第三十章:決戦前夜。聖女からの『確定演出(告白)』?
魔王城の手前、荒野のキャンプ地。
明日はいよいよ魔王城突入という日の夜、俺は一人、テントの中で『スロット・マニアック』の最終調整を行っていた。
パチスロにおいて、決戦前夜の静けさは『嵐の前の前兆(ガセ前兆か本前兆か)』の空気に似ている。
「ふぅ……明日は設定6で挑む。カンスト魔石があるから、設定変更も余裕だ」
その時、テントの入り口の布が、そっと開いた。
「……勇者様。まだ、起きていますか?」
入ってきたのは、パジャマ代わりの薄手のキャミソール一枚を身に纏ったアリアちゃんだった。
月光に照らされた彼女の肌はどこまでも白く、キャミソールの胸元からは、豊かな二つの果実の谷間が大きく覗いている。緊張のせいか、その先端が生地越しにツンと尖っているのが見えた。
「ア、アリアちゃん? どうしたんだ、こんな夜更けに」
「あの……明日が最後の戦いだと思うと、急に心臓がドキドキして、眠れなくなってしまって……」
アリアちゃんは俺のすぐ隣に座ると、シーツに置かれた俺の手の上に、自分の温かい手を重ねてきた。彼女の体温と、甘い花の香りがテントの中に充満する。
「私……ずっと、勇者様の後ろ姿を見てきました。
最初は、変な板を目の前に出してレバーばかり叩く変な人だと思っていましたけど……」
アリアちゃんが、潤んだ瞳で俺を見つめる。
「いつもピンチの時に、私を助けてくれる勇者様が、本当に格好良くて……。
私、もし明日無事に魔王を倒せたら……その時は……」
『ピキーン! 演出:聖女の「本命・告白カットイン(レインボー)」が発生!』
『期待度:100%(確定演出)』
脳内に響くシステム音が、これがガセではない本物の『確定演出(告白)』であることを告げていた。
「私を……勇者様の『マイホ(マイホーム)』に、一生、出入り禁止にしないで、ずっと隣に置いてください……っ!」
アリアちゃんは、感極まったように俺の胸に飛び込んできた。
キャミソール越しに伝わる、柔らかく温かい、そして激しく波打つ鼓動。
「アリアちゃん……。パチプロを一生一店舗のハウス(マイホ)に縛り付けるのは、なかなかのペナルティだけど……」
俺は彼女の細い腰を抱き寄せ、その耳元で囁いた。
「お前の『設定』なら、毎日朝一から並んででも打ち倒してやるよ。
──確定画面(お持ち帰り)、突入だ」
テントのランタンが消され、暗闇の中で、二人の甘く熱い「決戦前夜の特化ゾーン(初夜)」が静かに始まった。
明日の日の出と共に、魔王討伐への最終決戦(第3部)のレバーが叩かれる。




