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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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40話 終戦

中央を走ってきた2台の馬車には驚いたが、どうやらムーヴが内部に侵入して乗り手を倒したようだ。

俺は「吸魂」した。


これは驚いた、帝国貴族の魂だ。

彼らの魂の記憶に興味はあるが、今は目の前の戦闘に集中しよう。

それに、西方騎士団のレイモンド副団長の魂の方が重要だ。


すでに200名近い魂を「吸魂」したが、こちらも100人以上が戦闘不能になっている。

これまでのところはやや優勢だ。


だが、レイモンド副団長の喪失は数字以上の打撃を帝国騎士団に与えるだろう。


我々は中央部隊を下がらせ、戦場を巡る骸骨騎士も一度引いた。


後列も20mぐらい後退する。

我々の後ろには、まだまだ土地がある。


こちらの後退に釣られて、帝国騎士団が前進すれば、我らの勝利が見えてくる。



現在は北の街道に5番隊と6番隊、東の街道に8番隊と9番隊が集結している。

本隊は左翼に1番隊、中央に骸骨剣士隊と魔法操兵、右翼に9番隊と10番隊。

後列左翼に3番隊と4番隊、中央後方に2番隊と俺の部隊がいる。


3箇所に分散した形となった。

帝国騎士団はどこを叩きに動くか。


戦闘の決着をつけるなら、このまま本隊を叩くか。

一度下がるなら、補給が望める北か、帝都に戻る東か。


この時間で魂の記憶から相手の陣容も分かった。

左翼はクィッカー領騎士団、右翼にフェンクル領騎士団が居る。

帝国騎士団は中央と右翼だ。

そして、残念なことに魔技持ちがいない。

魔技持ちはなかば強制的に北方騎士団に送られる。

これは残念だ。


お、帝国騎士団が動いた。

どうやら左翼は東の街道を抑え、中央と右翼は本隊を叩くようだ。

ならば、こちらも受けて立とう。


中央は骸骨剣士の盾隊が正面に出て、その後ろに1番隊が廻り厚みを出す。


ガナベルが動く。

ガナベルの3番隊と4番隊はこの戦いのキーマンだ。

遊兵として控え、帝国騎士団の動きに応じて、領都の西側を廻り敵の背後を突くか、左翼、右翼を支えるか。

それが、動く。

タワーの3番隊が俺たちの背後を廻り、右翼のさらに右を廻って、全速力で東の街道を抑えている敵の左翼部隊に襲い掛かった。


その動きに釣られて帝国の中央部隊が左翼側に広がるが、ドットの4番隊が襲い掛かる。

さらにグレイ配下の9番隊と10番隊が前線を押し上げる。


こちらは左翼が無くなった形になった。


帝国騎士団が突進して来るが、中央の骸骨剣士たちが盾で良く支えている。

彼らの背後から1番隊の槍と2番隊の弓矢が飛ぶ。

さらにレッドの火球が飛び、ボルトが敵陣に飛び込み、テラーが恐怖心を煽る。


帝国騎士団の後方からは北の街道から戻った5番隊と6番隊が襲い掛かる。


帝国騎士団は徐々に領都の街壁に押し込まれる形で防御陣を取るが、街壁上からも矢が振り注ぐ。

敵が機動力を失えば、こちらは徐々に殲滅するだけだ。


俺は定期的に「吸魂」し、この戦いで1560人の魂を得た。



後片付けには7日間掛かった。


1560人と馬達。

腐肉喰い丸スライムたちは勢い良く作業を開始したが、5日目に限界を感じたようだ。

彼らは分裂した。

今回は2匹だ。

つまり、4匹が8匹になった。

ぴょんぴょん跳ね回り、腐食ガスを放出して肉体を腐らせて吸収していく。


この腐食ガスは生きている状態の相手にも有効のようだ。

森の中の野鼠や兎などの小動物が被害にあっていた。

フェンクル領領都内の人間たちに被害が出ないようにウィンガーには常に風を操るように要請しておく。


だが、この腐食ガスは有効な攻撃手段になりえる。

つまり、密集した敵に腐肉喰い丸スライムを投げ込めば、それだけで敵は壊滅するのだ。

シーカーに持たせて空から投下できるだろうか?


屍鷹にシーカーと名付けた。

餌は食べなくても良い身体になったが、今でも地上の野鼠や兎の狩りをしている。

生前からの習性だな。

名付けた事で思念伝達が明確になった。

呼べばすぐに飛んで来るので、普段は自由に空を飛んでいる。



今回の戦いではこちらの骸骨騎士達にも多くの負傷者が出た。

だが、魂が解き放たれた者はいなかった。

首が飛ばされても、骨が砕けても、頭骨が馬に踏み潰されても、翌朝には骸骨として復帰した。

これには種族的な特性もあるが、俺のスキル「不死者生成」による影響もあるかもしれない。

彼らは俺の下僕だからな。



ノールデア領領都からは我が骸骨軍団の紋章旗が送られてきた。

濃紺の生地に白抜きされた紋章。

白馬の目は鮮やかな緋色だ。

盾型の枠の周囲に草花のモチーフが追加されているが、これで良いだろう。

これを届けた商業ギルドの者に承認の返事を持たせた。



帝国騎士団の用いた馬車だが、これは魔導馬車だそうだ。

外装が丈夫で目立った傷も無い。

内部の座席に座り、複数の魔石を操作することで自走できるそうだ。

これは生前同様にアックスとクリストファーに任せて22番隊のクルツの配下においた。

骸骨騎士として生まれ変わり、家門というしがらみから開放されたので、2人を始めとする貴族たちも、今日から骸骨軍団の仲間だ。



さて、軍団編成だ。


今回の戦いで、俺は盾持ちの重要性を改めて感じた。

思えばタバーニのデ・シーム騎士団と戦った時も、中央の盾持ちが抑えたからこそ、包囲殲滅できた。

今回も、帝国騎士団の突撃を抑え、やつらを南に逃がさず街壁側に押し付けた。


俺はシグス達に盾持ちの武技持ちを集めた専用部隊を1部隊作ることを提案した。

もちろん各部隊にも状況に応じて盾持ち役は必要だが、この部隊は専門職だ。


隊長は武技『盾の衝撃』を持つメイヤーに任せた。

ドットも『盾の不動』を持つが、彼はタワーの良き相棒の様だ。

今回新たに加わった者の中にも盾持ちがいるが、この守備隊はシグスの直営に置くので隊長をメイヤーとした。


このついでに、骸骨騎士達の武技についても人数を調べてみた。

剣の武技持ちが1585人。

槌の武技持ちが263人。

槍の武技持ちが273人。

弓の武技持ちが266人。

盾の武技持ちが260人。


剣が圧倒的に多い。

そして意外にもハンマーの武技持ちが多かった。

野営地などの設営や攻城戦での破壊活動などの訓練も行うので、振り廻す機会が多いからか。


そして俺のスキルも増えた。

『剣の連撃4』と『剣の遠斬り2』は所持していたスキルの上昇だ。

『槌の一撃』『弓の2連射』『盾の不動』が今回追加されたスキルだ。


槍が無かったのが残念だな。



今回で25番隊まで部隊が増えた。

中隊長の下には3部隊が付くようにして、中隊長8人、部隊長25人。

これにシグス大隊長と骸骨剣士隊隊長のモローと守備隊のメイヤーを加えた36人を司令部とした。


総勢2913人。

しばらくはこのフェンクル領領都を拠点に訓練期間に入る。

その後で、東の帝国か北の魔族領か。

我々の向かう先を決めよう。


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