第20話〜最強伝説の幕開け〜
叫んでみると。
ボクの周りで、紫色の光がビカビカと光り始めた。キタぜキタぜキタぜキタぜぇー!!
「【暁闇の勇者、ゴマ】!!」
前足と後ろ足が、自由に動く! 右前足には、“暗黒剣・ニャインライヴ”が、体には、青紫色の鎧が装備される!
「……フン」
ライムが、太い前足をブンと振った。すると、周りの地面から土の塊がいくつも盛り上がったかと思うと、ウニョーンとひとりでに形を変えていった。
土の塊は、ボクと同じぐらいの背丈の、人形のような形になった。その姿を見て、すぐに分かった。
夢で見た、泥人形だ――!
「やれ、【クレイ・ゴーレムソルジャー】」
ライムの号令で、何十体もの|クレイ・ゴーレムソルジャー《泥人形》どもが、一斉にボクの方へ向かってきた。
だが、こんニャ奴ら、敵じゃねえ。
むしろストレス発散にちょうどイイぜ。
「ライム、見てやがれ!」
ボクはまた地面を蹴って、白み始めた空を目がけて跳び上がった。
見下ろすと、公園の地面に泥人形どもが100体近くいて、キョロキョロとボクを探してたり、何匹かで固まってソールさんたちを襲おうとしていたりするのが見えた。
「【デス・アースクエイク】!!」
“暗黒剣・ニャインライヴ”の刃先を泥人形の群れに向けて、一気にダイブする。風が刃のようにボクの体の周りに吹きつけて、地面が迫ってくる。
“暗黒剣・ニャインライヴ”は、近くにいた泥人形どもを巻き込んで、地面にブッ刺さった。
土煙が立つと同時に破裂音が響いて、地面がカミナリみてえに割れていく。
ボクはすぐにダッシュして、その場を離れた。
「……す、凄いぞ、ゴマくん!」
「ゴマ……!」
ソールさんと母ちゃんが、ボクの方へ駆け寄って来る。
割れた地面から見える真っ黒い谷底へ、泥人形の大群が塵みてえに吸われていく――。
最後の1匹が谷底へ落っこちた後、割れた地面が元に戻っていく。気付けば、まるで何事もなかったかのように、元の公園の景色に戻っていた。
「見たかよ、母ちゃん、ソールさん! このままライムもぶっ潰してやるぜ!!」
「待ってください、ゴマ!」
「ゴマくん、止まるんだ!」
このままライムに、ネズミたちが受けた痛みを、味わわせてやる!!
ボクはもう一度、跳び上がった。
ライムはその場から一歩も動かず、ボクを見上げながら、眼帯をしてない方の目を細めてやがる。
ケガしねえ程度に痛めつけて、タイタンやスピカみてえにローブでグルグル巻きにしてやろう。
「喰らえ、ライム!! “ダークブレイク”!!」
ボクはライムの近くの地面を狙って、“暗黒剣・ニャインライヴ”を構えながら、急降下した。




