第6話〜“星光団”の活躍〜
「ルナ、大丈夫だからね。星光団は絶対勝つ。信じましょ」
「うん、メル姉ちゃん。僕、信じる!」
“星光団”と“サターン”の、激しい戦い。
ネコとは思えねえバカぢからと身のこなし。火を出したり冷たい空気を放ったり、呪文を唱えて岩を動かしたり、空間から光の弾を出したり……。
巻き込まれたら、ケガどころじゃ済まねえぞ。
「うおおおお!!」
剣同士のぶつかる音が、夜の公園に響いた。
激しく火花が飛び散って、そのたびに戦っている2匹の周りを明るく照らす。
「タイタンめ! 俺が相手だァ!! 喰らえ! うおおおおおッ!!」
“星光団”の戦士、マーズ――。
“サターン”のリーダーのタイタンが放った2本の剣の攻撃を素早くかわした後、マーズは大きな剣を振る。その剣からは、火が噴き出ていた。
「僕の妖術を喰らえ! 【奇術・毒液】!」
木の上から、また緑色のドロドロが降ってきた。妖術師のテティスって奴の仕業だ。空中で、どこからともなく緑色のドロドロが現れ、ソールめがけて降り注ぐ。
危ねえぞ、ソール!
「ソール、今防ぎます! 【ディスペル】!」
「えッ? 僕の妖術がかき消された……!?」
母ちゃん……いや、“星光団”の魔導士――ムーン。
何やらブツブツと呪文を唱えたと思ったら、テティスが空中から出したドロドロが、紫色の光に包まれて、一瞬で消えてしまった。
「ここは私が仕留める! 【ライトニング・アロー】!」
さっき母ちゃんとソールを攻撃した“サターン”の弓師ディオネは、またも電気をまとった矢を、木の上から大量に放った。
狙われてるのは……。
“星光団”のニンジャみたいな奴――マーキュリーだ!
「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!! 無ぅぅ理ぃぃぃぃー!!」
マーキュリーは泣き叫びながらも、ちっちゃな十字形の刃物をいくつかディオネに向かって投げつけた!
それが、2つ3つ、ディオネの体に突き刺さる。ディオネは痛さに飛び跳ね、木から落っこちた。さすがだ。
だが……!
「い゙や゙あ゙あ゙あ゙! 痛い痛い!! ヴィーナス、助けて! 私もうダメー!!」
マーキュリーも、電気矢をいくつか喰らってしまった。電気矢がスパークする。耳が破けそうなぐらいの音がして、目の前が真っ白になった。
おい、大丈夫ニャのか……!?
「フン。仕方ないわね。【ヒーリング・ライト】」
“星光団”の癒し手――ヴィーナスが、ステッキをかざすと……。
マーキュリーの周りに、ホタルが集まったようなやわらかい光が集まっていく。よく見ると、マーキュリーのケガが、みるみるうちに治っていくじゃねえか。
「あ……ありがとうヴィーナス! でも次食らうとダメかも……私たち負けちゃうかも……」
「マーキュリー、何でいつもいつもネガティブにしか考えられないの? ほら、早く立ちなさい」
「あう……ま……またネガティブになっちゃった……。私って本当ダメダメな“くの一”だ。うう……」
「だーかーらー! そういうのがネガティブなのって言ってるの!」
ゴタついてるマーキュリーとヴィーナスの所へ、マーズが吹っ飛ばされてきた。
「ぐわぁ!!」
「マーズ! 大丈夫ですか?」
後から、母ちゃんが駆け寄ってくる。マーズは、タイタンのタックルを喰らったみてえだ。
「みんな! 態勢を立て直そう。ヴィーナス、頼む!」
ソールも駆けつけて、全員に指令を出す。
ヴィーナスは、「仕方ないわね」とか言いながら、ステッキを高く掲げた。
「【ディヴァイン・ヒール】!」
空から、キラキラとした柔らかい光の粒が、雪のように舞い降りてくる。それらは“星光団”全員の体に吸い込まれていった。
“星光団”の全員のすり傷やら切り傷が、みるみるうにに消えていく。
「行くぞ! “星光団”、反撃だ! このまま一気に攻めて、“サターン”全員を捕縛するぞ!」
「「「「応!!」」」」
態勢を立て直した“星光団”が、再び“サターン”に立ち向かって行く。
その時だった――。
『……マ。ゴマ……我が声、聞こえるか……』
……この声は。
ネズミの家を飛び出した時に聞こえた、のしかかるような重い声――。
一体、誰だ? 誰がボクを呼んでるんだ?




