第7話〜待たせたな。最強のボク、爆誕だ!〜
ボクを呼ぶ謎の声は――。
「“星光団”、反撃だ! このまま一気に攻めるぞ!」
「「「「応ッ!」」」」
態勢を立て直した星光団の、それぞれの得意技が炸裂する音で、かき消されてしまった――。
星光団5匹の猛攻を浴びる、“サターン”の5匹。
勝てねえと思ったんだろう。サターンの奴らは、尻尾巻いて逃げて行く。
「クソっ、強え! おのれ、星光団め!」
「退却しろ! 早く“ワームホール”へ!」
ミマスが先頭になって“ワームホール”の方へ逃げようとすると、すぐにマーズが砂煙を上げながら追いかける。
「奴ら、逃げるぞ! ソール、先回りして“ワームホール”をブチ壊せ!」
「させるかああああ!!」
最後尾にいたタイタンがこっちを振り返ると、その場で高く跳び上がった。
「何ッ……!? みんな、気をつけろ!」
ズドオオオーーン!!
タイタンが、そのデカい体を地面に叩きつけた。
「ニャアアア!?」
「うわああ!!」
衝撃で、ボクは吹っ飛ばされた。
地面が震え、その辺の木々がへし折られる。岩が砕けて、土煙が舞う。
「ぐわああ!」
「いやああ! む……無理ィィィィ!」
ソールたちも、その場に転がり込んでしまっていた。その隙に、サターンの奴らは“ワームホール”の方へ逃げて行っちまう。
そうだ、メルさんたちは無事か……!?
「メルさんっ! じゅじゅさん! ルナ!! 大丈夫か!」
「わ、私は大丈夫! ルナも、じゅじゅが守ってくれたわ!」
じゅじゅさんの脂肪だらけの体に、ルナはしっかりと守られていた。
「いっぱい食べといて、良かった〜」
「じゅじゅ姉ちゃん、ありがとう……」
ホッとしたボクは、再び星光団の方に目をやる。
すぐに態勢を立て直した星光団の5匹は、再びタイタンに立ち向かって行く。
「無駄だ! もう一度【ジャイアント・インパクト】をお見舞いして、テメェら全員ブッ潰してやる!」
「クッ……! まずいぞ。あんなのを連発されたら……!」
ボクは、タイタンのよく動きを見てみた。
奴は案外、隙だらけだ。油断しているのか、それとも、じゅじゅさんに負けず劣らずの脂肪が仇になってやがんのか。
変身、いや、“転身”だっけ。
そんな事できなくたって……!
ボクも、戦うぞ。
(喰らえデブネコ、その尻尾に噛みついてやる……!)
狙いを定めた、その時――。
『……ゴマ、ゴマよ』
まただ!
誰ニャンだ、さっきから……!
『ゴマよ。ようやく我が声、届いたか……。今こそ、そなたの力……解放せん』
頭の中に響いてくるような、重たく低い声。ミランダ……じゃねえよな……?
――とか考えてるうちに、ボクの周りが青紫色に輝き始めた。
いや、違う。
「……何だ!? 何が起きてるんだ!!」
ボク自身の体が、青紫色に輝き始めてるんだ――!
『……我が名は【アストライオス】。“星光団”の【守護神】なり。我が暁闇の力、そなたに授けん。正義の心を忘れず、悪に立ち向かうべし。正しき力を行使したと自覚せし時……我の元を訪れよ』
何言ってるかさっぱり分かんねえが、それよりもボクの体が、どんどん熱くなっていって……!
ど……どうすりゃイイんだ!?
『さあ、唱えるのだ。“聖なる星の光よ、我に愛の力を”と!』
「せ、せいなるほしのひかりよ! われにあいのちからをおおお!?」
夢中でボクは口にした。
その瞬間だ。
紫色に輝く稲妻のような光が、ボクを包んだ。
この感覚……、間違いねえ。
ついに――!
「【暁闇の勇者、ゴマ】!!」
無意識に言っていた。
前足の先が、自由に動く。見ると、右前足にドデカい剣を持っていることに気付いた。同時に、頭の中に【暗黒剣・ニャインライヴ】って名前が浮かんだ。
続いて、分厚い青紫色の鎧が、一瞬にして装備された。全然重くなくて、むしろ前よりもずっと身軽だ。
夢が、現実になったんだ――! 体に、力がみなぎってくるぜ!!
“暁闇の勇者、ゴマ”、誕生だ!!




