表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/63

教会編③


「きゃあああ!!!」


侯爵に続き婦人も撃ち抜かれた。


なんてことだ……!


「どうせ勇者候補召喚を

やめろとでも言いたかったのでしょう?」


「ミカエル……きさま……!」


侯爵夫妻は光の矢を受けて

2人ともやられてしまう。


やられる……!


私も覚悟を決めたが……


私には撃ってこない……?


(これはダメじゃ。すまんのナミ。)

(シュガー!?なんで出てきてるの!?)


「さて、そちらのゴミ勇者候補のほうは

なぜ聖獣を連れているのですか?

大人しく答えなさい」


「……なんのことですか!」


(ダメじゃナミ。バレとる。最初から目当ては吾輩じゃ)

(私には最初から用はなかったのね……

シュガーをおびき寄せたかっただけ……!)


「ナミさん……!!」


マリベルがこちらを見ているが


(あの回復女のせいではない。許してやれ)

(許すも何ももうどうにも……!

ねぇ!シュガー魔法使えるんでしょ!!?)

(無理じゃ。

あのラファエルとかいう神官あやつ強すぎる)


「さぁ、聖獣バステトよ。

また転移についてお力をお貸しください……」


(ミカエルはエルフじゃ。

あれが小さい結界を張っておる。

吾輩含めて動けないのはあれのせいじゃ。

たまたま最近似たようなもん見たじゃろ)

(何とかならないの?!)

(ふむ。裏技を使う)

(裏技?)

(人間界を離れて神界へ逃げる)

(……それは、つまり?)

(吾輩だけ逃げるということじゃ。

すまんのナミ世話になったな)

(え、まじ?)


それだけ言うとシュガーは光に包まれて

そのまま猫本体も幻影も消えてしまった。


「……ち、ダメか」


「ミカエル様の結界を超えて神界へ逃げましたな」


ミカエルとラファエルは聖獣を取り逃したが

たいして気にもしてない様子。

オマケ程度についでに捕まえれたらいいかな

くらいにしか考えてなかったのかも……。


しかしこれは……まじ詰んだかな。


勇者二人やられて聖獣も逃げ出した。



「エルデシュタイン侯爵夫妻。

勇者候補召喚の方法が知りたかったのでしたね」


「ん〜!ん〜!」

バタバタしている婦人。


倒れてもなお睨みつける侯爵……

「……まさか」


「特別に見せてあげますよ……

今から勇者候補召喚を行います……」


「ミカエル……!!」


「薄々気づいていたのでしょう?

勇者候補召喚のために必要な触媒が

【人間】であることを」


「……やはりか!」


「使うのは死体です。

まぁ生きてても殺して使うのですけどね……」


最悪だこいつら。


いつの間にか周りには神官が大勢。

20人は居るか……?

そりゃ教会本部。相手の本丸に入ったのだ。

囲まれるのは当然。


「ちょうど隣国で魔物に殺された人間が山ほどいましてね。

勇者候補召喚にうってつけでした。くくく……」


周りの神官は何やら詠唱を始める。


嘘でしょ?

このままほんとにここで勇者候補召喚する気?


人間の死体を使って

勇者候補を呼び出し戦争に行かせ、

失敗したらGATEになり魔物が溢れて……


なんなの一体こいつらのやってること……


これが世界を救う女神の宗教??


ひたすら殺し合いを続けさせてるだけ……


人間をなんだと思ってるの


こんなの心底腐ってるじゃん……




「……いい加減にしてくださいませ!!!」



……え?


涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにした

その人はいつのまにか侯爵のすぐそばで

光魔法を発動している。


「マリベル……!!?」


「これが!

こんなことが!

女神の教えですか!?

ミカエル様!

私はあなたに幻滅しました!!!」


「聖女マリベル……貴様何をしている」


「……私は!あなた方には!!

もうついていけません!!!!」


いつも大人しく可愛いマリベル。

女の私から見ても彼女は可愛いお嬢様だった。

学園で初めて見た時から魅力の塊だった。

そう、このゲームの主人公は

間違いなく彼女だと瞬時に理解できるほどに。




その彼女がーーー吠えた。


むせび泣きながら感情をあらわに

怒りに身を任せて。


「マリベル!!!!」


次の瞬間



傷が癒えた侯爵が

ラファエルに向かって一瞬で間を詰める!!



ガキイイイィン!!


ラファエルの展開した防御魔法が侯爵の拳を防ぐ!


……!


防がれた!


侯爵は最初からラファエルしか狙っていない。

多分わかってるんだ。


世界一強いと言われる魔法使い


あいつを倒さないとダメなんだ……!


「……あぁ!」


マリベルが結界に包まれ、

侯爵婦人と私と3人、また拘束されてしまう。


一瞬のチャンスだった……


しかし、防がれた……!!


え、


これは?


声が聞こえる……


この声は……


(ありがとうマリベルちゃん

素晴らしい行動でした。

やはり貴女こそが

聖女です

お願いーーー

あの人を護って……!!)


婦人の手から何か光の玉のようなものが

マリベルへむかう


あれは……?


(【聖域】を……貴女へ……)


「まさか……!スキルを譲渡しただと……!?」


「うわぁぁぁ!!!」


光に包まれたマリベルが覚醒するーーー


対象に近づかなければ

回復できなかったマリベルの光魔法が


侯爵へ届き、包み込むーーー



「うおおおおおお……!!!」


ドドドドドド……!!!!


ラファエルはすでに防御に徹している。


そこへ拳を叩き込み防御壁を破壊しにかかる侯爵。


防御壁を破られたら一瞬でやられると


ラファエルもわかってるんだ。


周りの神官20人から一斉に侯爵へ向けて魔法が放たれる


炎に包まれ、

氷の刃に身体を貫かれ、

雷が頭上に落ちる。


侯爵の肌は焼けただれ、

貫かれた肉体は

おびただしい血しぶきをあげている。


しかし、その身体は

マリベルの【聖域】により

一瞬で治癒され

侯爵の拳は一時も休むことなく

防御壁の破壊に繰り出される。


傷ついて治って…

また傷ついて治って……


いくら治ったからといって

痛みがないはずがないんだ。


死にかけては治って

死にかけてはまた治ってを

繰り返しているんだ。


一体……


どれだけの地獄なんだあれは!!


うわぁぁぁ!!!


侯爵が、何百の拳を叩き込んだかはわからない。

一瞬だったのかもしれない。

でも永遠にさえ見えたその地獄の戦いは


ついに防御壁を打ち破り

ラファエルの身体への怒りの一撃へとつながる


ドゴォォォォ!!


ギィヤァアアアア!!!


その一撃でラファエルの身体は吹き飛び

まさに、断末魔と呼ばれる叫びとともに

ラファエルは崩れ落ちた。






ついに




侯爵が






ラファエルを







倒した……!!!









読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

下の評価

☆☆☆☆☆

ブックマーク感想など

よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ