第十一章:中途半端が一番怖い。設定4の沼と無限ループの森
「……おかしくないか?」
森に入ってから、もう5時間が経過していた。
俺たちは、さっき倒したはずのアルラウネと、まったく同じ場所で再び対峙していた。
周りの景色も一歩も進んでいない。これぞ『無限ループの森』の結界だ。
「勇者様、またこの子です……。
倒しても倒しても、少し進むとまた同じ場所に戻ってきてしまいます」
アリアちゃんが、アルラウネの触手に何度も捕まり、その度に服を破られ、粘液まみれになりながら愚痴をこぼす。
彼女の肌はアルラウネの催淫性の粘液で赤く火照り、吐息も荒い。
エロいのだが、もう見飽きてきた。
「クスクス……無駄よ。この森の結界は、私を完全に消滅させない限り解けないわ」
アルラウネが、切り落とされた触手をグチャグチャと不気味な音を立てて再生させながら嘲笑う。
「クソッ、こっちの攻撃は当たってるんだ! なのに、一撃が軽すぎて仕留めきれねぇ!」
これぞ設定4の罠。
初当たり(戦闘開始)は軽い。10回に1回はチャンスが来る。
しかし、そこからの特化ゾーンへの昇格率や、一撃の威力が決定的に足りないのだ!
戦っては勝ち、少し進んでは結界で戻され、また戦う。
まさにパチスロのグラフが横ばいになる『もみ揉み状態』そのものだった。
「ハァ、ハァ……勇者様、もう魔力が……。
このままじゃ、じわじわと削られて、私の身体がこの植物の苗床にされちゃいます……ハァッ」
粘液の毒が回ってきたのか、アリアちゃんが俺にしがみつき、熱い吐息を首筋に吹き付けてくる。
「くそっ、このダラダラ展開、打ってる本人が一番精神的にキツいんだよ! 出るなら出る、出ないならハッキリ負けろ!」
俺のパチプロとしてのイライラが頂点に達する。
画面を見ると、俺のゲーム数はすでに『450G(450回のジリ貧バトル)』。
設定4は天井も深い。
このままダラダラと投資(魔力と体力)だけが削られていけば、ジリ貧で全滅する。
「やるしかねぇ……設定4の数少ない『一撃の薄いところ』を引くしかねぇんだよ!」
俺は、ハァハァとエロい声を漏らすアリアちゃんを左手で支えながら、右手で渾身のレバー強打を敢行した。
狙うは、設定4でも1%未満で突入する、上位ATへの格上げフラグのみ——!




