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ただ単に丁度良かっただけなんですね?

ブックマークが100件越えておりましたので、このご愛顧に感謝を致しまして、誤字脱字のバーゲンセール中で御座います!

父のすっとんきょうな叫び声が、辺りにこだました。

が、家族の誰もが無言になってしまっていた。仕方がない事ではあるのだけど。


ランペイジ子爵家なんて、足元にも及ばない広大な領地をお持ちの、ファーレンハイト伯爵家の当主の登場に、流石の私も驚いて居たのだ。

しかも、ミゲールさん改め、ファーレンハイト伯爵は、辻馬車になんか乗ってたんだからねっ?

何でなのよ?まさか伯爵家には、専用の馬車が無いのかしら?生活が私達の知らない間に、困窮でもし始めたのかしら?

没落後のノウハウでも、レクチャーして差し上げた方が良いのかな?


などと、失礼な事を考えて居た私に、ファーレンハイト卿が、ポンポンと肩を叩いて来て、こう言った。


「野菜の収穫は、まだですかの?」


父の叫んだ台詞の答えを、気にしていた子爵家一同はメヨーヨ以外全員ズッコケた。

メヨーヨは、目の前の方が誰だか全然分かって無かったみたいである。


父が、恐る恐るファーレンハイト伯爵に話し掛ける。


「もっ申し訳御座いませんが、イマイチ理解が出来ないのですが?何故貴方様が、当家の畑に参られて、しかも野菜の収穫などされるのでしょうか?」


伯爵は、少し考える様な仕草をすると、


「彼……いや、彼女と辻馬車で一緒になりましてのぉ?ランペイジ子爵家の夏野菜は美味であると、自慢されましてのぅ?野菜の収穫もやったことが無い故、体験させて貰う為に参った次第じゃの」


「な…何故その様な事を……?」


また伯爵は、考える様な仕草をすると、


「フム…そうさの…別に隠しとる訳じゃ無いんじゃが、近々伯爵位を息子に譲るんじゃが、余生を以前より興味があった作物を育てながら、妻とゆっくり過ごそうと考えて居ったんじゃ。始めて辻馬車に乗って、ファーレンハイトに戻ろうとしていた時に、丁度実家に野菜を収穫しに、行くという若者に出会ったから、このまま収穫体験をする気分じゃっただけなんだがのぅ……」


何だ…ただ単に丁度良かっただけなんですね?

それにしても、ファーレンハイト伯爵ご本人ですらランペイジ子爵家の事を知らなかったとは……。

えっ?自称領地持ちじゃ無いよね?そこんとこどうなの?父よっ!


「その様な事があったとは……。本気で収穫されるおつもり何ですか?」


「無論じゃっ!!」


伯爵のその返事に父は諦めたのか、


「では、こちらにいらして下さい。まずは直射日光を軽減するため、麦わらで作った帽子を被って下さい。そう致しましたら、キュウリと…そうですね…トマトを収穫しに参りましょうか?」



伯爵は父に任せるとして、ならば私はいざ行かん!魅惑のモロコシOVの元にっ!

悦び勇んで走り出そうとする私の襟首を、掴みやがる不届き者が居た。ぐえっ!?苦しい…。


「で、ファーレンハイト伯爵の対応は父に任せるとして、何でお前がここに居るんだ?出戻りじゃ無いって言ってたが、本当なんだな?詳しく聞かせて貰おうか?」


悪魔のような、死神のような微笑をした兄が私の襟首を掴んで居たのであった。

こわっ。さっきまでブツブツ賭けの事で文句を言っていた癖に、なんなの?全く……。

それにその微笑は止めた方が無難だよ?その微笑を見た、歴代の兄の彼女は泣きながら逃げて行ったのだから……。


普段は賭け事狂の、うだつの上がらないしょうもない兄なのですが、顔の造作は妹の私が言うのも何ですが、整ってます。

が、しかし美人は怒ると夜叉になると言いますが、兄は怒ると悪魔のような、死神のような、人を本能的に怖がらせる表情をします……それが、現在浮かべている『微笑』なのです……。

普段はゲラゲラと下品に笑うのですが、怒ると微笑になるのです。

理由は分かりませんが、兄が微笑したら『取り合えず逆らうな!』が、家族や仲間内での合言葉です。




ノォ~~~魅惑モロコシOVが、遠のいて行くよ。

甘い、甘ぁ~いあの味が忘れられぬ……。シャキシャキした歯応えと、ジューシーで、あの魅惑溢るる、フォルム……ちぇっ…お預けですかぁ~。


私は兄に襟首を掴まれながら、ズルズルと引きずられつつ、魅惑のトウモロコシに思いを馳せて居たのであった。














本当にブックマーク100件有り難う御座います~!

ふざけないと落ち着かない作者のせいで、前書きでは失礼致しました。

ボチボチ書いて行きますので、これからも読んでくださったら、幸いです。








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