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骸骨軍団  作者: ブルーベリージャム
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18話 デ・シーム街門前

骸骨軍団は街道を西へと進み、デ・シームの街を望む地点まで来た。


街の街壁上の見張りからも、遠く我々が見えている事だろう。


さらに近付いた所に、馬用の飼料を満載した荷馬車が6台止まっている。


骸骨軍団はデ・シームの街を眺めながら、休憩を取った。


商業ギルドの者は俺の受け取りのサインを貰い、デ・ルーの街に戻る。

彼らには帰り道の分の用意も頼んでいるので、それは改めて用意してもらう手はずになっている。



街道はデ・シームの街の手前で二手に分かれている。

街に入るか。

街に入らず、領都に向かうか。


俺たちは分岐点の手前で4列横陣をとった。

街の門は閉ざされ、街壁上に複数の兵が立ち並んでいる。


そういえば、我が軍の装備に攻城兵器が無い。

いずれ、そういった大物も必要となるのか。


さて、今日の所はデ・シームの奴らを相手にする予定は無い。

もっとも、奴らがやる気なら、受けて立つ所存だが。

時刻は、もう日が傾き始めている。

我々には有利だな。


我々の中から一騎が離れた。

彼の名は2番隊所属のジーノ。武技は『弓の遠射』、我が軍団一の弓の名手だ。

俺はジーノに一枚の書状を渡した。

ジーノは弓でそれをデ・シームの兵に届ける。

お、当たったな。


さすがに、この距離では「吸魂」はできないか。

いや、この感覚。

すこし時間が掛かったが、サリムという名の魂が俺の左手に吸い込まれた。

さすが、ジーノだ。

俺は賞賛の思念を送っておく。

周囲の奴らの気合が入ったな。


さて、デ・シームの騎士団はどう出るかな。


■■■


デ・シーム街壁上、物見の塔内。

狭い部屋に騎士団団長タバーニを始め、副団長ガードンとトリムの2人が揃っている。


「骸骨の奴らより、書状が届きました。」

騎士団員が血に汚れた紙を持って来た。

タバーニが、それに目を通す。

「団長。奴らはなんと。」

タバーニは、書状をガードン副団長に手渡し、目を閉じ、腕を組んで黙想した。


ガードン副団長が書状を読み上げる。

「"我らに戦闘の意思なし。領都に向かう。10分後に移動を開始する。"、だと。」

「団長、攻撃しましょう。奴らを領都に行かせる訳には。」

「いや、これは好機だろう。奴らを行かせて、我らが追えば、領都で挟撃できる。」

血気にはやるトリムをガードンが冷静に諭す。


「うむ。ガードンの意見を私も推そう。」

「団長。」

「奴らを領都に向かわせる。見張り役を2騎付けろ。我々本隊は明朝出発する。」

「了解。」

「私はシーム伯爵に説明に行く。ガードン、後は任せる。」

「はっ。」


■■■


ジーノが弓を打ち込んでから10分が経過した。


「シグス。」

「はっ。1番隊、動く。」


シグスの合図でベニー率いる1番隊が動き始める。

シグスを先頭に、ゆっくりと街道を進み、分岐点で領都側に進む。


続いてマルクトーの2番隊。

オズマとタワーの3番隊。


デ・シームの街の騎士団は街壁上からこちらを伺っているが、動きはない。


ガナベルとドットの4番隊。

サンシャの5番隊。

最後にメイヤーの6番隊と骸骨魔法操兵部隊と俺が移動を開始する。


デ・シームの騎士団は最後まで動かなかった。



その日の夜。

デ・シームの街と領都を結ぶ最初の宿場町の手前で、我々は休息を取った。

商業ギルドの職員に受け取りのサインをし、俺は彼に質問をした。

「デ・シームの街の様子はどうであった?」

「は、はい。あの、普通でした。」

「ほう。デ・ルーの街の噂は流れていたか?」

「それは、ありました。デ・ルーの街から逃げた者がいますので、彼らの口から聞いたのでしょう。ですが、噂の内容は、"デ・ルーの街が骸骨に襲われたらしい"、"騎士団が対応して被害を受けたらしい"、といった物です。」

「そうか。」

「ええ、ですので、俺達がきっちりと骸骨様の恐ろしさを話してきました。デ・シームの騎士団は骸骨様の恐ろしさを知って、街に閉じ篭っているんだ。領主様は怖くて骸骨様の討伐命令が出せないんだ。ってね。」

「うむ。よくやった。」


トールデンは部下にきちんと仕事を説明したようだ。

彼らはこの宿場町に留まり、我々の帰りの分の飼料の確保をしてもらう。


この日の夜は移動せずにこの場所に留まった。



次の日の昼間も、何事も無く街道を進み、昼過ぎに第二の宿場町に着いた。


昼の移動では、多くの者が街道を利用しているので、その者達は我々を目撃し、恐怖し、逃げ惑った。


我々の到着にやや遅れて、飼料を積んだ荷馬車隊が到着した。


「申し訳ございません、骸骨様。到着が遅れました。」

「良い。計画では夕刻の予定だったからな。我々が早かったのだ。」

「ありがとうございます。」


彼らもこの宿場街に留まり、帰りの飼料の確保をお願いしている。


さて、我々は今夜もここで休息を取ろう。



夜更けも過ぎ、もうすぐ夜明けを迎える頃、デ・シームの街の方向から1頭の騎馬がやって来た。

その馬に乗るのはソニーだ。

彼は屍人なので、身に付けているのは骸骨魔法操兵と同じく鎖帷子に灰色ローブだ。

今はそのローブを被り顔を隠すようにしている。


彼が遅れて合流した理由。

「マスター。デ・シームの騎士団100騎が夜明けに街を出ました。今は約半日分後方に居ます。」

「そうか。他には?」

「我々の500m後ろに2騎の偵察が付いています。」

「そうか。シグス。」

「はっ。」

「行動予定を確認する。隊長達を集めろ。」

「畏まりました。マスター。」


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