第5話〜もふネコ戦隊・星光団〜
地面に倒れている母ちゃん。さっきまで身につけていた紫色の帽子や服が、消えてなくなって、地味な紫色のドレスに変わっている。ちなみに、それまで着ていたキラキラした丈の長え紫色の服は、メルさんが言うには【ローブ】っていうらしい。
同じくソールも地面に転がっているが、銀色の頑丈そうな鎧が、どっかに消えてなくなって、白いTシャツに青いズボンを穿いた姿に変わっていた。
「ああ、【転身】が解けちゃったわ!」
「ん? メルさん、母ちゃんたちに何が起きたんだ?」
「“星光団”は、“転身”することで戦闘能力を強化するの。でも、敵の攻撃の当たりどころが悪かったりしたら、“転身”は解けてしまうのよ! 早く母さんの仲間が来てくれなきゃ、母さんもソールさんも危ないわ……!」
こうしてる間にも、タイタンは2本の剣を、エンケラドスはデカい斧をそれぞれ構えながら、母ちゃんとソールにジリジリと迫っていく。
「母ちゃん!」
「大丈夫、ゴマ。母さんたちと、仲間を信じて!」
ガサッ!
後ろの茂みから、また音がした。新手が来たのかも知れねえ。クソ、こんニャ時に!
こうなりゃボクが、テメエらをズタズタにしてやる!
茂みの方に向かって、ボクは全身の毛を逆立てた。
「フーッ! シャーッ!!」
「ゴマ、待って!」
「止めるな、メルさん!」
「違うのよ! 母さんの仲間が……来てくれたのよ!」
茂みから現れたのは、3匹のネコだった。
「待たせたな! ソール、ムーン! 俺が来たからには、もう大丈夫だぜ!」
「こ……この林……、思ってたより道が入り組んでたの……。私疲れた……。もう無理……」
「フン! 苦戦してるみたいだから、来てあげたわよ」
赤いシャツに赤い短パンを着た、茶トラの♂。
頭にハチマキを巻き、黒い衣を着て、腰に水色の帯を巻いている、サバトラの♀。
キラキラと光るドレスに身を包んだ、三毛ネコの♀。
コイツらは、母ちゃんたちの仲間らしい。という事は、“星光団”のメンバーなのか?
夢で見た“星光団”のメンバーの姿とは、ちょっと違う気がするんだが。
「マーズ! ヴィーナス! マーキュリー! みんな来てくれたか! よし、みんな、“転身”するぞ!」
ソールが立ち上がって言うと、他の4匹が「おう!」と声を揃えた。
ソールが、何やらポーズをとり始めた。
「メルさん、もしかして……」
「そう、これでみんな、揃ったのよ」
ソール、母ちゃん、そして後から来た3匹が、空に向かって右前足を高く掲げ、声を揃える。
「「「「「聖なる星の光よ、我に愛の力を!」」」」」
うわわ、眩しい!
空から、お日様のような真っ白い光が伸びてきて、5匹を包み込んだ。
眩い光を放ちながら、5匹は順番にポーズをとって、名を名乗って行く。
「【天光の騎士・ソール】!」
「【望月の魔導士・ムーン】!」
「【灼焔の戦士・マーズ】!」
「【六華の忍び・マーキュリー】!」
「【啓明の癒し手・ヴィーナス】!」
光に包まれた5匹は、一瞬で姿を変えた。
ソールは、銀色に輝く鎧に、剣と盾を。
母ちゃんは、紫色のとんがり帽子に紫色の衣、宝石をあしらった杖を。
茶トラのマーズは、デッカい剣に、真っ赤な鎧を。
サバトラのマーキュリーは、水色のハチマキに水色の短い衣、青く長い帯を。
三毛ネコのヴィーナスは、金色の筒のような帽子に、キラキラと金色に光る丈の長いドレス、そしてこれまた金色に光るステッキを――。
それぞれ、装備した。
それは、夢で見た“星光団”――そのままの姿だった。
“転身”した5匹は1ヶ所に集まって、ビシッとポーズを決めた。
「「「「「【もふネコ戦隊・星光団】!!」」」」」
ソールは、持っている剣を前にかざしながら言った。
「“ニャンバラ軍偵察部隊・サターン”! このネズミさんの世界を侵略する事は、許さないぞ!」
“もふネコ戦隊・星光団”VS“ニャンバラ軍偵察部隊・サターン”の戦いが、始まる――!




