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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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86話 戦いの後

戦いは終わった。


それからの戦後処理は昼夜を通しての「授魂」作業が続く。


腐肉喰い丸スライムも途中で増えて32匹になった。これでメリッサの身体に戻しても自由に動ける丸スライムが確保できる。

だが、今は食事を続けてもらう必要があるので、メリッサはまだ幌馬車の中にいる。


シグス達には城砦都市に侵入してもらい、内部に安置されている騎士達の回収と破損した武器の入れ替え、領国騎士団の馬の確保などをお願いした。

南門内には初日にメリッサがばら撒いた腐食ガスを受けた遺体が数多く安置されていたので、これは俺と腐肉喰い丸スライム10匹が処理に向かった。


城砦都市の非戦闘員は建物の窓や通りの離れた場所から我々の動きを観察していた。

北方騎士団が敗れたことは、すぐに帝都に伝わるだろう。



北方騎士団、団長と従兵 3人。

第一軍 6957人。

第二軍 5999人。

ロイセン領騎士団 300人。

バルバサ領騎士団 300人。


以上が今回の戦いで我々骸骨軍団が迎えた仲間だ。

残念ながら第一軍軍団長のファルゴ王子は帝都に移動したので仲間にならなかった。


領国騎士団600人が合流しシグス配下の騎馬部隊は約4500人となった。

そして、元北方騎士団の魔技持ちの歩兵部隊が約2万人。

これまではビデスに指揮を任せていたが、人数が多くなった。

なので、ブキャナン騎士団長を二人目の大隊長として、彼に任せる。

彼の下にハーツら中隊長を付けるので、ビデスには彼らと共に今後も活躍してもらおう。


我々骸骨軍団は総勢2万4556人となった。


さて、岩トンネルを抜けて飛竜を仲間に加えるとしよう。

そして、第二軍城砦都市に残してきた城砦都市防衛隊1000人を仲間に迎えるとしよう。



岩トンネルのサイズでは馬車は通り抜けができない。

骸骨馬が首を下げて通るほどに天井が低い。

なので今回も屍人達を乗せた馬車と護衛の骸骨兵士部隊は南の峠を経由するので、本隊とは別行動になる。

身体が戻ったメリッサは魔導馬車に乗って行くというので、腐肉喰い丸スライム6匹に本隊に同行してもらった。


本隊は岩トンネルを抜けて中央大森林地帯に戻った。


13頭の飛竜の遺体を掘り返し「授魂」をする。


危惧していた「骸骨の状態で空は飛べるのか」問題だったが、最初の1頭が元気に飛び回ったので問題ない。

翼の骨格は外側に大きく広がり、白く淡く光る魔力の翼膜が形成され風を捉えている。

大きい仲間が出来てシーカーは少し挙動不審だ。


彼ら骸骨飛竜に騎乗するには、背骨の突起を利用して首の根元に座るのが良さそうだ。

二人目は足の置き場に困るので、これは1人乗りだな。

馬の鞍を手直しして乗せれば安定するだろう。


『獣使い』のスキルを持つドウアン、ダリームの二人を乗せると上手に扱えた。

俺を含めて、他の骸骨騎士を乗せるのは専用鞍が出来てからが良い。


俺はドウアンとダリームの二人に任せて13頭の骸骨飛竜をデ・ルーの街に送り出した。

骸骨騎士は人間と会話はできないが筆談はできるので、トールデンに依頼できる。

骸骨飛竜は力強く羽ばたき、風を捕えて南へと飛んで行った。



湿地帯を抜けて東砦に着いた。


別働隊との合流待ちの間、骸骨騎士達は森林に入り魔獣狩りをしている。

前回は放置したが、今回は森林内の魔獣も一掃するつもりだ。

魔力の源泉を塞いだので、これで中央大森林も少しは安全になるだろう。


別働隊との合流後、第二軍城砦都市に向かった。



川に囲まれ3つの丘に建てられた第二軍城砦都市。

我々骸骨部隊はその周囲を囲んだ。


ガーギウス大使が再度訪問する。


城砦都市防衛隊1000名に対する降伏勧告だ。

彼らが生き延びるには、我々の包囲を突破するしかない。


だが、彼らはこれを拒否した。

そして、橋を上げて門を閉じてしまった。


確かに、地理的に攻め難いのは確かだ。

だが、こちらにはソレを無視する戦力がいる。


俺は骸骨大砂百足達に南側の街壁の一部を破壊するように命じた。

突入口が開けば、そこから入り込めば良い。


防衛隊は空しい抵抗を続けたが、それもわずかな時間で終わった。



大量の新規参入組みの戦闘訓練を兼ねた魔獣狩りを続けていると、骸骨飛竜が戻ってきた。

ドウアンとダリームにはこのまま骸骨飛竜騎士となってもらう。

他に11人が騎乗可能だが、乗員を固定するか、複数人を乗せる様に訓練するか。

ドウアンとダリームに意見を聞くと、騎乗する人員を固定すると骸骨飛竜との絆が深まり、行動が素早くなるという。

では固定するとして、何を基準に選抜するか。


俺が悩み始めるとドウアンが一枚の書状を差し出した。

トールデンからの会談申し込み状だ。

今後の動きについて話し合いたい、との申し入れだが、俺も伝えることがあるので、俺は骸骨飛竜に乗った。

ディエゴとダリームに同行させ、ドウアンには残ってもらい骸骨飛竜の世話と骸骨飛竜乗りとなる骸骨騎士選抜方法を考えてもらう。



デ・ルーの街。


街の外に3頭の骸骨飛竜を降ろし、デ・ルーの街に入る。

街の門衛は我々をすんなりと通してくれたので、そのまま通りを歩き商業ギルドに着いた。


トールデンの執務室に通され、久し振りに彼と対面する。


「トールデン。久しいな。」

「はい。マスターもご健勝でなによりです。」

「うむ。して、今後の動きについての確認、だったか。」

「はい。30日程前にル・ゴール帝国領土管理局より通達がございました。内容は行方不明となったノールデア侯爵に代わり、新たなノールデア領領主にカルロス=ディアン公爵が着任されると。」

「ほう。」


30日前というと、我々骸骨軍団が北方騎士団第一軍・第二軍と戦ったあたりだな。

カルロス=ディアン公爵は帝国5大公爵家の一つ。ドラゴの父親だ。


「そして、領都商業ギルドギルドマスターの私の息子、トールットに対して領主代行兼領都執政官への任命状がございました。」

「領主代行、か。」

「はい。それはデ・シームの街も、ここ、デ・ルーの街も同様でして、私もデ・ルーの街の執政官を拝命しました。」

「そうか。それは喜ばしい事だな。では、新たな帝国貴族はこの地に来ないのだな。」

「そのようです。これも、マスターが私を副執政官に任じていただいたおかげでございます。心よりの感謝を伝えさせていただきます。」

「よい。最初にも言ったが、我々に街を治める気はないのだ。お主の働きが評価されたというなら、それはお主の誉れである。」

「ありがたきお言葉。感謝いたします。」


「では、トールデン。我々との関係は今まで通りに、と言いたいが、少し事情が変わった。」

「マスター。それは一体?」


俺は骸骨軍団が大陸横断山脈を越えて北へ向かう事を伝えた。

そしてゆくゆくは隣の大陸へと向かう。


「そうなれば、我々骸骨軍団がデ・ルーの街を訪れる事もない。我々とこの街の関係は今日で終わりとする。」

「残念です。魔王討伐の成功を祈っております。マスター。」

「うむ。」


3頭の骸骨飛竜は中央大森林へと飛び立った。



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