表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
89/111

84話 第一軍第一大隊所属騎士ノーラン

【北方騎士団第一軍第一大隊 所属騎士ノーラン】


「よぉ、ノーラン。お前の土魔法、田舎で芋堀るのに丁度いいぜ。」

「どんくせぇなぁ。お前の『瞬脚』って効果あんのかよ。」

「ちっ、田舎もんが。なんでテメェが北方騎士団配属なんだよ。」

「ノールデア領出身?なぜ、君みたいな者が栄えある第一軍に配属されたのか。」

「おらぁ、弱虫ノーラン。小鬼の周りを走り回っていても勝てんぞ。もっと間合いを詰めろ!」

「お前、逃げ足は速いのな。」


いつもいつも馬鹿にされてきた。

子供の頃に魔法が使えた。

街の道場で魔技が撃てるようになった。

家族の皆は喜んでくれた。


希望に満ちて、大喜びで、帝都の帝国騎士学校に入った。

勉強も剣術も魔法も、学べる事は楽しかった。


でも周りの人間は、田舎者の成績優秀者の存在を許せなかったようだ。

学生時代は、卒業するまでだから、と耐えた。

帝国騎士団に入り、配属先が決まるまでの訓練期間は普通に過ごせた。

しかし、北方騎士団に配属されてからは、また馬鹿にされる日々が続いた。


家族宛の手紙も、いつの日からか書かなくなった。

いや、書けなくなった。

希望に満ちた生活、仲の良い仲間たち、輝かしい戦果。そんな物とは無縁だったからだ。



今日の戦いが最後の戦いだ、と言われた。

今日、生き残れば、我々の勝ちだ。

その為に特別部隊が編成され、『瞬脚』持ちの騎士が集められた。

僕も選ばれた。


作戦は簡単だ。


皆が道を作ってくれる。

僕達はそこを走り抜けて、青目の骸骨の首を落とす。


それだけ。


首を落とせば勝ち、できなければ死だ。


戦闘が始まり、僕は走った。

隣の騎士も、後ろの騎士も皆走っている。


前方の騎士が骸骨と戦っている。

その脇をすり抜ける。

そこに骸骨がいた。

剣を突き出してくるが、ここは『瞬脚』で一気に抜ける。


もう目の前に骸骨はいない。

走る。

走る。

身体強化で息を整え、さらに走る。


廃村が見えた。

右手奥の方に紫色の毒霧がある。

あれには近寄らない。


正面。白マントの骸骨がいた。

こいつが青目の骸骨だ。


剣を抜いた。

盾を構えた骸骨がいる。

その脇を抜ければ。


目の前に2体の骸骨が現れた。


あっつ!!


突然の熱風。

宙を舞う身体。

左腕に走る激痛。


ドガッ!ゴンッ。


背中が硬い何かにぶつかり、後頭部を激しく打った。

兜がはずれ、激しい痛みに身体は動かない。


一体何が起きたのか。


ズキンズキンズキン


後頭部から痛みが伝わってくる。

背中を壁に預けて座っている。

身体から力が抜けて、動けない。


ああ、このまま死ぬのか。


視界の中に、ゆっくりと歩く人影が見えた。


普通の男だ。


汚れた格好をしている。


なぜ、こんな所に人が。


これは、死の直前に見る夢というやつか。


ああ、そうだ。


その人は左足が木の棒の義足だった。


顔は良く見えないが、見知った背格好をしている。


なんだ、ラムデスおじさんだ。

ふふ、思い出すな。

ラムデスおじさんは街の守備隊にいた。

左足を失ったことで扉番になったが、北門に遊びに行くと剣の振り方を教えてくれたっけ。


そんなおじさんも、今は屍人か。


「ぐっ。」


混濁した意識が戻ってきた。

そうだ、骸骨の発生元はノールデア領。

なんて事だ。ラムデスおじさんは犠牲者だったのか。


足に力が入り、痛む身体を立たせた。

左腕はひじから先が無くなっている。

右手に剣は握っている。


僕は2歩、3歩、ふらふらと歩いた。


「ラムデス、おじさん。」

弱弱しい声が漏れる。


「のーらん。」

ラムデスおじさんが僕の名前を呼んだ。

そんな姿になっても覚えていてくれたのか。


次の瞬間、僕の首は何者かによって斬り落とされた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ