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クロエ  作者: KAE


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61 番外編 帰還

「お館様、奥様お帰りなさいませ」イーサンが玄関で迎えてくれた。

2年ぶりの王都の屋敷への帰還だった。


マックスは「ああ、ただいま…?」とぎこちない。


イーサンが「いかがされました?」とマックスに聞くと


「ああ、この前まで客だったのに…ははは」


「ふふ、慣れてくださいませ…お館様…ふふ」


「ははは、善処する…」と苦笑いするマックスだった。


「ふふ、ただいまイーサン。この子がリヒトです…よろしくね」


「奥様、おかえりなさいませ。こちらの坊ちゃんがリヒト様…ふふ、お館様にそっくりですね…よろしくお願いしますリヒト坊ちゃん」と笑顔でイーサンはリヒトに近づいた。


「ふふ、リトはどこへ行っても父さま似だと言われるわね…」


「本当によく似ておいでですよ…これを瓜二つと言うのでしょうね」


「ふふ、私もそう思うわ…」クロエは幸せそうに笑ってイーサンと会話をしていた。


イーサンが「お館様、王宮から使いの者が参りました。こちらを」とマックスに手紙を渡した。


封を開けて中の手紙を読む。


「ふふ、リヒトを連れて会いに来い…って」とマックスはクロエに苦笑いした。


「まぁ!ふふ」


翌日、クロエ達親子はエリック国王のサロンに招かれていた。

ハドソン侯爵を始めとした諸侯達も同席している。


「おぉ!リヒトと申すか…!よく来たな!こっちに来てくれるか?」エリックの眉は下がりっぱなしだ。


リヒトはおとなしくエリックの膝に抱かれている。

「それにしても、ここまで父親に似るとは…瓜二つだな!」エリックはリヒトをあやしながら感心したように言っていた。

周りの諸侯も「まったく!」と笑っていた。

賑やかな室内でリヒトがつられて「きゃっきゃっ!」と笑い出し、それがまた可愛く、エリックを始め諸侯達の顔はだらしなく破顔して、「私にも抱かせてください!」「私にも!」とリヒトは人見知りすることなく、次から次へと諸侯に抱かれて、あやされて上機嫌だった。


多忙なエリック国王や諸侯達もリヒトの笑顔に癒された穏やかな午後だった。


国王のサロンを辞去したクロエ達は王宮内の庭園を散策してから屋敷に戻ることにして王宮の中庭にいた。


リヒトははしゃぎ疲れたのかマックスに抱かれて眠っていた。

クロエはリヒトの顔を覗き込み「ふふ、よく眠っているわね…」と笑った。


「そりゃ、あれだけみんなと騒げば疲れるさ…ふふ、頑張ったな…リト…」マックスはそっとリヒトの頭を撫でていた。


「兄上!…まさかここで会えるとは…」と中庭の先から婚約者のシャルロット王女を伴ってレオナードがこちらに向かってきていた。


「おっと…甥っ子殿はお昼寝中でしたか…ふふ可愛いな」とマックスの腕の中で眠るリヒトに気がついて声の音量を下げて笑った。

シャルロットも「まぁ…ふふ可愛い…ぐっすりね!」


近くの東屋に落ち着いた5人はリヒトが目覚めるまで久しぶりにゆっくり話した。

途中でリヒトが目覚め、話題はリヒトのことになった

「本当に兄上そっくりですね!」

「まぁ!お義兄様と瓜二つ!」

ここでも、似ている父子の話題になりクロエは「ふふ、皆さん口を揃えてそう仰るのよ…私もそう思うのだけど…間違いないわね!」と声をあげて笑ったのでリヒトもつられて「きゃっきゃっ」と声をあげて笑い、東屋の中はリヒトの笑い声につられて皆んなの笑い声が響いていた。


帰りの馬車の中、クロエはリヒトをあやしながら「皆さんに笑顔で迎えられてよかったわね…リト」と言えば


マックスも「リトは皆を笑顔にする天才だな…」とリヒトの頬を指で撫でならが笑っていた。


「皆、私達を待っていてくださったのね…嬉しいわ」


「ああ、幸せだな…クロエがいて、リヒトがいて、皆んながいる。この関係は大事にしていきたいな」


「ええ、本当ね!」


「クロエに出会えてよかった。ありがとうクロエ…愛しているよ」


「マックス…私もあなたに出会えてよかった。こんな幸せな日を送れるなんて想像もしていなかったわ…ありがとうマックス…愛しているわ」


ふたりは見つめ合い口づけを交わした。


「あぶぶぅー!あぶあぶ!」さっきまでおとなしかったリヒトが騒ぎ出した。


「うん?リト…ヤキモチか?…残念だったな…母さまは父さまのものだからな…!」


「マックス…大人気ないわねぇ…大丈夫よリト。愛しているわ…可愛いリト」とクロエは笑いながらリヒトの頬にキスをした。


すると「俺にも!」と言いながら、マックスは再びクロエの唇を塞いだ。


馬車の中は「あぶぶーっ!あぶっ!」とリヒトの不機嫌そうな声が響き


「ふふん!」と得意そうなマックスの声と


「まったく大人気ない!」とクロエの呆れた声が続いた。


そんな馬車は一路アルシエッタ辺境伯邸に向かって走っていた。

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