第17話〜伝言〜
ミランダの魔法とやらで、もっと色々できねえだろうか。
考えてると、金色の光をまとったミランダが目の前に近づいてきた。
「“ワープゲート”を出すのはまだ無理だけど、あなたたちの家族に伝言を送るくらいなら、できるわよ!」
ミランダの方から提案してきた。
家族に伝言を送る……?
「家族って……メルさんたちにか?」
「メル姉ちゃん、じゅじゅ姉ちゃん、ユキ、ポコに、僕らがネズミさんの世界にいるって事、伝えられるの?」
「遠い場所にいる相手へ、あなたたちが言いたい事を伝えるぐらいなら、お安い御用よッ☆」
それなら、早く伝えた方がイイ。
メルさん、絶対怒ってるはずだ。謹慎中にルナを連れ出して出掛けちまって、しかもまた行方知れずになっちまった訳だからな。
しかも、あのプレアデスの野郎に連れ出されたせいだ。ムカつくぜ。プレアデスもプルートのジジイも、一体何を企んでやがるんだ。もし次会ったらネコパンチでボコボコにしてやんだから。
ま、今はとりあえず、メルさんに謝まっとくか。
「おいルナ、何て伝えたらイイと思う?」
「……“メル姉ちゃん、ルナです。兄ちゃんも近くにいます。また勝手にいなくなってごめんなさい。実は、おとといの夜中に不審なネコさんに連れ出されて、今はそのネコさんともはぐれて、僕たち迷子になってます。詳しい事は、後で必ず話します。1つお願いなんですけど、いつもの集会する神社の奥にある森の開けた場所に、光る大きなドームと、そのそばに変な形のトンネルがあるかどうか、見に行ってくれませんか? 僕らはそのドームの中にいます” ……って、こう伝えてくれる? ミランダさん」
さすがだ、ルナ。
あのトンネル――“ワームホール”が無きゃ、ボクらは帰れねえ。
まあ、ミランダが“ワープゲート”とやらを使えるようになりゃあ“ワームホール”無しでも帰れるんだろうが、まだどんなモンなのかよく知らねえし、不安だ。ヘンな所に飛ばされるかも知れねえしな。
「わかったわ。※▲♪〆……」
ミランダはフワフワと宙に浮かびながら、聞いたこともないような言葉をまたブツブツ言っている。
「♀∞★……。はい、さっきのルナくんの声で、ちゃんと伝えておいたわよ」
「……本当にメルさんたちに伝わったのか?」
「メルちゃんって、三毛ネコの女の子よね? メルちゃんからの返事も、この場所に届くようにしたから」
ちゃんと伝えてくれたと信じよう。
……メルさんたち、多分ビックリしてるだろうな。多分、何も無え場所からいきなりルナの声が聞こえた、みたいになっただろうからな。
「光るドームとか変な形のトンネルとか、メルさん信じてくれるかなあ……」
ルナが不安そうに上を向いた、その時だ。
『……ゴマ、ルナ!? 無事なの!?』
メルさんの声だ!
もはや懐かしくさえ思えるメルさんの声が、どこかから聞こえてきた。
「メルさん! どこにいるんだ!? すまねえ、これには訳が」
『ねえ、ゴマ! 無事なら返事して! 光のドームって? ねえ、どこから話しかけてるの……? 神社の奥にある森へ行けばいいの!?』
「ってあれ? ボクの声、聞こえてねえのか」
ミランダがフワフワと浮かびながら、ボクのギモンに答える。
「直接は話せないわよ。でも、ちゃんと伝わったみたい。良かったわ」
「……ああ。無事を伝えられただけでも良かったぜ」
「だね、兄ちゃん。でもメル姉ちゃん、ちゃんと来てくれるかな……心配だけど……ふあーあ……」
ルナは眠そうだ。ボクもルナにつられて大きなあくびをしてから、ゴロンと寝転んだ。
ダメだ。ボクもめちゃくちゃ眠い。このまま眠っちまおう――。




