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社交界編③


ヒリついた空気。


だれもがこの


最強の剣と


最強の盾の対峙に


息を飲んでいた。


しかしーーー



さらにその2人を飲み込む圧倒的な闇。


そう、例えるならそれは


闇であり、無。


その闇は


それまでのことを、


何もかもを、


なかったことにしてしまうような


そんな圧倒的な暗闇。





「……静粛に!!」



立ち上がっただけで

この空間を支配してしまった我が主。


その圧倒的な威圧に

へたへたとその場で座り込んでしまう貴族、

口が空いたまま動けない者たち。


剣聖と絶対防御も

お互いではなく、

この圧倒的支配者の方へ向き直る。




ヴィオラ様が……あきらかに威圧している。


全員がこの闇から目を離すことができない。




ヴィオラ様が手に持ったのはワイン。


その栓をおもむろに開けたヴィオラ様は


グラスに注ぐことなく


そのままボトルごと口につけ


なんとラッパ飲みを始めてしまった。





……グビグビグビグビ!!!



え、



ええ



ぇぇええええ!!!!!!!



毒ー!!


それ!


毒です!!


毒だって言ってるでしょぉ!!


ヴィオラ様ぁぁあ!!!




あっという間に飲み干してしまう。


ゴトン!



……!!



静寂からの



……!!





「……ぷはぁっ♡」



……ぁあ。


なんて……


セクシー……。




い、


いやいや!


ヴィオラ様!!!





全員を一瞥したあとヴィオラ様は言う。






「ごらんなさい!……毒など入っておりませんわ!」




え?


どういうこと?!




「……な!エルデシュタイン侯爵令嬢?!」


動揺する剣聖スカーレット。


「剣をおさめなさい!スカーレット!」


「……!!は、はい!!」


ヴィオラ様の圧に退くスカーレット。


「セシル郷も煽るのはおやめくださいまし。」


「くく。相変わらずやなぁ。ヴィオラ嬢♪」


「この腹黒男が公衆の面前で

こんなくだらない事

するはずがありませんわ」


……一体どういうこと?


「逆に王都側にハメられたと疑ってかかるのも当然」


公爵も怒ってたもんね

確かに……。


「毒はワインではなく!グラスの方です!

このグラスを用意した者をすぐに、捉えなさい!」



……!!


ま、


まじかぁ、



またこのお方は


一発で


場をおさめてしまった……







ーーー犯人は第2王子側近の残党。

グラスに毒を仕込み、

西の盟友をおとしいれて

王都になくなった自分たちの居場所を

新たに西の領地に作ろうと企んだ者たちの

苦し紛れの犯行であった。




晩餐会は終わりを迎え、解散。


宿に1泊して明日帰る私たちは

やっと宿でくつろげていた。


ドレスを脱いで裸足になった私は

ベットに倒れ込む。


つかれたー……



社交界キラキラしてて憧れたけれど

正直2度とごめんだわ……


(王都のプリンやゼリーも美味かったの)


その後もマイペースに糖分を取り続けたシュガー。


(気楽なもんね〜シュガーは)

(前も言うたろう。お主にできることなどないわ)

(……はい。ですよねー)

(心配なんぞする暇があるならメシを食え)

(この食いしん坊黒猫!べー!)

(吾輩は魔力の源を摂取しているのである!)


シュガーといつも通りのやりとりをしていると

ふと、窓の外を歩く2人組が見えた。


「……あれ、ヴィオラ様?」


外を歩くのはヴィオラ様とセシル郷。


わ!こ、これは?


ドキドキ……。


「なんや、てっきり第2の側近の残党炙り出すために、

ヴィオラ嬢が仕組んだんか思てたのに♪」


「そんな雑魚の相手など、わざわざいたしませんわ」


「そかそか〜ワイはいい機会やから

剣聖の力も見ときたかったからなぁ♪

でもちと煽りすぎたか?ははは♪」


「趣味が悪くてよ?だから腹黒呼ばわりされるのです」

「そんなワイの気持ち見透かしてくるのは

ヴィオラ嬢だけやで〜♪」

「……そういうのいりませんわ!」


「くく。せや、どないなん?領主。大丈夫なんか?」

「……ええ。何も問題ありませんわ」

「そかそか〜♪まぁなんか困ったら言うてきいや」

「……お気遣い感謝しますわセシル郷」




え、この2人……


もしかして


ほんとは仲良いんじゃ……?



(令嬢という立場から領主になったのであろう?)

(え?何かわかるの?)

(あの悪魔女が領民さしおいて西の遠方に嫁ぐと思うか?)


そうか。元々は婚約者。

でもヴィオラ様はただの令嬢ではなくなってしまい

領地を離れることができなくなってしまったから……


もしかしたら本当は……




いや……


ヴィオラ様が決めたことだ。


そんなことを

私が気にするのは

野暮ってもんだよね。


私はもうヴィオラ様に

ついて行くって決めてるから。


私は私にできることを

これからも頑張ってやっていくだけ……。






「なんや、でもちょっと雰囲気変わった気がするで?」


「……そうかしら?」


「せやな。表情がやわらかくなっとる。」


「……ふふ。そうですわね。

もし、そうだとしたら……」




ヴィオラ様が

ふと、

窓から見てる私と黒猫の方を

チラッと見たような気がした。






「……家族が……少し増えたからかしらね?」




王都の夜は少し寒い。

夜風は涼しく気持ちよく

でも、少し

少しだけ優しく包んでくれる


そして


王都の夜は、ふけていく……










読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

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