ブクマ100件 お礼(?)小話
小話てす。本編にこのキャラが絡んでくるかは、今のところ未定です。
俺はジミー・モブーオ、二十三歳です。このランペイジ子爵領の一領民です…ええ。
突然だが、俺は最近失恋をした…。大失恋だ。
俺が十三歳の時に初めて出逢い、十年間彼女に片想いしていたのだが、自分で言うのも何だが、中々のシャイボーイな俺は、彼女の前では上手く喋れず、想いを告げることが出来ないでいた。
だけど俺は彼女を見ているだけで、幸せなのだと思っていた……。妹がとんでもない話を聞いて来るまでは………。
一行に進展しない俺の恋に業を煮やした奴が居た。俺の妹のウスィーだ。
今年こそは俺に新しい恋を見付けてやると意気込んでいた妹が、騒ぎながら家に駆け込んで来た。
「お兄ちゃんっ!お兄ちゃんっ!だ…だだだ大事件だよぅ~!」
だだだ大事件って何だよ?混乱し過ぎだろ…少し落ち着け。
俺は妹に井戸で汲んできた水を渡してやる。
ウスィーは、勢い込んでゴクゴクと水を一気に飲み干すと、
「ぷはぁ~~~。美味いっ!生き返るっ!」
と、言うと豪快にコップを机に置いた。
って、お前は何処のオヤジだ!?若い娘が、何故そんなに行動の端々からオヤジ臭がするのか?不思議でしょうがない……。
「はっ!一息ついてる場合じゃないんだよっ!大事件なんだってばっ!」
「何がだ~?ロブさんが奥さんのキャシーさんと喧嘩して、また壁にめり込んだとか、ミリーの家のジジ婆さんが、熊を素手で葬り去ったとか、そんなしょうもない事件なんだろ?」
俺の妹は噂話が大好きで、根も葉もない噂話を聞き付けては、いつも俺に嬉々として伝えに来る為、慣れっこなのである。
何時もの事だと、聞き流そうとしていた俺に妹の次の台詞は、俺の精神に会心の一撃を叩き込む…。
「だから、大事件だって言ってるでしょ?お兄ちゃんの片想いの君、領主様の一人娘のツェツィーリア様に、侯爵家から縁談が来たってよ?」
「……………………………………………………」
はあっ?ななな何故だっ?事実なのか?ウスィーの顔を伺うが、嘘は付いていない様子だ。
ま、まあ告白も…会話すらもまともに出来ない俺には、結婚を申し込む事すら叶わないってのは分かっていた事だが…。
彼女は曲がりなりにも、子爵家令嬢だ…。いずれ何処かに嫁ぐとしても、近場……近くの同じ様な子爵家や、男爵家に嫁ぐものだと、勝手に考えて居た。
それがまさか、雲の上の階級の侯爵家……とは……。もう二度と会えなくなるんじゃ?いや、姿さえも見ることが叶わなくなるのでは……?
俺は大混乱に陥って居た。そんな俺の姿に憐れんだのか、ウスィーが俺の肩を労るように撫でながら、こう囁いて来た。
「残念ながら、ここでお兄ちゃんの片想いは終了だね…。そろそろ現実を見ようか?ツェツィーリア様の事は、この際スッパリ諦めな!」
労るように、止めを刺しに来やがった……。鬼か?
***
混乱が修まると、今度は現実が俺を押し潰しに来る。大失恋…。二度と会えない…。考え出すと止まらず、膝を抱えてしくしく泣き出した俺にウスィーは、飽きたのかいつの間にか部屋から消えていた。
俺は一月の間膝を抱えて過ごし、ツェツィーリア様のお輿入れの見送りすら、行かなかったのであった。
吹っ切れるまで、時間は掛かりそうである。
要約すると、ツェリに恋するジミーが、人知れず失恋してただけの話です。
色々設定を盛り込むつもりでしたが、果てしなく長くなりそうだったので省きました。
逆にスッキリし過ぎてしまった感がありますが……。




