第36話〜“ニャンバリアン”の企み〜
ネズミたちもボクらもみんな、母ちゃんの話に耳を傾けた。
「ふむ、ゆっくりお話してもらえますかのう?」
ネズミのじいちゃんのダンがそう言うと、母ちゃんはちょっとの間、下を向いて考え込むような仕草をしてから、話し始めた。
「……お話しする前に、ゴマ、ルナ、聞いてください。ネズミさん方は、少々お待ちくださいね」
母ちゃんは、どこかから杖を取り出した。木でできた杖の先に、紫色の石が埋め込まれている。その杖が突然、黄金色にピカッと光った。
その光の色は、ミランダが飛び回る時にまき散らす光と、同じ色だった。
「私の“魔法”を使えば、体の大きさも自由自在に変えられますし、また半永久的に2足歩行でいられます。4足歩行に戻りたい時も、先ほどユキにも言ったとおり、私が戻してさしあげます。メルたちもみんな私の魔法をかけてありますから、安心なさい。さあゴマ、ルナ。魔法をかけてあげますから、こちらにいらっしゃい」
ボクが聞く前に、母ちゃんは“魔法”について説明してくれた。
ミランダも確か、同じように“魔法”で半永久的に2足歩行のネズミサイズでいられるようにしてくれていた。母ちゃんも、同じような力が使えるって事か。
……って事は、メルさんたちも半永久的に2足歩行のネズミサイズでいられるって事ニャのか。
母ちゃん、いったい何者ニャんだろう。
「ゴマ? こちらにいらっしゃい」
「あ、母ちゃんすまねえ、ちょっと考え事してた。一応ボクもルナも、ミランダって奴に同じ魔法をかけられてるから、多分大丈夫だ」
「そうですか。私は他にも色々な魔法が使えますから、困った時は言ってくださいね」
母ちゃんは表情を引き締めて、ネズミたちの方に向き直った。
「さて、結論から申し上げます。ここネズミさんたちの住まう世界を……」
厳しい顔をする母ちゃんと、ポカンとした顔をしてるネズミたち。
いったい、どんな事を告げられるんだろうか。
「ネズミさんたちが住まう世界を、地底に棲みしネコ……【ニャンバリアン】が、軍隊を引き連れて、侵略しようとしております」
衝撃の事実が告げられた。
この平和なネズミの世界を、侵略しようとしている奴らがいる!
「おい、ルナ!」
「……うん、間違いない」
そう、地底に住むネコと言えば――ニャンバラの奴らだ。だから“ニャンバリアン”なのか。
プレアデスの野郎も、プルートのジジイも、ネズミたちの住む世界の侵略のために、ボクらを利用してたって事だったのか――?
「シンリャク……、とは、何ぞや?」
「この世界に、何が起きるんですか?」
何の事か分からねえって顔をして、ネズミの大人たちが母ちゃんに尋ねた。
ネズミたちは、戦争とか、きっと知らねえんだろう。こんなにも平和な世界ニャんだ。そうであってもおかしくはねえ。
母ちゃんはまた下を向いて何かを考えてから、話し始めた。
「ここは、あるニンゲンが描いた理想の世界が、具現化した世界なんです」




