根拠の無い閃きが、とんでもない結果になる可能性を孕む……かも知れない
一発書きの為、誤字脱字が多々御座います事を、この場にて謝罪致します。
アルビオレの手のひらの傷口は既にカサブタになっており、利き手では無かったことに私は安堵していた。
「良かった……ごめんね、痛かったでしょ?」
「まあな、だがそんなに謝られるほどでは無い…。それにしても……お前…言葉使いが、最初の方と違くないか?」
ギクッ……昨夜は気付かなかった癖に……今は気付いたの?
「ええ、貴方に対しては敬語は使わなくて良いかなぁ~と思って、駄目だった?」
だって尊敬出来ないし……なんて言わないけどね?
「まあ、堅苦しい言葉で喋られるのは好かんから良いが、公式の場で…主に目上の家柄の者の前では、ちゃんと丁寧な言葉で話せよ?日頃から使用して無いと、いざという時に出てしまうぞ?」
「あら?経験者は語るって奴かしら?」
私がそう言ってニヤリと笑うと、アルビオレは米神に青筋を浮かべて睨んで来た。
「…………そうだ私的な場だったが、王族の方に生意気な口をきいてしまった事がある。あの時は父上に散々叱られた………。だから、注意するんだな」
ありゃ…素直に自分の失敗談を語るわね?マオカにも素直に謝ってたし、悪い奴では無いのね……どうでもいいけど。
そろそろ服を着たいのよねぇ…。上半身裸のままだし、毛布とパンツしか装着して無いって………私今、変態ルックじゃない?部屋の中ならセーフよね?きっと。
「アルビオレの言う通り、公式な場所では充分に注意するわ。それで…私は衣装を着たいのだけど、良いかしら?」
私がそう告げるとアルビオレが、勢い良く立ち上がり早足で部屋から出て行ってしまった。
顔が赤かったが、どうかしたのかね?
アルビオレの事は一先ず置いておいて、マオカに服を着せてもらう事にしようと思って居たのだが、そのマオカがどこにも居ない。
部屋や、続き部屋、廊下を捜したが近くには居ない。何時の間に居なくなったのか……部屋から出ていったのすら、気付かなかった私は鈍いのかしら?
どうしよう…貴族の女性の衣装って基本的にドレスだから、一人じゃ着れないし……。
寝室の隣の十五帖ほどの広さのウォークインクローゼットの中をあっちをゴソゴソ、こっちをガサガサ物色していると、隅の方に私が実家の子爵家より持ってきた怪しげな色合いの衣装箱が、置いてある。
運が良かった~。この服ならズボンだから簡単に着られるので、一人でも大丈夫ね!うん、楽チンだわ…男の子の格好は………。
貧乏子爵家+農作業+汚れても大丈夫な格好=男の子の服。
悲しくも解りやすい図式でしょ?
髪型も頭の後ろに団子状に纏めてくくり、日差し対策に帽子を被れば……うん……どこから見ても男の子の完成よ!
……私は身長が二十歳の割に低いし、胸は………うん自分で言っていて虚しくなるから止め止め!!
いざ、行かん!子爵領へ!
まあ、子爵領と言っても村二つ分しか無いけれど。町の町長とかの方が全然良い暮らしが出来る位だけど。
その代わり領内は一致団結して、暮らしていてとっても領民達の仲は良いのだけどね?
私はスキップしそうな足取りで、外に出ようとしたのですが、待ったをかけてくる奴が居る。
それは私のお腹であった。グルグル鳴っていて、お腹にモンスターでも居るのかと疑ってしまう程である。
どうすべきか……少し考えて閃いた。調理をしている場所…そうだ!厨房から食べ物をちょろまかそう…と。丁度時間はお昼時である。
私は昨夜の記憶を頼りに、フラフラと歩きながら食堂を探す事にした。きっと食堂の近くに厨房が在る…筈だ。
フラフラ歩いていると、前方から私と同じ位の身長の少年が歩いて来る。私は内心でニヤリと笑って居た。この少年に厨房の場所を聞けば良いのでは?と思ったからだ。
声を掛けようとすると、少年の方から話し掛けて来た。
「ねぇ、君………新しく入った見習いか何かかな?頼みたい事が在るんだけど、良いかな?」
「良いかな?」って聞いてるけど、断れん圧力を漂わせながら聞いて来るな、この少年。
内心君は誰だよ?っと思っているが、顔に出さない様にする………筈が直ぐにバレた。何故だろう?
「嫌なの?まさかね?僕の事は知っているでしょ?姉さんに言ったら、君なんか即解雇だよ?」
おい少年よ……誰かは知らんが、とんだワガママボーイだな?私のワガママストマック(胃)とタメ張るぐらいだぞ?
「返事位はしなよっ!見習いだからって許さないぞっ…………」
その時タイミング良く(?)私のワガママストマックが、抗議の音を辺りに響き渡らせた。
グギョルルル~ガルルルル~……グギュウ~。
「………………………………………………」
「………………………………………………」
一瞬時が止まった。少年と私は二人とも、私のお腹に視線を向けたその直後二人して笑い転げたのである。涙まで流す程の大笑いであった。
笑いの波が修まるのを待って、少年が話掛けて来る。
「アハハ…君のお腹…何か居るんじゃない?こんなに凄い音、聴いた事が無いよ~!嫌がったのは、そう言うことだったんだね?ククク…今回は君のお腹に免じて許すよ。じゃあね」
どうやら許してくれた様だが、結局誰だったんだろうか?
少年は歩き去ろうとしていたのだが、ピタリと止まるとこちらを振り返り、
「君……名前は?」
「人の名を聞くときは、まずは自分からってのが常識でしょ?」
私は当たり前の事を言った積もりだったのですが、少年は不満そうな表情をしつつも、答えてくれた。
「…………ふん。僕はノヴァだよ。で、君は?」
「ツェッ………」
おっと危なっ!今、男の子の格好だったよ。私の名前を言うところだった。
う~ん丁度良い名前が思い浮かばない……う~ん……あっそうだ!弟のメヨーヨの名を借りよう。名案だね♪
「ぼ…僕の名前はメヨーヨだよ!」
少年改め、ノヴァは嬉しそうに手を振ると「じゃあまたなっ」と言って今度こそ歩いて行ってしまった。
何か忘れて居るんじゃ無いだろうか?ノヴァ……その名前に聞き覚えが有るような、無いような………。
うん、思い出せないからまぁいっか。それよりも私のお腹だよっ!問題はっ!!早く厨房に忍び混んで、ご飯をちょろまかさねばっ!
ノヴァ………この名前をどこで聴いたかのか、思い出さなかった事を私は後々後悔する事になる。
前回の後書きで書いたファイアーエ○ブレム闇ですが、クリアしたら覚醒がやりたくなりまして…。
そして、何気に農作業服着用している主人公に対して、ノヴァよ……良くも見習いと判断したな?自分に不都合な事は見ないタイプです。作者もです。だから、突っ込まないで頂きたい。緩くてスイマセン。