第三話 茶会(スザンナ視点)
なんとか謁見を乗り切った悪役令嬢ズ。次は王子と謁見(茶会)です
怖かった、謁見が終わり用意された部屋に帰ってきても心臓が早鐘を打つ
「スザンナ、もう大丈夫だ心配ない」
お父様が私を抱きしめ背中を擦り続けてくれているのに震えが止まらない我慢していた涙が堰を切って溢れ出す
ううぅ…ぅぅ
「大丈夫だ、大丈夫だ」
私を抱きしめる父が腕に力を込めるて痛いくらいだったけど護られている事を実感して暖かかった
「お父様大好き!結婚してくださいまし」
「駄目だ、ベルテに殺されてしまう」
「お母様とも結婚するから大丈夫ですわ」
「全く…わが娘のその発送は一体何処から生まれてくるんだか」
どんな話でもいい、こうしてお父様とお話が出来ていれば恐怖が飛んでいってくれるから
お父さんお母さん無事かな私は死んじゃったけど二人には無事で居て欲しい。親不孝者かも知れないけど私は大丈夫、お父様もお母様も二人と変わらないくらい優しいんだ
いつの間にか泣き疲れて眠ってしまっていたみたい、魔導具のランプが薄っすらと部屋を照らしてくれているから少し安心
謁見の間での出来事を思い出す。まだ怖いけど眠る前よりは平気、それにしてもジュリアすごかったなぁ、私にも出来ただろうか?無理無理無理!多分一瞬でも弱みを見せていたら私達全員今ここに居なかったのかな
この作戦を発案したのもジュリアだった。手紙でのやり取りは有ったけど、全員が一同に集まれる機会は初めてだったし、これからも少ないだろうからと今後について話し合った。
まず私達の中で誰も既存の作品でこの世界に相当する原作を知らないことから、この世界はあの女神が私達用に作ったオリジナルの世界ではないかということ
第二に誰かが第一王子と結婚しないと生き残れないし第一王子が暗殺されたりしても生き残れないということは第一王子との距離を詰めなきゃいけないのに私達全員が王宮どころか王都に出禁な今の状態は好ましくないこと
各自自分たちが第一王子にした所業はもう知っていたし、それが原因で第一王子が女性恐怖症になっている情報も得ていたけどどうやって信用を取り戻すか手をこまねいていたところで、この国の法律と王家のプライドを逆手に取ったジュリアのアイデアに全員で乗っかったの、それに一人ではなく全員でやることも肝だったから
喉乾いたお水が飲みたい
時計は日を跨いだところこんな夜中に迷惑よねぇ、、、
頭にタオルを巻いて隠し、部屋に備え付けの呼び出し用の魔石に魔力を通す
しばらくするとコンコンとノックをして近衛兵の方が声を掛けてくれる
「どういたしました?」
「こんな夜中にごめんなさい、喉が渇いてしまってお水をいただけないかと思って」
「…」
「どうされました?」
「いえ、なんでもありません…ただ少し」
「少し?」
「いや、あの、本当に私のような者にも『ごめんなさい』と言うのだなと」
「ああ、それ、ごめんなさい あらまた言ってしまった癖のようなものでついね、お父様には内緒にしてくださる?」
「はい、もちろんです」
近衛兵さんは水を取りに行ってしまった。
やっぱり十一歳にしてはませ過ぎてるかしら?十六でこっちに来て五年、二十一か前世なら成人になってる。作法の家庭教師の先生も六歳とは思えない落ち着きですって言ってらしたっけ?
私達って前世の癖でつい気軽に挨拶しちゃうのよね。髪を剃り合ってた時もその話をしたら
「わかるー」
とか言われて懐かしすぎて泣きそうになっちゃった。遠い異国の土地で日本人を見かけたら嬉しくなっちゃう様な感じ
それから私達はこの五年間で悪役令嬢にならないように何をしてきたかとか、家族はどんな感じかとか近況を話し合った、懐かしさややっと逢えた嬉しさも有ったけど、その方が謁見のことを考えなくて済むからだと思う
コンコンとノックが聞こえ近衛兵さんが戻ってきた
水を持ってきてくれた近衛兵さんに
「ありがとう」って言ったらまた驚いちゃって、領地で気心が知れてる人達とは違うものね、貴族同士の会話では大丈夫なんだけど本当に気をつけなくちゃ
水を飲んで一息ついて薄明かりの中、鏡の前に立ってみる
やっちゃったね~ツルツルのスキンヘッド。明かりのお陰でテカってる、ふふふ自分のテカってる頭がなんだかツボに入っちゃって笑っちゃう
触ってみたけどザラッとしててツルツル感が無くて少しがっかり
ベッドに戻って背伸びをする
明日は~、明日はどうなるんだろ?お茶会はそれどころじゃなくて中止になっちゃったし、、、
やっと乗り切った充実感がやってきて私は眠りにつく
翌日、仕切り直しのちょっとしたお茶会の様な席が設けられて私達は呼び出された。
自分たちのしでかしたことの重大さを知っていただくためだと思ってたから丸刈りのまま出席したのだけれど、これ以上問題を大きくするなとのことで私達は用意されたかつらをかぶらされた。
ジルベリオ第一王子殿下、ユーフェミオ第二王子殿下、ティアナ第一王女殿下が入場され私達はカーテシーをしたままその体勢を維持する
「顔を上げて欲しい」
カーテシーを解き王子たちのご尊顔を拝見する。第一王子殿下はぎこちない笑みを浮かべてるけど第二王子殿下はこちらを睨み、第一王女殿下はその後ろから顔だけ出してを睨んでいる。私達がした所業、正確には私達がこの身体に入る前だけどを考えればさもありなん
「兄上自らこのような者達にお会いする必要など有るのですか?」
「兄様に暴力を振ったゴリラたち…ごりら?」
ごもっともです、返す言葉もございません
ティアナ第一王女殿下は想像と私達の見た目が一致しなかったのでしょう最後が疑問形になっちゃってる
「ユ―フェもティアもやめなさい、私はこの者たちが上げた功績について直に聞いてみたかったのだよ」
「ですが」
「謁見により国王陛下から彼女たちの罪は許すとお達示が有っただろう、それを僕たちがまっさきに破ってどうするんだい」
うぐぐとでも聞こえてきそうな顔でこちらを睨んでいる
「それよりも君たちの功績そうだな、タダリア家のスザンナ嬢」
「はい、私がスザンナ・デュ・タダリアでございます」
「君が発起人だとされるこの農地改革についてだけど、、、」
スザンナは女性恐怖症だと伺っている第一王子殿下に近づくこと無くその場で聞かれたことを説明していく、そうして全員が領地で行なったことを説明し終わると
「なるほど、全員凄い見識だそれに新しい視点のものばかりでとても勉強になる、頼みが有るのだがそれぞれが領地でしていることについてもっと詳しく知りたい、今後は手紙で交流させてもらいたいのだが構わないだろうか?」
「仰せのままに」
全員で再度カーテシーをしてジルベリオ王子殿下の提案を受け入れる
ジルベリオ王子殿下は満足されたようで第二王子と第一王女を連れて帰っていった。第二王子は信用していないと冷ややかな視線を私達に向けたままのご退場で第一王女殿下はずっと頭の上に?マークが浮かんでいる用な感じで特に嫌味などは言われなかった
茶会も終わり翌日には各領地に帰っていく皆と時間の限り今後について、特に十五から始まる学園生活と登場するであろう『ヒロイン』について対策を語り合う私達だったのだ
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