到着っ!からの大騒ぎに発展?
一発書きデス。誤字脱字警報発動中なう。
三時間少々を掛けて、ランペイジ子爵家にやっと付きました!
家のドアノッカーを遠慮無くガンガン叩き、しばらく待って居ると、ヨボヨボしながら、祖父のタイゾーが片手にコーヒーカップ、もう片手に愛猫のミケを抱き上げながらドアを開けてくれた。
何時も思うのだが、両手が塞がっていて、何故スムーズにドアを開けられるのか…。
私はこの祖父の正体が、小さい頃からずっと気になって居る。祖父の容姿はこの辺りでは、まず見たことが無く、一重の目蓋に黒い瞳、彫りの浅い顔のパーツ……そして現在では白髪だが、若い頃は黒髪だったそうなんです。私のこの彫りの浅い顔と、童顔はきっと祖父から受け継いだ物にま違いありません。
聞いた話によると、いつの間にかランペイジ子爵領に住み着き、祖母が一目惚れしたそうです。
あの、情報戦の恐怖の女帝と怖れられていたあの祖母が、ですよ?
ジイちゃん凄いよ、本当に。
「おお、ツェリ~。帰って来たんけ?お帰りだなや~。他の皆さ、畑行ってんだよぉ?そっちさ行って見てけろ~?」
祖父は独特の訛りがあり、聞き取りづらいけれど、要約すると、家族は祖父以外全員畑に居るとの事である。
私は祖父に畑に向かう事を告げると、辻馬車で知り合ったミゲールさんというお爺さんに、早速畑に向かう事を話す。
「おお、そうじゃな?早く…早く畑に向かうのじゃ!取れ立て野菜は美味しいのじゃろう?収穫を手伝う代わりに…のう?早く食べたいのう…」
ミゲールさんが、良くないハッスルをし始めたのを、後目に私は畑に向かって歩き出した。
本当は私の秘密の裏庭で野菜の出来を確認したかったのだが、彼処には私と家族以外には入って欲しくないから、明日収穫する事にして、先ずは村の共同畑に向かって足早に歩いて行く。
しばらく歩いて行くと、村の共有の畑に到着した。
そこで私が、この子爵領に居るのを確認した、家族達の話し声が聞こえて来る。
「やっぱり、出戻って来たんだぁ~」と、父のライゼンが最初に言い出すとその発言に母のステラが気絶しそうになり、「賭けにならなかった……俺はお前が一週間はモツと思ったのに……ちっ」と、兄のディオスがブツブツ文句を言い、「やったぁ~お姉ちゃん、帰ってきたぁ~嬉しいなぁ~。今日は一緒に寝ても良い?」と、弟のメヨーヨ。
単純に私の帰りを喜んでくれたのは、タイゾーお爺ちゃんとこの弟のメヨーヨだけだよ?全く私の家族は……はあ~~~。
「ちょっと?父よ…やっぱりって何なの?そして、兄よ…また仲間内で賭け事をしてたの?しかも、その台詞…私の出戻る日にちを賭けてたのね?最低っ!」
「いやいや、違うんだよ?それに…ほら、俺はお前が一週間はモツってのに賭けたし…な…うん。だ…だが、現実はどうだ?嫁いで一日で戻って来るって……お前……一体……何したんだ?まさか…侯爵家のあらゆる食材を食べ尽くしてしまったとか?それともあれか?ちびっこ過ぎて、アルビオレ様の食指が動かなかった為、お払い箱……とか?あり得るっ!」
兄が好き勝手な事を言って来るが、兄が思っている様な事は、無い。それにしても、兄の中の私像はどうなって居るのだろうか?先程の発言から推測すると、絶対にしょっぱい事を考えてやがる。ちくせう………。
「失礼なことばかり言わないでよっ!別に出戻りって訳じゃ無いし!好きに過ごして良いって言われたから、収穫の手伝いに来ただけだし!」
「嘘をつけっ!面倒くさがりな、お前が悠々自適な侯爵家から、来る目的は『裏庭』だろ?」
うぎゃっ!バレているとは……。伊達に二十年も一緒に過ごして無いわね?
そうです、実家の畑の手伝いはついでです。私は食べ物は何でも大好き、胃に入ればOK何ですが、中でも希少で夏の間にしか収穫の出来ない野菜、トウモロコシが、大好物なのです!!
あれっ?希少じゃないだろって?まあ、普通のトウモロコシは…ね?
私が言っているのは、幻の種類『魅惑モロコシOV』です!OVはオーバードライヴビクトリーの略です。
その名の通り、食べると甘味が強く、ジューシーで、一本食べると更にもう一本欲しくなる、魅惑のトウモロコシなんですっ!更に祖父が私と共同で作っている大豆から、醤油なる調味料を作り、それを魅惑モロコシOVに焼きながら塗って作った、焼きモロコシなる至高の逸品が私の心を掴んで離さないのです。
何故か子爵家の裏庭でしか育たなくて、私は裏庭にかかりきりでした。
私がいかに魅惑モロコシOVの素晴らしさを、兄に説明しようか、考え込んでいると、私の後ろから申し訳なさそうな声が聞こえて来る。
「あのぉ~すまないのじゃが、野菜の収穫は…?それに、坊やは……嬢ちゃんだったのかのぅ?」
はっ!ヤ…ヤバイ……ミゲールさんが一緒だったんだっけ?忘れてたっ。
私は慌てて後ろを振り返りながら、どうやって取り繕うか考えて居ると、空気と化していた父がミゲールさんを指差しながら(行儀が悪い)、こう叫んでいた。
「何故貴方の様な方が、ここにいらっしゃるのですか?ファーレンハイト卿~~~~!?」
幻惑モロコシにするつもりでしたが、色々不味そうなので、止めました。
いつかお爺ちゃんのタイゾーの話が書けると面白いですよね?まあ、バレバレてすけどタイゾーは日本人です。醤油の蔵元の生まれです。訛りは適当なので、突っ込まないで下さると幸いです。




