【No.110】春のありふれた小さな花 ツメクサ、キュウリグサ、ハナイバナ
今回は「小さな春の花」を。
いや本当に小さいからね。
ツメクサ(ナデシコ科)
Sagina japonica
ツメクサです。芝生の中とか道路わきのアスファルトの割れ目とかから生えてきて、あるのかないのかわからない位の小さな白い花を咲かせる雑草。どこにでも生えてます。ただでさえ小さいのに、茎は地面を這いますから背丈は1cm程度からせいぜい数cmくらい。10cmを超えることは稀です。花は3~4mmくらいじゃないでしょうか。
小さい、地味。でも、先のとがった細長い葉や、5弁の白い花は、よく見ると整った形をしていてそれなりに美しい。超ミニサイズのナデシコに見えないこともない。
気のせい?そうかも知れませんけど。
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さて、今度はキュウリグサ。
あぜ道や道路脇の草地なんかで良く見ます。ワスレナグサと同じムラサキ科になります。このムラサキ科、とにかく花の小さな種類が多い。9割以上が花径5mm以下じゃないでしょうか。1cm超えると大輪花の部類ですね。中にはホタルカズラのように3cm位の大きな花を咲かせる種もありますが、これは本当に例外中の例外。
でもね、よく見るときれいなんですよ。
キュウリグサ(ムラサキ科)
Trigonotis peduncularis
花の大きさはツメクサよりもさらに小さく、径2mmほど。花期は3~5月頃。
花の色は淡青紫色。で、花びらの真ん中の所にリング状の盛り上がりがあるんですが、ここが淡黄色。なので、色の取り合わせは意外と派手。大きさの割には目立つ花です。
名前の由来は、葉を揉むとキュウリの匂いがするからだそうです。私はこの匂い嗅いだことないので、今度確認してみます。
で、このキュウリグサとよく似た雑草があります。ハナイバナ。
ハナイバナ(ムラサキ科)
Bothriospermum zeylanicum
見ての通り、キュウリグサとよく似ています。どこが違うんだよ?
実は、割とはっきりした違いが2つあります。
ひとつは、花の咲き方。
キュウリグサは、先がくるくると巻いた花序を作り、それが解けながら下の方から咲きあがってゆきます。サソリの尾みたいに見えるので「サソリ型花序」とも呼ばれます。ムラサキ科には多いスタイルです。ところが、ハナイバナは葉の根元に一つずつ花が咲く。なので「葉内花」なんだそうです。いやいくらなんでもそれはないでしょ、と言いたくなるくらいの即物的な名前。
もうひとつは花の色。
花びらの色は割と似たような淡青紫色なんですが、花の真ん中の輪っかが黄色くない。花びらと同じ色をしています。なのでその分だけちょっと地味。
でも、落ち着いた雰囲気になって、これはこれで悪くない。「おとなのキュウリグサ」みたいな感じになります。私はこれ結構好きですけどね。
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以上、春のやたらと小さな花を3種、ご紹介しました。




