第十章:魔石を貯めていざ勝負! 念願の「設定4」の実力
ディーバを討伐したことで、俺たちの財布(魔石袋)は一気に膨れ上がった。
「数えてみよう……よし、全部で3,500個だ! さすが四天王、いい払い出しだったぜ!」
宿屋に戻り、新しい衣服に着替えたアリアちゃん(今度は少し露出の少ない、実戦向けのローブだ。ちょっと残念)と一緒に魔石を確認する。
『システム通知:現在の所持魔石:3,500個。設定変更が可能です。』
・設定4:必要魔石 2,000個
・設定5:必要魔石 5,000個
・設定6:必要魔石 10,000個
「くっ、設定6にはまだ遠いか。設定5にも届かない……。
だが、いつまでも設定1の地獄にいるわけにはいかねぇ。
よし、ここは『設定4』だ!」
パチスロにおける『設定4』。
それは俗に「プロ殺し」と呼ばれる。
一応は高設定の部類に入り、勝率はプラス。
しかし、出玉の波がとにかくマイルド、というか生殺し。
ちょっと勝っては飲まれ、気づけば1日打ってプラスマイナスゼロ、なんてことがザラにある「中途半端の極み」な設定だ。
「まあ、設定1に比べりゃ天国だろ! 変更、設定4!」
ポチッとボタンを押すと、俺のステータス画面がどんよりとした青から、穏やかな緑色に変化した。
「勇者様、なんだか雰囲気が変わりましたね?
昨日のような禍々しさもなく、かと言って一昨日のような圧倒的なオーラでもない……
なんというか、普通です」
「言うなアリアちゃん。これが『設定4』の空気感だ。
よし、このまま次の目的地、『無限ループの森』を突破するぞ!」
森の入り口に到着すると、さっそく植物型の魔物『アルラウネ』が姿を現した。
下半身は妖艶な根の触手、上半身は全裸の美女という、男を惑わすために生まれたような魔物だ。
「あら、美味しそうな男の子。私の触手で、とろとろになるまで絞り尽くしてあげる……」
ウネウネと動く触手が、粘液を滴らせながら俺の足元へ伸びてくる。
「設定4の初当たり性能、見せてやるよ! レバーオン!」
カチャ、タン・タン・タン。
『ピキーン! 契機:弱チェリー。当選:マイルドボーナス(小)』
「おっ、さすが設定4! レア役からの初当たりが軽い!」
俺の剣が緑色に輝き、アルラウネの触手をザクザクと切り刻んだ。
緑の体液がエロティックに飛び散り、アルラウネが「ああんっ!」と艶めかしい悲鳴を上げる。
「いける! これならサクサク進めるぜ!」
俺は確信した。……この時までは。




