第二十一章:新パーティ結成。目押しアシストのパッシブスキル
「エラーコード:E-01! 裏基盤、システムダウン……嘘、私の遠隔が……ッ!?」
フリーズの呪縛から解き放たれた俺の前で、異形の魔物『スロット・リリス』の液晶画面が激しく砂嵐を上げ、その豊満な肉体がガタガタと震え出した。
謎の少女エルの「設定L」が放つ強烈なデバッグエラーが、リリスの違法改造システムを内側から破壊しているのだ。
「テメェの台は営業停止だ。設定6の、本当の『払い出し』を見せてやるよ!」
俺は虹色のオーラを右腕に集め、脳内のストップボタンをビシィッ!とビタ押しした。
『ピキーン! 契機:純増10.0枚・確定役。恩恵:ハイパー・バースト・スラッシュ!』
「ぎゃあああああああッ!!」
俺の放った虹色の斬撃が、リリスのサキュバス上半身と、パチスロ筐体の下半身の『繋ぎ目』を真っ二つに両断した。
ドバァッ!!! と、潤滑油と混ざり合った赤黒い内臓と鮮血が砂舞台にぶちまけられる。
リリスは血の海に倒れ込み、上半身の肉体が痙攣しながらボロ布のように崩壊し、下半身の筐体はジャラジャラと大量の魔石を吐き出しながら爆発四散した。
「ハァ、ハァ……。ざまぁみやがれ、ボッタクリ台が」
俺は剣を収め、まずは床にへたり込んでいるアリアちゃんに駆け寄った。
ガトリングの弾丸で衣服が完全にミニスカ未満まで裂け、白い太ももや胸元が血と粘液で汚れている。
エロいというより痛々しい。
「アリアちゃん、大丈夫か?」
「は、はい……勇者様。なんとか、生きています……っ」
すぐに回復魔法をかけさせ、予備の防具(また少し露出度の高いやつだが背に腹は変えられん)を着替えさせる。
そして、俺は天井から降ってきた無表情の魔族の少女、エルに向き直った。
「おい、エルって言ったな。お前、さっき『設定L』って言ったか?」
「うん。私は魔王軍の実験で作られた失敗作。下パネルは常に消灯。座る(組む)だけで、その店の期待値を奈落の底に叩き落とす、呪われた存在……」
エルは自嘲気味に俯く。だが、俺は彼女の手をガシッと掴んだ。
「最高じゃねえか!!」
「……え?」
「パチプロってのはな、臨機応変が命なんだよ! お前のその『設定Lのエラー波動』があれば、敵のクソみたいな遠隔や裏モードを強制的にバグらせて解除できる! お前、俺のパーティに入れ!」
「私と組んだら、あなたの設定6の確率も落ちるかもしれないよ?」
「関係ねぇ、俺の引きでカバーする。それに、お前のステータス画面をよく見せてみろ」
俺がエルの『スロット・マニアック』の画面を覗き込むと、そこには設定L特有の、ある隠されたパッシブスキルが眠っていた。
【エル:パッシブスキル「アシスト・インジケーター」】
【効果:パーティメンバーの目押し猶予を3フレームから10フレームに拡大。
押し順ナビの視認性を極限まで高める】
「これ……完全な『目押しアシスト(アシスト機能)』じゃねえか! 技術介入の難易度が下がる!」
「私……役に立つ?」
「ああ、大当り(世界平和)への最高のピースだ!」
こうして、設定6の勇者、エロ可愛い聖女、そして設定Lのデバッグ少女という、前代未聞のチート(?)パーティが結成された。




