただきありがとうございます!
もし少しでも面白いな、
続きが気になるなと
思っていただけましたら
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