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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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72話 魔人アニタ

夜。


シグスはドラゴを始めとした各地の騎士団長だった者達を集め、騎馬部隊の分散行動の確認をしている。

ビデスも第三軍団大隊長だったメドゥン、メイガン、フィールらと協議し、部隊の連動行動についての練習をしている。

骸骨大砂百足達は自分たちの寝床の確保の為に地面の固い土を食べて、体内で砂状に細かくして、ソレを吐き出す、という事を繰り返している。

体内は中空なのに、それができるのは、彼らの種族スキル『岩砕き』の能力による。

岩のトンネルもそうだが、このスキルは凄い能力だ。


岩のトンネルで思い出したが、飛竜はどんなスキルを持っているのか。

彼らを骸骨にするのが待ち遠しい。


さて、俺の直営に配置されている骸骨魔法操兵たちに剣を指導するとしよう。

いつもはサイクス達に任せているが、彼らは馬車で移動中だ。

ここまで移動の連続だったから、久し振りに剣を振るのも良いものだ。



朝。


平原を広く使っての訓練で、各部隊は散開している。


その平原に朝日の光が射し込むと、北西の「城」から小鬼どもが湧き出した。


どうやらこの廃村の拠点を取り戻すようだ。


我々が排除した小鬼どもは泥となり、そこに落ちていた魔石は放置している。

奴らが持っていた武器は拾い集めて廃村の一角に集めている。

他に何もない場所だが、奴らはこの場所を拠点として第一軍との戦闘を行っていた。


だからこそ、我々を排除し取り戻そうと行動するのだろう。


だが、我々骸骨軍団も総勢1万人はいる。

昨日のように3000体程度では、今日も我々の勝利だ。


そう思いながら、「城」から湧き出す小鬼や豚面鬼を眺めていた。


奴らの前衛は湧き出る勢いを止めて、整列するように止まっている。後続が「城」を出るまで待つようだ。

横には300体ほどが並んでいる。

しばらくすると2歩ほど前進して止まった。

さらに後続が「城」から出て来ているようだ。

さらに2歩前進した。


なるほど、これなら前進する回数を数えれば、奴らの数が分かる。



奴らはすでに30回ほど前進している。

おそらく、我々が1万人いると知って、奴らも1万かそれ以上の数を出してきたのだ。

前列に並ぶのは昨日相手をした小鬼や豚面鬼どもだが、後方には森で見た狼人や牛頭、馬頭、山羊頭に屍人や骸骨までいる。

人型だけではない。

数は少ないようだが大蜘蛛や大型の熊、猫、犬の魔物も混じっている。

向こうも総力戦のようだ。


奴らの準備の間にこちらも散開していた部隊が陣を整えている。

昨日と同じように左翼にドラゴの騎兵部隊、中央にビデスの歩兵部隊、右翼にシグスの騎兵部隊だ。

骸骨大砂百足は寝床の手入れで忙しいようなので、今日も不参加だ。


奴らの頭上を旋回しているシーカーが戻ってくる。

どうやら「城」から奴らが出終わったようだ。


その「城」の城壁の上に、人影が見える。

おそらく魔人、メリッサの仲間だ。


シグスから戦闘開始の思念が全軍に伝わる。


■■■


【 魔人 アニタ 】



いやぁ、壮観だネェ。

1万の泥人形どもと1万の骸骨の対戦だヨ。


スーニャも誘ったのに、あの子は、泥人形の生産で忙しいからそんな暇ない、だっテェ。


まぁ泥人形作れる傀儡(くぐつ)の力はあの子だけだしネェ。

お手伝いの小鬼ちゃんたちも武器製造の豚頭くんたちも忙しそうだったからネェ。


まっ、原因は私だけどネェ。


いや、骸骨だネ。そう、骸骨が悪イ。


あの鳥も骸骨の仲間かナァ。お、飛んで行っタァ。んー、あの白マントの骸骨がご主人様かナァ。

うん、そうだネ。

あの骸骨だけ、目が青イ。

じゃあ、あの子を殺せば、終わるかナァ。

ふふふ、私のこの目は特製だからネ、見逃さないわヨォ。


エイ!


■■■


シーカーが俺の伸ばした左腕に止まる。


それと同時に、俺の背後に魔力の流れを感じた。


振り返る。


ディエゴの動きが視界の端に映るが、俺は目の前にいる女の振り上げた右手の短剣に気付いた、時にはもう既に、それは振り下ろされて。


バフオゥ。


いきなり強烈な突風に煽られ、俺は体勢を崩した。


それは背後に現れた女も同じだ。地面に倒れた女にディエゴの剣が振り下ろされる。

だが、女の体が光りに包まれ、消えた。


俺は周囲を確認するが、女の姿も魔力の動きも感じられない。


撤退したか。


俺はディエゴと、突風で吹き飛ばしてくれたウィンガーに礼を伝える。


どうやら転移の魔法を使う暗殺者のような奴がいるようだ。


■■■


【 魔人 アニタ 】


しっぱーーイ!


いやぁ、惜しかったネェ。


まさか風に吹き飛ばされるとは思わなかったヨ。


それにしてもあの青目の骸骨、魔法防御系の鎧着てるのかナァ。


束縛の魔法が効かなかったヨ。


まぁ、これでしばらくは警戒されちゃうから、暗殺はまた今度だネ。


さて、泥人形くんたちの戦いも始まるかナァ。


お、骸骨馬に乗った骸骨さん達が来ましたヨォ。


迎え撃つは豚頭くんたちだネェ。がんばれヨォ。


あ、先頭の白マントの姿が光って、剣も・・・。


ギャァァァァァァ。


イ、イタイィィィィィ。


ウウ、目ガァ、私ノ目ガァ。


アレハ退魔ノ光、ナンデ、ナンデ、骸骨ガ。


アア、イタイ、イタイ、イタイィィ。


■■■


俺の方で小さな騒ぎがあったが、戦闘の方はシグスの騎馬部隊が敵陣横を深くまで進み、敵の後方に廻る動きから始まった。


敵も退路を塞がれないように対応した動きを見せるが、シグスが魔技を発動して、部隊を突撃させた。

シグスの魔技『退魔光照射円陣』は魔物相手には絶大な威力を誇る。

シグスの周囲の魔物は即座に泥と化し、その周囲の魔物も体の一部が泥と化していく。

後続の騎士たちはそれらを駆逐していけば良い。


左翼から攻めるドラゴの騎馬部隊も混乱する鬼どもを切り裂いていく。


後方の混乱は前方の小鬼たちにも伝播したが、奴らも迫り来るビデスたちの魔技の前に次々と泥の塊となっていく。


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