表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/63

王位継承編③


第1王子との謁見を強引に取り付けたヴィオラ様。


夕方に謁見できることになったので

それまで王都での用事を済ませるという。


まずは商会へ。


「これはこれは!エルデシュタイン侯爵令嬢様!」


「黒猫印ブランドの値上げを致します。

便宜をはからうのであなたのところで対応しなさい」


「はい!ありがとうございます!」


次は教会。


「侯爵と侯爵夫人の具合はいかがですか?」


神官達は

神の御加護を受けれます

などと言い、

あからさまな寄付の要求をしてくる。


「もうすぐ2人共くたばるので結構ですわ」


むちゃくちゃ言いよるなこの人。

まぁ実は元気なの知ってるからこそ

言える台詞なんだろけど。


次は冒険者ギルド。


ここはシンシアから

「A級冒険者を何人か雇います。

漆黒の翼への移籍を検討してください。」


あの時の襲撃犯はあきらかにA級クラスだった。

うちはマスターのバルドでもB級。

戦力増やしてあげたいよね。

これは私も嬉しい。

みんな元気にしてるかな……?



さて、夕刻。




ーーーコツン


ーーーコツン


最強すぎる悪役令嬢が城に戻ると


屈強そうな騎士達ですら恐れおののく。


「な、何だこの威圧感……!?」


「ほんとに人間かあれは……!!」


モーゼの十戒のごとく


人々が隅に寄っていく。


一体誰がこの人を止められるのだろうか。







第1王子の部屋に通された。


第2王子の部屋とはうって変わって


こちらには第1王子アーノルド殿下と

側近はたった2人だけ。


「よく来てくれたねヴィオラ嬢!」


……!!


……すごい。


これはほんとにすごい……。


なんと清々しい笑顔で挨拶をしてくれるのだろう。


人徳、仁義の人。


挨拶しただけでわかる。


これが


次期国王の器か。


こんなの私でも一発でわかるよ。


どちらが、国王に、ふさわしいかなんて。





「ごきけんようアーノルド殿下」


「茶菓子を出す。ゆっくりしていってくれ」


めちゃくちゃ接待だ。歓迎してくれている。


もしかしてすでに仲が良い?


わかってて時間も作らせたのか?


「先生もお久しぶりです!

お身体の具合はいかがですか?」


「ええ。殿下。お心遣い感謝します。順調ですよ」


先生?!


うちの執事に対して?


アーノルド殿下が?


先生??


シンシアの得意の耳打ち。

「セバスチャンは元魔法学園の教師です。」


え!まじで?!


そういや、アーノルド殿下が

昔、魔法学園で生徒会長してたって言ってた!


そして、セバスチャンは

エルデシュタイン家の執事の前は

魔法学園の先生してたんだ?


殿下の生徒会長時代の先生がセバスチャンてことか。


そんな繋がりが……!




「その側近は信用してもよろしくて?」


「ああ大丈夫だよヴィオラ嬢。」


すんごい上から目線だ……。


「第2のとこの、側近ども。

ダンカン筆頭に不正だらけですわ」


え?


「ありがとう、全部対応しよう。」


速攻チクるやん。


まじで?


「この商会との癒着。」


「騎士団への武器の利権」


「教会の寄付のふりして横領」


まぁ出るわ出るわ。


どこ情報?


むちゃくちゃチクるな。


もう密告するために来てるやんこの人。


アーノルド殿下は2人の側近にすぐ指示を出した。



「それであの第2はなんなんですの?」


「すまんね。悪い奴ではないんだが。

どうも人を疑うことを知らない。」



なんだか最初のイメージと全く、逆だった。


第1王子が仁義の人でお人よし。

第2王子が人よりも国力。

みたいな話だったけれど。


実際のところは

第2王子が人を疑わず、

第1王子こそが人をちゃんと見てる。

だからこそ信用できる数少ない側近しかついておらず


第2王子の周りには

たくさん悪巧みしてる側近が集まるんだ。




理解してしまった。


ああ、そうか。


そういうことか。


私ごときが一体なんの心配をしていたのでしょう。


最初からヴィオラ様は言っていたじゃないか。


ーーー王位継承などに興味はありませんわ。

ーーー第2王子の招集要請などめんどくさいですわ。




最初からわかりきっていたことなんだ。


第1王子が王位継承する。


まったく揺るぎないそれだけが事実。


第2王子なんて、いや、もはや


この王位継承争奪戦というイベント自体興味がなく。


そうか。


ヴィオラ様からしたら


第2王子なんて最初から


舞台にすら立っていなかったのだ。



……はは。


ほんとに。


また、やられた。


本当にヴィオラ様。


あなたは最強すぎます。


心底惚れましたよ。


セバスチャンもシンシアもルチアたちも

ヴィオラ様に絶対の信頼を置いている。


今更ながらその忠誠心に納得。



冷酷非情の暴君ですって?


誰もこの方の思想についていけてないだけじゃん。




ーーーああ。


ヴィオラ様。


改めて感服しました。







ーーー話は終わり


第1王子殿下の元をあとにする

エルデシュタイン一行。



(吾輩少しだけ寄り道をする。

ナミお前腹が痛いとでも言って時間を稼げ。

あまり本体と離れると姿をたもてんのでな。)


(……?わかった数分だけだよ?)


(……うむ。)


「いたたた!お腹が痛い!盲腸かも!!」


「…ええ?」


第1王子殿下の部屋を出たところで


突然うずくまる私。


カバンにシュガーははいったまま。

幻影だけが部屋に戻る。


その黒ゴスロリ少女は


部屋の主にむかって自分の幻影を見せて

優しく語りかけた。


(久しいのうアーノルド。大きくなったな。)

(……まさか!バステト!なぜここに?!)

(あの悪魔女のところでのんびりしておる)

(そうだったのか。もう何十年ぶりだ懐かしい)

(ああ。城の中庭でお主とよく追いかけっこしたの)

(元気そうでよかった。)

(お主もの。なんだもう次は国王か。)

(ああ。大変だが、やりがいはあるよ)

(吾輩はしばらくのんびりしておる。

教会に見つかるとややこしいからの)

(わかった。何かあれば頼ってくれ)

(ではのう。我が親友よ)


「アーノルド殿下?いかがなされましたか?」


「……あ、ああ。なんでもない。

少し昔を思い出していただけだ。

それより!ダンカンたちの処理頼んだぞ」


「かしこまりました!」




(シュガー?話はできたの?)

(うむ。もう済んだぞ)


「あれれ?おかしいなー?

もう痛いのなくなっちゃった!!」


「……ナミ。ついに頭がおかしくなりましたか?」


「……でへへ!」










少し帰りは遅くなっちゃったけど


今日もエルデシュタイン家で


楽しいディナーがきっと待ってるぞ。



ねぇ

私の大好きな

ヴィオラ様と

従者のみんな……




早くお家へ帰ろう♪



この二日後


第2王子ハインリヒはみずから


王位継承権を放棄することになる。






読んでいただきありがとうございます!


もし少しでも面白いな、

続きが気になるなと

思っていただけましたら

下の評価

☆☆☆☆☆

ブックマーク感想など

よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ