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ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります  作者: はぶさん


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第三百十六話:狂気の源泉掘削(露天風呂)。湯上がりの特濃フルーツ牛乳と、神話級ホタテの極上浜焼き

「……朝の空気が、こんなにも甘くて美味いものだったなんてな」


 自分たちの手で木を切り出し、組み上げた3階建ての『神話級・大農園ログハウス』。その最上階にある、ふかふかの特注ベッドで深い眠りから目覚めた俺は、大きく背伸びをしながら広いウッドデッキのテラスへと出た。

 眼下には、見渡す限りの黄金色に輝く『太陽の極太もろこし』の畑と、どこまでも続く澄み切った青空が広がっている。

 税金に怯え、借金取りの幻影に怯え、ケースワーカーの監視ドローンを警戒してキャンピングカーの暗い隅でガタガタと震えていた日々が、まるで遠い前世の出来事……いや、たちの悪い悪夢のように感じられた。


「家ができた。畑も絶好調だ。借金もゼロ。……となれば、次にこの『俺たちの城』に絶対に必要不可欠なものは、もう一つしかねえよな」

「ふわぁ……おはようございます、ルークス様! 次に必要なもの、ですか?」


 目をこすりながら、寝巻き姿でテラスに起きてきたエレナ様に、俺はニヤリと、最高に自信に満ちた笑みを向けて見せた。


「決まってるだろ。最高の家、最高の労働の後には、その日の疲れと汗を根こそぎ溶かし尽くしてくれる『最高のお風呂』が絶対に、何が何でも必要なんだよ!!」

「ガウッ! 風呂か! 確かに、これだけ広い庭と畑があるんだ、思い切り泥を落とせるデカい水浴び場が欲しいところだな!」


 1階から顔を出したフェンが、尻尾をバッタンバッタンと振って賛同する。

 水浴び場? いやいや、違う違う。俺が求めているのは、そんなどこにでもあるチャチなもんじゃない。


「ただの風呂じゃねえ! 大地の恵みを全身で浴びながら、この大自然の絶景を独り占めできる、究極の『天然・岩露天風呂』を作ってやるんだよ!!」


 俺はテラスの手すりに手をかけ、そのまま軽快に庭の更地へと飛び降りた。そして、アイテムボックスから白銀に輝く相棒を力強く構える。


変形モードチェンジ! 『真・アダマンタイトの鍬(螺旋掘削ドリルモード)』ッ!!」


 魔力を込めると、鍬の刃がガチャキィィンッ!という金属音と共に、地殻すら貫く巨大で鋭利なドリルへと変形する。俺は『大地の息吹』のスキルを応用し、地下深くを流れる水脈と、マグマの地熱の気配をピンポイントで探り当てた。

 ここだ。この真下に、極上の恵みが眠っている。


「いっけェェェェェッ!! 限界突破の超絶掘削チート・ボーリングッ!!」


 ギュイィィィィィィィィンッ!!!


 凄まじい轟音と共に、高速回転するアダマンタイトのドリルが、硬い岩盤をまるで豆腐のように粉砕しながら、地下数百メートル、いや数千メートルへと一気に潜っていく。

 土砂が吹き飛び、大地が震える。

 そして、数分間の激しい掘削の後――。


 ――ドッバァァァァァァァァァァァッ!!!!!


「おおおおおおっ!! 出たァァァッ!! 大・当・た・り・だァァァッ!!」


 大地が真っ二つに割れ、地下深くのマグマの熱によって極限まで温められた、大地の魔力とミネラルをこれでもかと限界まで溶かし込んだ『神話級・黄金の源泉』が、巨大な間欠泉のように天高く、数メートルの高さまで激しく噴き上がった!

 周囲一帯が、心地よい硫黄の香りと、視界を白く染め上げるほどの圧倒的な湯気に包まれる。


「シルフィ! 風の魔法で湯気をコントロールしろ! ガリウス所長、俺が切り出す天然岩を、湯船の形に魔法で完璧に組み上げてくれ!」

「は、はいぃぃっ! 絶景が一番よく見える、最高の角度に配置しますぅ!」

「任せたまえ! これくらいお安い御用だ! 男湯と女湯の仕切りも、見事な岩肌で作ってみせよう!」


 噴き出す源泉の周囲に、俺がチートパワーで切り出した数トンはある巨大な天然岩を、ダイナミックかつ繊細に配置していく。

 見渡す限りの黄金の畑と、その向こうに広がる荒野の地平線、そして見上げるほどの青空を一望できる、超豪華な「絶景・岩露天風呂」が、瞬く間に完成した。


 ◇


「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」


 黄金色に輝く、とろりとした極上の熱いお湯に、肩までゆっくりと浸かった瞬間。

 俺の口から、魂の奥底から絞り出されたような、だらしのない、しかし最高に至福の吐息が漏れた。


「……極楽だ……。マジで、極楽だ……。生きてて、良かった……」


 お湯の温度は、熱すぎず温すぎない、完璧な『極上の湯加減』。大地の魔力が限界まで溶け込んだトロトロの源泉が、日々の開拓作業で酷使した筋肉の疲労を溶かしていく。

 そして何より……これまでの理不尽な借金生活で、税金やペナルティに怯え、ボロボロに擦り切れていた精神の芯を、じんわりと、どこまでも優しく解きほぐしていくのだ。


「気持ちいいですわ~……。お湯がトロトロで、お肌が一瞬でツルツルになりますの……。まるで全身が溶けてしまいそうですわ……」

「ガウ~……。ただの湯に浸かるのも、悪くねえな。骨の髄の奥の奥まで温まるぜ……。労働の後のこれは、反則級の気持ちよさだ……」


 完璧な岩壁で仕切られた隣の女湯から聞こえてくるエレナ様たちのくつろいだ声や、フェンのリラックスした唸り声が、静かな風の音に混ざって耳に心地よい。

 俺は岩の縁に頭を乗せ、青空をゆっくりと流れる白い雲を眺めながら、お湯の中で手足を思い切り大の字に伸ばした。

 税金のことなんて、1ミクロンも頭に浮かばない。出金手数料も、暗号資産の暴落も、ここには存在しない。

 ただお湯の温かさと、肌を撫でる涼しい風を感じるだけの、絶対的で完全なる癒やしの時間だった。


 ◇


 小一時間ほど極上の湯に浸かり、身体の芯までポカポカに温まりきった風呂上がり。

 俺たちは全員、肌触りの良い涼しげな浴衣に着替え、リビングから続く広々としたウッドデッキのテラスに腰を下ろした。

 温泉で火照った身体に、夕暮れ時の涼しい風が最高に心地よく吹き抜ける。


「さあ! 風呂上がりと言えば、絶対に、何が何でも外せない『究極の儀式』があるよな!!」


 俺はアイテムボックスから、氷水を入れた木桶でキンキンに冷やしておいた、分厚いガラス瓶を人数分取り出した。

 エルフの里から仕入れた、牧草だけを食べて育った神話級の牛の特濃ミルクに、もぎたての神話級フルーツをたっぷりとブレンドした『神話級・特濃フルーツ牛乳』だ!

 ガラス瓶の表面には、冷たさを物語る水滴がびっしりとついている。


「全員、左手は腰に当てろ! そして……一気に、喉の奥まで流し込めェェェッ!!」


 全員で揃って腰に手を当て、紙のキャップをポンッと外し、冷え切った瓶を勢いよく天に向かって傾ける。


 ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ……プハァァァァァァァッ!!!!!


「くぅぅぅぅぅっ!! 美味ェェェェェッ!! 生き返るゥゥゥッ!!」


 温泉で限界まで火照り、水分を強烈に欲していた身体の全細胞に、氷点下のフルーツ牛乳が暴力的なまでの勢いで染み渡る!

 濃厚すぎるミルクの深い甘みと、フルーツの爽やかで突き抜けるような酸味が完璧な黄金比で混ざり合い、熱を持った乾いた喉を、極上の冷たさで一気に潤していく。

 風呂上がりのフルーツ牛乳。この世にこれ以上、完璧な水分補給が存在するだろうか。


「ふははっ、最高だ! だが、俺たちの宴はここからだぜ!!」


 俺はテラスの中央に、特大の『卓上七輪』をドンッと置き、真っ赤に熾した最高級の備長炭をセットした。


「フェンが俺たちが風呂に入っている間に海までひとっ走りして獲ってきてくれた、極上の海の恵みだ! 今日は重い肉じゃねえ! 風呂上がりの火照った身体が最も求める『塩分と旨味の補給』……『極上海鮮浜焼き』だァァァッ!!」


 網の上に乗せられたのは、俺の顔ほどの大きさがある、殻の分厚い『巨大・神話級ホタテ』と、黒光りする『魔王ガニの特大甲羅』。


 グツグツ……ジュワァァァァッ!


 炭火の強烈な熱を受け、ホタテの巨大な殻の中で、透明で濃厚なダシスープがグツグツと波打ち、煮え立ち始める。

 そこに俺は、特大の神話級発酵バターの塊を容赦なく落とし、最高級の熟成醤油をタラリ、タラリと回し入れた。


 ――バチバチッ!! ジュワァァァァァァァァァァッ!!!!!


「うおおおおおっ!! 匂いが! 磯の香りと焦がし醤油の匂いが爆発したぞ!! 理性が飛ぶ!!」


 炭火に落ちて焦げたバター醤油の、圧倒的で暴力的なまでに香ばしい匂いと、新鮮な海鮮特有の濃密な磯の香りが核爆発を起こし、テラスの空気を完全に支配する。

 隣では、魔王ガニの巨大な甲羅の中で、濃厚な緑色の『カニミソ』が、日本酒を少し垂らされてフツフツ、グツグツと、見ているだけで脳がとろけそうな甘美な音を立てている。


「完成だ! 火傷なんて気にするな! 熱いうちに、ハフハフと頬張れェェェッ!!」


 俺は、熱せられた貝殻をトングでガシッと掴み、グツグツ煮え立つホタテの巨大な貝柱を箸で持ち上げ、大きく口を開けて一気に放り込んだ。


 ……ハフッ、ハフッ!

 ブリィンッ! ジュワァァァァァァァッ!!!!


「んんんんんんんんんッ!!!!??」


 俺の脳髄が、海鮮の持つ圧倒的な旨味と塩気で完全にメルトダウンした。

 美味い!! なんだこの凄まじい弾力と、濃密な海の旨味の塊は!!!

 噛みちぎった瞬間、プリップリで極太の貝柱の繊維がほどけ、中からホタテ自身の持つ暴力的なまでの甘いダシがジュワァァッと溢れ出す!

 そこに、超高温で熱せられた焦がしバターの濃厚すぎるコクと、熟成醤油のガツンとした塩気が完璧に絡み合い、火照った身体が強烈に欲求していた「塩分と旨味」を、限界の限界まで満たしていくのだ!


「う、美味ぇぇぇぇぇぇっ!!! 熱い! 熱いけど箸が絶対に止まらねえ! 肉のガツンとした重い脂もいいが、風呂上がりの火照った身体には、この海鮮の『ガツンとくる塩気と磯の旨味』が最高に、五臓六腑に染み渡るぜェェェッ!!」

「はふはふっ、ジュワッ! お醤油が焦げた匂いだけで、無限にお酒が飲めそうですわ! カニミソも、濃厚でクリーミーで、磯の香りが強くて……ほっぺたが完全に落ちてしまいますのーっ!」

「ガツガツガツ! 海の獲物も最高に悪くないな! 冷えた酒と熱い貝柱、そして濃厚なミソの無限ループだ!! 我の牙が止まらんぞ!」


 俺たち全員が、浴衣姿のまま、風呂上がりで顔をほんのりと火照らせてゲラゲラと笑い合いながら、熱々のホタテと濃厚なカニミソを狂ったように貪り食った。

 氷点下のフルーツ牛乳でクールダウンした身体に、熱々の焦がしバター醤油と海鮮の旨味をぶち込み、ポイントショップで買ったキンキンに冷えた極上の日本酒(冷酒)で一気に洗い流す。

 温度差の暴力と、旨味の応酬。

 これこそが、露天風呂上がりという究極のリラックス状態だからこそ味わえる、至高の、そして無敵の美食だった。


 ◇


 網の上の海鮮を殻の底のスープ一滴まで綺麗に平らげ、酒瓶を何本も空にして完全に出来上がった俺たちは、広いウッドテラスの床に大の字になって寝転がった。


 見上げれば、吸い込まれそうなほどの満天の星空。天の川が、まるで光の帯のように夜空を横切っている。

 遠くから聞こえる静かな風の音と、七輪の炭がパチッと爆ぜる音だけが、最高のBGMのように心地よく耳に響いている。


「ふぁ~……食った。飲んだ。いい湯だった。……本当に、最高だ」


 俺は、満天の星空に向かって、誰に言うともなくぽつりと呟いた。


「自分たちの家があり、畑があり、極上の温泉があり、そして……こんなに美味い飯と酒がある」


 借金取りの足音も、税務署の無慈悲な通知も、ここには来ない。


「……なんかもう、1億ポイント貯めてゲームクリアするなんて目標、どうでも良くなってきたな。このまま一生、ここでこうして生きていくのも悪くねえ」


 俺の冗談交じりの、けれど半分本気の言葉に、仲間たちがクスクスと温かい笑い声を上げる。


「ふふっ、あのガメつかったルークス様が、そんなことをおっしゃるなんて。でも、本当に……このまま時間が永遠に止まってしまえばいいのにって、そう心から思えるほど、今は幸せですわ」

「ああ、ルークス君。君の言う通りだ。これ以上の豊かさが、一体この異世界のどこにあるというのだろうね」


 システムからの無慈悲な警告音は、やはり最後まで、一度も鳴ることはなかった。

 ここにあるのは、満たされた胃袋と、温泉で完全にほぐされた身体、そして心から信頼できる仲間たちとの、穏やかで絶対的な安心感に包まれた時間だけだ。


 俺たちは、星空の優しい毛布に包まれながら、いつまでも続くこの完璧で幸せなスローライフの空気に完全に溶け込むように、静かに、そして深く心地よい眠りへと落ちていくのだった。



**【読者へのメッセージ】**

第三百十六話、いかがでしたでしょうか!

ログハウスが完成したルークス一行、今度は庭を掘り返して「神話級・黄金の絶景露天風呂」を完成させる超絶DIY回です!

借金地獄の疲れを全てお湯に溶かす、至福の一番風呂。そして湯上がりには、腰に手を当てて「特濃フルーツ牛乳」を氷点下で一気飲み! この温度差、たまりませんね!

今回の飯テロは、テラスで囲む「卓上七輪の極上海鮮浜焼き」!

ジュワァァッと焦げるバター醤油の匂い、グツグツ煮えるホタテの特大貝柱と濃厚なカニミソ……! 肉の暴力とは一味違う、海鮮の塩気と磯の旨味が火照った身体に染み渡る、最高の湯上がり飯テロをお届けしました。


今回も、入湯税の請求もシステムの警告も【一切ありません】(笑)!

星空の下、これまでの苦労が嘘のように、ただひたすらに幸せなスローライフを謳歌するルークスたち。読者の皆様にも「こんな家に住みたい!」「こんな休日を過ごしたい!」と心底思っていただけたなら大成功です。


完全にストレスフリーな軌道に乗り、最高の拠点と癒やしを手に入れた本作。

次回からも、この幸せな日常をベースにした極上の飯テロとワクワクする冒険をお届けしますので、ぜひブックマークと評価をお願いします!


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