第34話〜衝撃の発表〜
「ゴマ、お前からいけよ」
ポコが小声で言ってきた。
しゃあねえ。面倒な事はさっさと終わらせたいから、ポコの言う通り、先陣を切る事にするか。
「じゃ……じゃあボクから行くぜ」
「ちゃんとハキハキ言うのよ」
「メルさん、ボ……ボクはもうガキじゃねえんだから!」
そう言いながらも、こういうの初めてだから、やっぱりちょっと緊張しちまう。
ボクは立ち上がって大きく息を吸って、ジッとこっちを見つめるネズミたちの様子を見回してから、自己紹介を始めてみた。
「……ネ、ネコの【ゴマ】だ。種族は違うが、お前らとなら一緒にやっていけそうだ。……んと、そーだな……」
ネズミどもの視線が気になって、言おうと思ってた事がブッ飛んぢまった。
クソ、何とか言葉をつないでいかなきゃ……!
「ボ、ボボボボボクは、冒険が生きがいなんだ! だから本物の冒険がしたければ、ボクがテメエらに教えてやるよ! ボクらのキョーダイも面白え奴ばっかりなんだ。まあ、仲良くしてくれ。よ、よろしくニャ!」
「うん! よろしくね、ゴマくん! 拍手ー!」
ネズミの父ちゃんのピーターをはじめ、みんなちゃんと拍手してくれた。ボクらの家族も拍手してくれてるが、「ボフボフッ」て音がしてて何か気が抜けるな……って、そんな事はどーでもイイ。
何というか、この感覚……。ちょっと、くすぐったいぜ。
「ゴーマー! そんな乱暴な言葉遣いだと、仲良くしてもらえないわよ」
「いいじゃねえかよ、メルさん……」
ここに来てまで、メルさんに小言を言われちまう。だが、それすら懐かしく感じるぜ。今はちゃんと目の前に、ボクの大事な家族がいる。それだけで十分だ。
続いて、ルナの番だ。
「【ルナ】です。僕らの家族では末っ子だけど、立派なお兄ちゃんになりたくて頑張ってます。よろしくお願いします!」
「ルナの方が自己紹介上手じゃん」
ポコがまた、小声でからかってきやがる。ムカつくぜ。ポコの奴は怖がりの意気地なしのくせに、こういう時だけ口出してきやがるんだ。
「うるせえな。ボクはそうやって誰かと比べられるのが嫌いなんだよ。次はポコ、お前だろ! 早くしやがれ」
「へいへい。……えっと、黒ネコの【ポコ】です。横にいるユキは、僕の、大切な彼女です」
一斉に、ユキに視線が集まった。
ユキは恥ずかしそうに、前足で顔を洗うような仕草をしてやがる。
「おら、拍手しやがれ!」
我慢できなくなり、ボクはそう言った。
ネズミたちは拍手しながら、
「これは、めでたいのう」
「お似合いだよー!」
「熱々だね、ふふふ」
ニャンて言ってやがる。いいぞ、もっと言ってやれ。
さて、次はすっかり照れちまったユキの番だ。ユキは、照れ臭そうにしながらも、いつものハキハキした口調で自己紹介を始めた。
「【ユキ】です。……実は、お腹に赤ちゃんがいて、もうすぐ生まれるんです」
ん?
何? い、今、何と――!?




