第三十九章:圧倒的蹂躙。GODフラグによる親衛隊の一掃
「フ、ハハハ……! ふざけるな! 確率がどうした、神がどうした! 私は魔王様直属の親衛隊長だぞぉぉぉ!」
神の拘束から辛うじて逃れたケルベロスが、狂乱状態で三つの頭を振り乱し、同時に極大の魔力ブレスを吐き出してきた。赤、青、黒の三色の炎が渦を巻き、空間をドロドロに溶かしながら俺に迫る。
「無駄だ。GOD Game(GG)中の俺は、すべてのダメージを無効化(無敵状態)にする」
俺は聖剣すら構えず、ただゆっくりと歩みを進めた。
迫り来る三色の獄炎は、俺の身体に触れた瞬間に「キィィン、チャリン」と心地よいメダルの払い出し音と共に、ただの光の塵へと分解されて消え去っていく。
「ば、馬鹿な!? 我が渾身のブレスが、メダル(魔石)に変換されているだとぉぉぉ!?」
「神の領域じゃなぁ、敵の攻撃すらただの出玉の契機なんだよ。さあ、1セット目の上乗せ、いただくぜ!」
俺は一瞬でケルベロスの懐へと踏み込み、黄金に輝く剣を横一文字に薙ぎ払った。
ズバァァァッ!!!
「ギ、ギャァァァァッ!?」
右の頭が、首の根元から一刀両断された。
切断面から、ドロドロとした黒い血が噴き出すが、それは空中で即座に数千個の魔石へと姿を変え、ジャラジャラと床に転がっていく。
「まだ終わらねぇぞ! 2連撃(2セット目継続)!」
俺は返す刀で、今度は左の頭の顎を垂直にカチ上げた。
グシャベキッ!!!
「あがぁっ!? 脳が、脳が熔けるぅぅ!」
顎骨が粉々に砕け散り、肉片と脳漿が撒き散らされる。
その凄惨なグロテスクさすらも、黄金の光が強引に覆い隠し、すべてをまばゆい『払い出し演出』へと昇華させていく。
「ラストぉ! 右リールも停止だぁぁ!!」
俺は残された中央の頭の脳天に向けて、聖剣を真っ直ぐに突き立てた。
ドズスゥゥゥッ!!!
「魔王様……! この台(世界)の設定は……もう、狂って……っ」
ケルベロスの最後の頭が白目を剥き、全身が激しく痙攣する。
そして次の瞬間、親衛隊長の巨躯は、内側から限界を超えて膨らみ、光り輝くメダル(魔石)の山へと完全に爆発四散した。
『GG1セット目終了:獲得魔石 100,000個。残りストック:4セット』
「ハァ……圧倒的すぎる。これが1/8192の破壊力か」
俺は息一つ乱さず、聖剣をサヤに収めた。
足元には、数え切れないほどの超高純度魔石が敷き詰められている。アリアちゃんとエルが、呆然とそれを見つめていた。
「勇者様……私、なんだか神話のワンシーンを見ているようでした……」
「……巡、異次元。これが、完全確率の頂点」
「よし、魔石もさらに潤沢になった。このまま有利区間のない魔王の玉座へ突入するぞ!」
俺たちは、崩れ去ったケルベロスの残骸を越え、城の最深部へと足を進めた。




