表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
80/111

75話 1日目の密会

【北方騎士団第二軍 軍団長ハーツ=ホルト 】


骸骨軍団の行動がこちら側の予想より早い、との情報から、私と第二軍団第一大隊2000名が食料運搬用の魔導列車に乗り込み、第一軍城砦都市に到着した。

我々を迎え入れてくれたのは城砦都市防衛隊隊長を務めるエドワード=ムーア、私の従兄弟だ。


「ハーツか。久しいな。」

「エドワード。挨拶はいい。第二軍第一大隊2000名を連れて急ぎ参った。骸骨どもとの戦いはどうなっている。」

「それなんだが。開戦は6日後の日の出と決まった。」

「6日後?決まった、とはどういうことだ?」

「詳しくは騎士団長殿がお話くださる。」


そして、西門広場の仮設司令部で、俺はこれまでの経緯を聞かされた。

骸骨どもは我々の合流を待って、それを相手に戦う。


それを選択する骸骨どものなんと傲慢な事か。

そして、それを選択できる奴らの戦闘力の高さよ。


我々は勝たねばならん。

これは我々だけの戦いではない。

これは、人間が魔物に屈するか否かの戦いだ。


■■■


【北方騎士団第二軍第一大隊 大隊長コールマン=ホルト】


第一軍城砦都市に到着した。

ハーツ軍団長はすぐに司令部に行ってしまったが、私は部下達をすし詰めの魔導列車から出し、第一軍が提供してくれた南門付近の宿舎に移動した。

第一軍の文官たちが案内してくれたが、おそらく市民の民家や宿屋を接収したのだろう。

城砦都市の常だが、迷惑をかける。

我々としても、さっさと骸骨どもを倒して第二軍城砦都市に帰りたいものだ。


そんな我々に北方騎士団からの命令書が届いた。

街門前の戦闘区域の作成の為に土魔法が使える騎士を全員出せ、という。


私も土魔法が得意だ。

それにしても、この時点で、悠長な事をしている。

これは、我々が危惧していたような切迫した状況ではない、という事だ。


やれやれ、魔導列車に詰め込まれて来なくてもよかったか。


だが、余裕があるなら、戦闘に備えた準備をするのは当然だ。


土魔法での障害物の作成、か。

面倒な作業だが、骸骨どもはそれだけ厄介な相手という訳だ。


私は部隊長たちに招集を掛けた。


■■■


【北方騎士団 騎士団長ブキャナン=グローバー】


夜。


私は徒歩で、一人、戦場の中央に来た。


ここは我々の戦場拠点と骸骨どもの廃村との中間地点になる。


ここに来ている事は私の従兵だけが知っている。

見張りの目を欺く『姿隠し』スキルのおかげで、誰にも気付かれてはいない。

この会談は誰にも知られてはならない。


しばらくすると複数の足音が聞こえ、何者かが近付いてくるのがわかった。

だが、骸骨の姿は見えない。

周囲は闇だ。


そう、暗すぎるほどに、闇だ。


突然、目の前に複数の骸骨が現れた。

赤い目の灰色ローブを(まと)った骸骨が2体。1体は盾を持っている。

そして、白マントの鎧姿の骸骨。こいつは青い目だ。

そいつが顎の骨を動かした。


「何者だ。」

「我はル・ゴール帝国北方騎士団、騎士団長ブキャナン=グローバー。そなたが骸骨の首領か。」

「そうだ。」

「今朝は鬼ども相手に見事な勝利を収めたな。その成果に賞賛を送ろう。」

「そうか。」

「だが、貴殿たちが鬼どもを簡単に倒してしまったので、少し、困った状況になっている。」

「どういうことだ。」

「話が長くなるので、今は詳細を省くが、そうだな、我々と魔人との間には、ある約束があった。」

「ほう。」

「その約束が、そちらが鬼どもを倒した事で、魔人の女どもには約束を守る事が難しくなった、と私は考えている。」

「そうなのか。」

「そうだ。そこで、私としては、そなたら骸骨との間に、同じ約束を結びたい、と考えているのだ。」

「それは、どんな約束かな。騎士団長殿。」


興味を持ったか?

いや、まだ油断はできんか。

私は懐から1枚の書状を取り出し、それを青目の骸骨に差し出した。


「約束の内容については、この書状に書いてある。まだ正式なものではないが、こちらの要求の全てだ。この内容の見返りとして、そちらが望む物を教えて欲しい。それを私が承諾すれば、約束は成される。」


青目の骸骨は無言で書状を受け取り、一読している。

私としては、待つのみだ。


「わかった。明日の夜、この時間にこちらの要求を伝える。」

「おお。では、明日の夜に。」

「うむ。」


青目の骸骨がそう返事をすると同時に、その身体が闇に包まれた。

後ろにいた2体の骸骨の姿も消え、遠ざかる足音が聞こえてくる。


私も城砦都市に向けて歩き出した。

今後の運命は明日の夜、決まるだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ