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もふもふにゃんこ ゴマくんの冒険記  作者: 戸田 猫丸
第3部〜ニャンバリアンの侵略編〜
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第18話〜悪の根源、現る〜


 そうだ。ライムを迎え撃つ前に。


「なあ、ソールさん」

「どうした? ゴマくん」

「さっきの合体必殺技を使うと、“転身”が解けるんだろ? でもボク(ニャニ)もしてねえのに、ボクまで“転身”が解けちまったんだ。(ニャン)でだ?」


 せっかく最強になれたのに、勝手に“転身”が解かれちまうのは面白くねえ。


「ああ。“転身”して戦うには、膨大な【宇宙エネルギー】が必要になるんだ。その力を扱いきれないと、体に大きな負担がかかる。ゴマくんの体はまだ宇宙エネルギーに慣れていないから、体を守るために“転身”が解かれたのだろう」

「聖なる星の光よ、我に愛の力を……! だっけ。あれ、(ニャニ)も起きないぞ?」

「再び“転身”できるようになるには、まだ時間がかかる。大丈夫、経験を積めば再び“転身”できるまでの時間も、“転身”をキープできる時間も長くなっていくはずだ。僕らだって、まだまだ宇宙エネルギーを扱う事には慣れてないんだ」

「ニャるほどな……。て事は、“転身”したらさっさと敵をブッ倒さねえとダメだな。“転身”が解かれちまう前に」

「ああ。そういう事だね」

 

 ソールさんとの話が終わってから、周りを見渡す。

 荒れちまった公園。疲れた様子の母ちゃんたち。震えているルナを守るメルさん、寝ているじゅじゅさん。ロープでグルグル巻きにされたタイタン、スピカ。そして、置かれたままの“ワームホール”――。


 妙に静かだ。銃声も悲鳴も聞こえなくなっている。もう、ニャンバラ軍はいねえのか?

 ……いや。

 スピカが言ってやがった。

 ライムが、もうすぐ戻って来るはずだと……。


「……ん?」

「どうした、ゴマくん?」

「ソールさん、気をつけてくれ!」

 

 茂みの方から殺気を感じるんだ。全身に寒気が走る。

 そして――。


「……ずっと見ていたぞ」


 ドスの利いた重たい声が、茂みから聞こえた。


「誰だ!?」


 ソールさんが声を上げた後、母ちゃんがビクッと体を震わせて一歩退がり、茂みの方を緊張した顔でジッと見つめた。

 

「新しい戦力が加わったみてえだが、今の星光団では、私に勝つことなどできまい」


 声の主が、茂みから姿を現した。

 そいつは、とにかく、デケえ三毛ネコだった。

 大人のネコより二回りほど、縦にも横にもデケえ体格。捕らえた“サターン”のデブトラネコのタイタンや、うちの大食いの姉貴――じゅじゅさんをも上回るデカさだ。歩くたびに、地響きが起こる。

 顔の上半分には、斜めに走る傷跡がある。黒い眼帯で片眼を隠している。もう片方の鋭い切れ長の赤い眼が、ギロリとボクらを睨む。棘だらけの赤く光る鎧が、全身を包んでいる。

 

「ライム……」


 母ちゃんが口にする。

 コイツが、母ちゃんのもう1匹の娘――メルさん、じゅじゅさんと一緒に三つ子で生まれた、ボクらの姉貴でもある――ライムなのか。

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