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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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85話 騎士団長との戦い

リッターとレクターが防いでいてくれるので正面の守りは万全だが、左右の状況が怪しくなってきた。


帝国の部隊に合わせて骸骨軍団の部隊も広がり、いたる所から帝国騎士達が戦列を抜け出し廃村に向かってくる。

骸骨騎士達はそれを追いかける形になったが、廃村の我々を気にしてか、魔技を撃たない。


一方、この戦いを最後と決めた帝国騎士は、周囲の味方に構わず魔技を撃ち始めた。

昨日の戦いと、状況が逆転している。


腐肉喰い丸スライムが食事中なので、腐食ガスが漂っている死体置き場が戦闘の空白地となり、これが防壁になっている。

だが、腐食ガスを風魔法で払いつつ迫り来る帝国騎士達がいた。


帝国騎士側の狙いは俺だ。

帝国騎士達は廃村に集まってくる。

その外側を骸骨騎士達が追いかけている。


俺が輪の外に出れば、包囲殲滅できる状況になる。


俺は骸骨大砂百足に命じた。


俺を喰え、と。


足元が振るえ、俺とディエゴは大砂百足の口の中に飲み込まれ、砂中に没した。



ダバー


俺とディエゴは骸骨大砂百足から吐き出された。

骸骨大砂百足に礼を伝え、砂を払いながら立ち上がれば、ここは彼らの砂場だ。


俺はシグス達に脱出した事を伝え、魔技を撃っていいぞ、と伝えた。


リッターとレクターは躱すだろうが、魔法操兵達は被害に遭うだろうな。

屍人達は廃村の中だから大丈夫か?


さて「吸魂」も再開しよう。


「やはり、ここに現れたな。骸骨殿。」


俺は振り返った。

これは、リッター達が使った『気配断ち』スキルか。


キシィーン。


ディエゴの周囲が氷で覆われる。

『魔法吸収壁』のお陰でディエゴ自身は凍り付いていないが、その影響範囲外の空間が凍っているので身動きができない。


「騎士団長。」

「これで1対1だ。いざ。」


騎士団長が剣を抜く。

俺も剣を抜いた。


「双影身!」


騎士団長が自身に魔法を掛けると、その身がぶれた。

そして、二人の騎士団長が立っていた。

なんと、分身したのか。

これは、どちらかが実体なのか、二人とも実体なのか。


「「ゆくぞ、骸骨殿。武神乱舞!」」


二人の騎士団長が同じ声で同じ言葉を発し、同じように剣を振り上げ、違う速度で振り下ろしてきた。


「連撃。」


カッカッ、シュ、カッカッ、シュシュシュン。


くそ。こちらは片手剣の4連撃だが、それは騎士団長も同じだ。

そしてあちらは分身しているので8連撃。

さすがは乱舞と言うだけある。

しかも、微妙にタイミングがずれているので合わせ難い。

何より、二人とも実体で、二人の持つ剣も実剣だ。


二人の騎士団長はすぐに間合いを詰めて来た。


カッカッカッカッ。

シュシュシュシュン。


最初の連撃は合わせたが、いかんせん後半は下がらざるをえない。

このままではジリ貧だ。


だが、分かった事もある。


カッカッカッカッ。

シュシュシュシュン。


この二人、息継ぎをしていない。

いくら身体強化していても、そんな事は不可能だろう。


カッカッカッカッ。

シュシュシュシュン。


やはり、この二人は影だ。

この砂地の足元に、足跡は俺のだけだ。


カッカッカッカッ。

シュシュシュシュン。


なるほど「双影身」とは、その通りだ。

では、騎士団長はどこだ。


カッカッカッカッ。

シュシュシュシュン。


彼は動いていない。

『気配断ち』なのか他のスキルなのか。

俺の目をだまし、そこに見えないが、そこに居る。


カッカッカッカッ。

シュシュシュシュン。


狙いは、騎士団長の足跡。

そこだけ、くっきりと深く、二つの足跡が揃っている。


俺は二人の騎士団長から間合いを取ると、二人に背を向け、隠れている騎士団長に迫った。


騎士団長の足跡が動いた。

気付いたな。


バキャ。


氷の割れる音が聞こえた。


俺は騎士団長の足跡の上の空間に剣を振る。


ガッ!


騎士団長の剣が現れ、俺の剣を阻む。


「よく分かったな。骸骨殿。」


現れた騎士団長が笑顔で言い、一歩下がる。


俺も構え直した。


ドッドッ。


俺の背後で二人の影の剣をディエゴの盾が受け止めた。


俺の背中は任せた、ディエゴ。


俺は騎士団長に向かって大きく踏み込み、剣を突き出した。



「くっ、やはり、勝てなかった、か。」

「そうだな。だが、騎士団長殿。言ったであろう、これは敗北ではない。魔王討伐の戦いの始まりに過ぎんのだ。」

「魔王、討伐。」

「そうだ。今より貴殿も我々の仲間となる。」

「そう、か。」


「吸魂」


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