表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/63

魔道具編⑤


闇と闇がぶつかり合う。


空気の摩擦で温度が上がる。


圧に押しつぶされそうになる。


並大抵の人間ではこの空間に

居続けることは不可能。


セシル・ウェストレイクの【絶対防御】

この中にいなければ、

目は血走り、

耐えきれず嘔吐し、

そのまま気を失いかねない。


この二人の最強の対峙は

それほどの空間を作り上げていた。


「かかっ!妾の地で喧嘩を売って無事に帰れると思うなよ?」


「……ここがあなたの地ですか……臭いですわね」


「かかっ!お前らの血肉でもっと臭くしてやるよ」


「……これでもまだ戦わないのですか?」


最悪だ。


ただじゃすまない。


「ヴィオラ嬢!!落ち着くんや!!」


「ヴィオラ様!待ってください!!」


セシルとマリベルの声。


一触即発。臨戦態勢。


「ワイらは話し合いに来とる!!」


「……ヴィオラ様!どうかおおさめください!」


「……マリベル。あなたうるさいですわ。

もう教祖なんて辞めてしまいなさい」


「……!!ヴィオラ様!……そ、そんな……」


ヴィオラ様が、もうブチ切れてる。

ダメだ。止まらない。


「魔女様達はこの地で!

行き場を無くした民を集め!

生活できる環境を提供しています!

この地に居るものたちは、

争いの末にやっとここへ辿り着いたもの達なのです!」


マリベル……。


「これ以上この地に住むもの達を

追い込むのはあんまりです!!

どうか!どうか!拳をおおさめください!!」


泣き叫ぶマリベル。


そうか……。


この地の、ならず者にみえた人達は。


行き場を無くした無法者。


身寄りのない者。


孤児。戦争孤児。


犯罪者。


迫害を受けてきた者。




そんな人達がやっとの思いで

色々な国や島からたどり着いて、

魔女達を中心に集まり

なんとかやりくりしてきた……


そんな島国だったんだ。



よく見たら屋敷の周りには人だかりが出来ている。


小さな子供からお年寄りまで。



みんな心配そうにこの2人を見ている。

「魔女様……。」

「アビゲイル様……」





「あかん、もう止めれんわ……」

「ぅぅ……ヴィオラ様……お願い……」


セシル様とマリベルはもう諦めかけている。


私はマリベルを、

ルチアはセシル様を抱きしめ、

この絶望に打ちひしがれてる二人に

同時におなじ言葉を伝えた。


「大丈夫ですセシル様……」

「大丈夫だよマリベル……」


「……ヴィオラ様を信じて!」

「……ヴィオラ様を信じて!」







「……なぜ戦わないのかと!!」


ヴィオラ様はさらに吠えた


「あなたに言っているのです!アビゲイル!!」


「……ああ?!」


「こんな小国で身を潜めて外部を遮断し

お山の大将でございますか?」


「……貴様!?」


「こんな聖女になりたての小娘に

心配されて、

優しい言葉をかけられて、

それであなたは嬉しいのですか?

守って貰えて満足ですか?


自分のためですか?

行き場の無くなったものたちを

守っているつもりですか?


滑稽でございます!


惨めな負け犬にしか見えませんわ!!」


「……貴様!ぶっ殺す……!!」





怖い怖い怖い怖い!!!!!






「またそうやって外部を跳ね除け、

何も受け入れず、隠れて生きていくのですか!」


「いい加減にしろ!貴様に何がわかる!!

妾達が!今までどれだけ苦しんで生きてきたか!」


「知りませんわ。

そんなこと。

わかるのは誇りを見失い、

おめおめとこんな最果ての島国で

怯えてくよくよしている事実だけです」


「……!!」


「ここにたどり着いた数多くの民を!

何百年もの長い長い間!


ずっと!!


あなたは救って来たのでしょう!

アビゲイル!!」



周りの人たちが


「……魔女様!」

「アビゲイル様〜」


「アビゲイル様を、虐めるな〜!!」

「なんだお前ら!でていけ!!」





「あなた程の者が

こんな小国の少ない人間を

救うだけなんて許しません。


ワタクシは!

悪しき教会をぶっ潰しましたわ!!

次は!!

あなたの番でございます!!」


「……!」


「さぁ!いつまでも恐れおののき、

この地でくすぶり続けるのか!

立ち上がり、

ワタクシと共に戦うか!

選びなさい!


アビゲイル・デスペラード!!」


「……お前が……教会を潰したのか……?」


「ええ。ワタクシ。神に祈ったことはございませんの」


「……」





「魔女様!!」

「アビゲイル様ー!」




「かか……」


「かかかっ!!よう言うたな貴様!

よかろう!!条件はただひとつじゃ!


教会の教祖は妾じゃ!

全員妾に膝まづけ!!

その娘には荷が重い!

大人しく聖女だけしておれ!!

それ以外は認めんぞ!!」



え、



ええー!!!!!



「……やっと戦う気になりましたか」


まさか……


「マリベル!!よろしくて!!?」


「はい!ヴィオラ様!!仰せのままに!!」



「これにて契約成立ですわ!」



ドドン!!





「……やってくれたな貴様」


「あとは頼みましてよ?教祖様」


「ヴィオラと言ったな貴様。

かか!面白い。

むちゃくちゃしやがって……

お前が1番魔女ではないか?!

かかっ!!」


「失礼ですわね?

ワタクシはただの……」


扇が閉じる。

ピシッ!


「悪役令嬢でございますわ」


「……なんだそれは?かかっ!かかかっ!!」





腰が抜けて立てない私とルチアに

リラとエマが手を差し伸べてくれる。


かたく握手した私達は

契約成立を称え合うのだった。


結局私はいつも通り

ただの取り巻きで

なーんにもしてないんだけどね♪







この魔女の国での事件


これを機に


女神を信仰していた教会は


不死の魔女アビゲイル・デスペラードを教祖とし


新たな教団へと生まれ変わる。








読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

下の評価

☆☆☆☆☆

ブックマーク感想など

よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ