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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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34話 一つ目丸スライム

この丸スライムが何であるかは分からないが、腐肉喰いとしての能力は変わらなかった。

一つ目丸スライムを馬の亡骸の上に載せれば、腐った肉体を吸収して、見事な白骨体にした。


ただし、だ。

掛かった時間は3分ほど。

一つ目丸スライムはその身体を変形させずに、ほぼ球体のまま馬の体の表面を転がり、身体と腐肉の接触面から腐肉を吸収した。


俺は白骨化作業をこいつに任せて、その他の腐肉喰いスライムをどんどん「吸魂」し、60匹ごとに「授魂」した。


4匹の一つ目丸スライムが生まれた。


元は8匹の腐肉喰いスライムだ。

それが分裂して、魂を集めなおしたら、4匹の一つ目丸スライムになった。


こいつの情報を持って来たのはデ・シームの街の守備隊隊長メズノットだ。

奴に聞くことにしよう。


骸骨馬120頭が生まれた。

俺たちが乗ってきた25頭は馬具を外して、領都の騎士団本部に戻す。


食事後にぴょんぴょんと跳ね回るスライム達を捕えて、木箱に詰めて、デ・シームの街に戻る。



デ・シームの街、領主邸。


「こいつは珍しい。丸スライムですよ。」


守備隊隊長のメズノットはこのスライムについての知識が無かった。

そこで商業ギルドのギルドマスターのゴーリンに相談すると一人の男を連れて来た。

ボーダーという『鑑定』スキルを使える者だ。

そのボーダーが、一つ目丸スライムを鑑定した。


「普通のスライムとは違うのか?」

「はい。普通のスライムはその身体が液状の不定形ですが、この丸スライムは見ての通りの球状で、形を変えることは無いと言われています。さらに、こいつは『腐肉喰い』のスキル持ちですね。」

「そうか。こいつは分裂するのか?」

「どうでしょう。丸スライム自体が珍しいので、そういった情報は乏しいです。デ・ルーの商業ギルドなら情報があるかもしれません。」

「そうか。」


見た目は変わったが、この一つ目丸スライムが腐肉喰いであることに変わりはない。

「メズノット。」

「は、はい。」

「先に依頼した腐肉喰いスライムの捕獲はまだ継続中だったな。」

「はい。その、未だ捕獲の連絡はきていません。ので。」

「その依頼は終了だ。」

「は、はい。畏まりました。」



4匹の一つ目丸スライムは『腐肉喰い』スキル持ちの魔物であり、俺の下僕だ。

彼らが居れば戦闘後の処理が楽になる。


となれば、戦闘中の居場所が必要になる。


俺は1台の幌馬車を調達した。

骸骨馬二頭には荷馬になってもらう。

この荷台に一つ目丸スライムを載せておく。

その他必要な物品も増えるだろう。

御者はラムデス、ジョセフ、ソニーの持ち回りだ。


では、軍団の馬には順に骸骨馬として生まれ変わってもらおう。



我が骸骨軍団の馬は720頭いた。

商業ギルドの荷馬車が毎日多くの飼料を持ち込み、馬糞を集めて戻っていた。

最近はフェンクル領領都からも世話係りが来ていた。

それも終わる。


4匹の腐肉喰い丸スライムが馬を白骨化していく。

ただし、こいつらは腐肉喰いだ。

新鮮な肉は好まない。


俺たちは毎日100頭の馬を殺め、平原に放置した。

昼の日差しと暑さがその肉を腐肉へと変えていく。


4日目に腐肉喰いスライムが食事を始め、その後7日掛けて残りの馬を骸骨馬にした。

その間、辺りを漂う腐敗臭は酷く、街の人々には迷惑を掛けた。


さて、そろそろシーム伯爵が帝国に救援依頼をしてから30日が経過する。

我々はデ・シームの街からフェンクル領領都に移動した。



フェンクル領領都。


領都の北東には森が広がり、北に向かう街道と東に向かう街道がある。

帝国騎士団が来るのは、この東の街道だ。


この街道には幾つかの小さな村があり、その先にはエスター山脈に連なる丘陵地帯がある。

その丘を抜けた東側の土地は、隣のウーノンサ領との領界が南にあり、さらに東進すればクィッカー領となる。

帝国騎士団は、そろそろその辺りまで進軍し、ウーノンサ領騎士団、クィッカー領騎士団との合流をしていると思われる。


我々としても彼らの情報が欲しい。

そこで、乗馬の得意な骸骨騎士4騎を偵察部隊として東の街道に向かわせた。


さて、残った骸骨軍団は(きた)る戦いのために、木を伐採して戦場を作る。

そのついでに、大きな鳥を狩りたい。

それが手に入れば、良い偵察要員となる。


屍鼠はジョセフが世話をしてくれている。

彼の出番は、次の戦いでもないな。



以前は弓得意の軍団員といえば2番隊のジーノであったが、軍団メンバーが増えたことで弓の武技持ちの骸骨騎士も増えた。

弓の武技は『連射』『曲射』『遠射』『貫通』だ。

ジーノと同じ『遠射』持ちは15人いる。

しかし、精度でいえば、やはりジーノが一番だ。


彼の射止めた大きな鳥は鷹の一種と思われる。

大きな黄色いくちばしに、大きな目、濃い茶色とまだらに模様を描く白毛の身体。

「吸魂」して、ふと考えた。

これは白骨化して良いのか?


いや、さすがに空は飛べないだろう。

いや、どうだろう?


うん。この疑問は次に試すことにしよう。


「授魂」


目覚めた屍鷹に、東の街道沿いに飛び、帝国騎士団を見つけるか1日飛んだら戻るように伝える。

彼は力強く羽ばたき、大空を東へと飛んでいった。


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