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どうでもいい話と大事な話

観音(かのん)の家に通うようになってからの私は、園で、彼女と他の園児達とを比べるようになってしまってた。彼女が園に通ってた頃からもかなり比べてしまってたけど、家での観音(かのん)の様子を知ってからは、余計に。


そうすると、聞き分けのない子の保護者は、子供の言葉に耳を傾けてないっていう印象がさらに強くなった。それ以前からなんとなくそんな風に思ってたけど、実感として得られたんだ。


園児達を保護者が迎えに来た時なんかにも、親同士で雑談するのに夢中で、子供が声を掛けても面倒臭そうに、


『〇〇ちゃんと遊んでて』


とか言って追い払うか、


『はいはい、分かったから。はいはい』


って生返事するばっかりで、ちゃんと聞いてないんだよ。それで子供が自分を見てもらおうとして大きな声を出したりすると、


『大きな声出しちゃ迷惑でしょ!』


みたいに言ったりする。自分が話し掛けられてるのにちゃんと耳を貸さないのを棚に上げてね。


親がそういう態度なのに、自分がお説教するとなったら、


『人の話はちゃんと聞きなさい!』


とか言ったりしても、子供からしたら、


『こっちの話は聞かないクセに!』


って思われるだろうなっていうのをすごく感じた。こう言うと、きっと、


『どうでもいい話と大事な話を一緒にするな!』


的に反論するかもしれないけど、子供の話を<どうでもいい話>と軽んじてることが問題なんだって気付いてないんだろうなとしか思わない。そうやって相手を軽んじる姿勢を、子供も真似してるんだけどな。


だから私達保育士が声を掛けても、それを軽んじてるんだよね。


子供にとっては<大事な話>なのに<どうでもいい話>と軽んじる姿勢が、そのままうつっちゃってるんだ。保育士の話なんて、子供にとっては<どうでもいい話>だったりするから。


『<どうでもいい話>は聞かなくていい』


っていう姿勢を学び取っちゃってるんだと感じる。


その点、観音(かのん)は、何かに夢中になってると聞こえてないことはよくあったけど、聞こえたらちゃんと耳を傾けてくれてたよ。それは結局、ダンナやシッターさんが彼女の言葉にちゃんと耳を傾けてくれてたからだろうな。そのダンナやシッターさんの姿勢を真似てるんだ。


と言うか、それが彼女にとっての<普通>なんだと思う。


『自分にとってどうでもいい話なんて耳を傾けなくていい』


っていうのは、観音(かのん)にとっては普通じゃないんだ。


とにかくまずは耳を傾けて、その上で判断してるのが分かる。


確かに、子供の話って、大人からしたらものすごくくだらなくてどうでもいいものに思える。


でもね、『どうでもいいか』『どうでもよくないか』は、個人の主観なんだよ。


大人にとっては『どうでもいい』と思えても、子供にとっては大事な話だったりするんだよね。


私はそれを、観音(かのん)から改めて教わったんだ。



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