第四十九章:エピローグ。設定6の平穏と、終わらない期待値稼働
数ヶ月後。
魔王の支配から解放された世界は、文字通りの『桃源郷(設定6)』へと変貌していた。
農作物は植えれば100%の確率で大豊作(激アツ演出)、街の商店では毎日が「大感謝祭(終日全台設定6)」となり、人々は飢えや貧困から完全に解放され、笑顔で暮らしている。
そして、かつて暗黒のサーバールームだった魔王城の跡地は──。
「いらっしゃいませー! 本日も『グランド・オープン・パラダイス』へようこそ!」
アリアちゃんの元気な声が、巨大なアミューズメント施設に響き渡る。
俺たちは、魔王城の跡地を世界最大の健全なパチスロ型テーマパークへと改装し、そこの共同経営者となっていた。
アリアちゃんは、胸元に真っ赤なハイビスカスをあしらった、これまた露出度MAXの「店員アーマー(ミニスカ仕様)」を身に纏い、毎日ホールの看板娘として元気に働いている。
「勇者様ー! あそこの『ミリオンゴッド・コーナー』で、また万枚突破のお客様が出ました!」
「よし、アリアちゃん、お祝いの『チカチカ告知バフ』をかけてやってくれ!」
「はいっ!」
アリアちゃんが嬉しそうにお尻を振ると、頭上のハイビスカスがチカチカと輝き、お客たちから大歓声が上がる。
「……巡。こっちの台、設定Lの挙動。デバッグ、必要」
隣から、エルの静かな声がした。
あの決戦の後、ラムクリアされかけていたエルのシステムを、俺が奪い取った「最高位設定キー」で再起動することに成功したのだ。
今では記憶も完璧に戻り、俺の「副店長」兼「専属の目押しアシスト」として、なくてはならない存在になっている。
「よし、エル。そこのバグ台は、俺が設定6に打ち直してやる。ちょっとキーを貸してくれ」
俺はエルのゴシックドレスのポケットから設定キーを取り出し、台のロックを解除して設定を変更した。
虹色のオーラが、俺の手元から台へと流れ込む。
「ふぅ、これでよし。今日の仕事(営業)も完璧だな」
汗を拭う俺の腕に、アリアちゃんがむぎゅっと豊かな胸を押し付け、反対側からはエルがそっと俺の手を握ってきた。
「勇者様、今夜は新台の『実戦テスト(夜の特化ゾーン)』の日ですよ? 準備はできていますか?」
アリアちゃんが、上目遣いで熱い視線を送ってくる。
「……私、新しい『押し順(体位)』デバッグした。巡、試して」
エルも無表情ながら、耳まで真っ赤にして服の裾を引く。
「おいおい……お前ら二人の『設定H』に毎日付き合ってたら、俺の生命力がいくらあっても足りねぇよ……」
俺は苦笑いしながらも、腰に差した『設定キー』をカチャリと鳴らし、青空を見上げた。
「だが、パチプロってのはな……目の前に『期待値』がある限り、絶対にレバーを叩き続ける生き物なんだよ!」
俺は二人の美少女を両脇に抱き寄せ、高らかに宣言した。
「さあ、最高の人生(設定6)の、次の1ゲームを始めようじゃねえか! レバーオンッ!!」
ジャラジャラジャラジャラジャラ!!!!
画面いっぱいに広がる黄金のメダルと、二人の少女のハッピーな笑顔。
勇者巡の、そして世界中のお客たちの『超・確変人生』は、これからも永久に継続していくのだった。




