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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
24/111

23話 迎撃

ノールデア領領都街門前。


我が骸骨軍団は全員が騎乗して、デ・シーム騎士団を待ち構えている。


数刻前に2番隊の骸骨騎士一騎に偵察に行かせた処、隣の宿場町を発ち領都に向けて進軍している騎士団を確認している。おそらく日の出とともに、領都に到着する予定なのだろう。


デ・シームの騎士団団長には葛藤があるだろう。

やつらも我々を偵察したはずだ。

我々骸骨軍団が既に領都を落とし、挟撃が望めないと分かっている。

だが、ここまで来ておいて、一戦もせずにデ・シームの街には戻れまい。


騎士が、平原での騎馬戦が怖くて、街に逃げ帰るのだ。

そんな事はできない。


希望もある。

我々骸骨軍団は領都の騎士団と戦ったばかりだ。

損害もあるだろう。

魔物だが、疲れてもいるだろう。

しかも会敵は太陽が昇った後だ。


デ・シーム騎士団に有利。


奴はそう考える。

だからこそ、奴らはここに来る。


陽が昇った。

空に雲は少ない。

東の空が青く色付き、太陽の輝きが、領都前の平原を照らす。


前方左手の小高い丘の上に、デ・シーム騎士団が姿を現した。



我々骸骨軍団の布陣は3列横隊だ。


中央後方に俺と魔法操兵と屍人騎士の12人が固まっている。

ラムデスとジョセフとソニー、ライファノンは領主邸に残してきた。

領都で屍人剣士とした3人も馬に乗れないので今は後方の街門にいる。


右翼は中央からベニーの1番隊、マルクトーの2番隊、タワーの3番隊。

左翼は中央からメイヤーの6番隊、サンシャの5番隊、ドットの4番隊。

オズマ副団長はタワーと共に右翼の端にいる。

ガナベル副団長はドットと共に左翼の端にいる。

相手の出方に拠っては、両翼が突出して包囲陣形をとる。その為の配置だ。


そして、中央前方に1騎。

シグス騎士団長がいる。

これがシグスのやり方のようだ。


対するデ・シーム騎士団は中央に厚く密集した紡錘陣だ。

数は100騎。ソニーの報告通りだ。

おそらく1隊をデ・シームの街に残してきたようだな。

中央の先陣に白マント、その左右に青マントがいる。

あちらの騎士団長も先頭に立つタイプらしい。


紡錘陣を布いているのなら、狙いはこちらを中央突破して領都に入る心算(つもり)だったのだろう。

だが、街門は閉じている。

それに、中央にいる6番隊には、今回盾の武技持ちを集めている。

簡単には中央突破はさせない。


シグスの剣が高々と揚げられた。

そして、振り下ろされる。

その剣先はデ・シーム騎士団に向いている。


突撃開始だ。


■■■


【デ・シーム騎士団団長タバーニ】


偵察の報告通り、ノールデア領領都は一晩と持ち堪えられなかった様だ。


とはいえ、この陣容は何だ?


骸骨どもが150騎以上いる。


つまり領都の騎士団は、まったく奴らに損害を与えていないのか?

それほど、奴らは強いのか?


だが、朝陽の光が我々と奴らを照らす。

奴らは魔物だ。

陽の光の下では力を出せず、動きも鈍る。

それにこちらは丘の上に布陣した。


中央を突破して奴らを分断し、右翼に廻り込み殲滅してやる。

開戦前には降伏の意思確認をするのがルールだが、魔物相手には不要だ。


その様に考え、伝令兵に隊長たちへの指示を伝えようとした時、中央の白マントが動き、奴らが動き出した。


くそっ、ルール無視は奴らも一緒か。

人間のように布陣している所為で余計な事を考えた。


「中央突破、左転身!騎士団突撃ー!!」

「中央突破、左転身!騎士団突撃ー!!」

「突撃ー!!」


俺の掛け声に、周りの者が復唱しつつ馬を進める。

丘を駆け下りる我々が早い。先手を取る。


俺の前には白マントが立っている。

奴は動いていない。

なんだ?

隊列の前に立つその姿に、あの男の影が見えたような。


俺たちは怒涛のように突き進んだ。


白マントの前方に骸骨が集まって来る。

奴らめ、馬を降りて盾を構えて防壁を作っているが、そんな物でこの勢いが止められるか!


向かい風が強く吹き、幾本もの弓矢が飛んで来る。


「うおぉぉぉーーー!」

ドガガガガガッ!!


奴らの盾を蹴散らしながら、突き進む。

俺は槍を構えた。


正面に白マントがいる。

奴の骸骨の身体に槍を突き出す。

ドッ!

奴の剣が上段から振り下ろされ、俺の槍の柄を切り落としやがった。


くそっ!

槍を捨て、剣を抜く。


俺は馬の速度を緩めず突き進み、左に転身するように馬を走らせる。

前方、中央奥にも骸骨と人?の集団がいる。

なんで、人が?


すると、その集団から火球が飛んできた。

魔法使いがいるのか!


火球は俺の前方に着弾し、大きな炎を上げる。

馬が驚き立ち止まってしまった。


くそ、落ち着いてくれ。


中央奥の集団から一騎が迫ってくる。


俺は暴れる馬から降りて、剣を構えた。

奴も馬を降りて、こちらに向かってくる。

骸骨だが、灰色マントだ。

こいつ、魔法使いか。


剣も持たずに向かってくる灰色マントに不気味さを感じてしまう。

なぜ、奴は向かって来るんだ。

魔法使いなら魔法で攻撃してくる。

だが、奴は向かってくる。

何だ?何をする気なんだ?

すぐそこだ。目の前まで来た。

剣を振るわなくては。

身体の反応が鈍い。


そうだ。俺の仲間はどうした?

左右に視線を走らせるが誰もいない。

なぜ、俺は一人なんだ?


視線を戻せば目の前に迫った灰色マントが激しく光った。


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