第4話〜“サターン”の襲撃〜
「ダッセぇ……」
思わず言っちまった。
何がやりてえんだ、コイツら……。1匹、何か立ち位置がズレてて、ポーズもビミョーに決まってねえし。
「おいガキ、今、ダサいっつったな」
あ、聞こえてやがった……。
リーダーのデブトラネコ、タイタンが剣の先をボクに向けた。
「あのガキを潰せ!」
「……ああ」
白黒柄の、青い鎧をまとった、エンケラドスって奴が、一瞬で間合いを詰めて、デケェ斧で斬りかかってきやがった!
「ゴマ! 危ない!!」
ガキンと音がする。
振り向くと、母ちゃんが、エンケラドスの斧を杖で止めてくれている。
「ゴマ! 早く逃げてください!」
「母ちゃん、すまねえ!」
ボクは、心配そうな目でこっちを見てるメルさんたちの方へダッシュした。
「ゴマ、こっちよ。ここなら安全だわ」
「メルさん、ルナは?」
「大丈夫、じゅじゅが守ってくれてる」
ルナは泣きながら、じゅじゅさんに頭をこすりつけてガクガク震えている。ボクはそっとルナの背をさすってやった。
後ろから、ソールの声が聞こえる。
「大丈夫か、ムーン! もう少しで、【マーキュリー】たちも駆けつけるはずだ!」
「ええ。【マーズ】、【ヴィーナス】も一緒に来るといいのですが……。それまで耐えましょう」
また、激しい戦闘音が聞こえた。
目をやると。
エンケラドスの近くにいた母ちゃんが、一瞬でパッと姿を消したじゃねえか。
……と思ったら、次はエンケラドスの背後にパッと姿を現した。
瞬間移動だと……!?
「覚悟してください!」
母ちゃんが叫んで杖をかざすと、紫色に光る玉が3つ、空中に現れた。
光る玉は次々とエンケラドスの顔面に叩きつけられ、眩しい光と共に弾け飛んだ。
「ぐ……!」
エンケラドスが苦しそうな声を出しながら斧を落として、地面に転がる。
いいぞ母ちゃん!
……と、今度は母ちゃんの頭の上から、白い煙を上げながらブキミな緑色の液体が降ってきた。
上を見ると、濃い緑色の衣を羽織ったサバトラネコ――テティスって奴が、緑色に怪しく光る細長い杖を構えている。
杖が放つ光の中から、ドロっとした緑色の液体が出てきて、下に落ちて行っている。
「危ないぞ、ムーン!」
ソールが、持っている剣を光らせながら一振りする。降ってきたドロドロの液体は、全て上へと跳ね返された。
「助かりました、ソール」
「あれは毒液だ。マズいぞ、このままだと押される一方だ」
別の木にも、何者かがいる。
白いチビネコの、ディオネって奴だ。木の上からソールたちを狙って、弓矢を構えている。その矢は、バチバチと音を立てて、ビカビカと光っていた。電気が流れてるのか?
……と考えてたら、矢を放ちやがった! 2発だ!
「母ちゃん! 危ねえ!!」
声は届かなかった。
母ちゃんとソールは、電気の矢を1本ずつ、まともに喰らった――!
「うわあああ!?」
「ああっ!!」
ビシャーンと雷が落ちたみてえな音が、ボクの耳を貫いた。同時に、青白い光が辺りを照らした。思わず目を覆う。
「母ちゃん……!!」
恐る恐る目をあけて、母ちゃんの方を見てみた。




