一番の友達
そんな彼女を認めてくれる人もいる。小学校低学年の頃から彼女の一番の友達だった、大上五月と、藤波真凛だ。
二人は、高学年になってもあどけなさが抜けない<ノリ>に他の子達がついていけなくなっても、彼女と親しくしてくれて、家にも、よく遊びに来ていた。誰かを貶したり貶めたりしない観音のその心根こそを好きになってくれて、二人の方も、観音の存在に癒やされてたみたいだね。
大上五月は、 背が高く短髪でボーイッシュな女の子だった。しかも、お兄さんが三人いてその影響を受けたのか、見た目以上に言動が男の子っぽかった。
一見しただけでも<ボーイッシュな女の子>って分かるくらいには女の子してるんだけど、知らない人が見たら、
『もしかしたら男の子……?』
って思ってしまうこともある程度には。
さらには、小学校の頃はまだそれほどでもなかったんだけど、中学に上がってから何か目覚めてしまったのか、やたら下ネタ(いや、<下ネタ>と言うか、小学生男子が好きそうな<ウンコチンチンネタ>と言った方がいいのかな?)に走るようになったそうで、観音もこれには困惑してたらしい。
ただ、『ノリが幼い』という意味では、さすがに<神音の同類>なのかな、とも思う。
で、いつものようにうちに遊びに来て、
「ウンコーッ!」
とか叫んで、「ゲタゲタゲタ!」と品のない笑い方をしてた。
なるほどこれは他の家じゃ眉を顰められるだろうな。
その点、私はそういうの気にしないから、平気だった。観音も、困惑しながらも、彼女が自分のことを認めてくれてるのは感じてて、嫌いにはなれなかったみたい。
そして、彼女が下ネタに走ると、
「やめろおーっ!」
とツッコむのがいつものパターンになってたのかな。
そして、藤波真凛の方は、つやつやの黒髪を胸の辺りまで伸ばして、フリルの付いたいかにも<女の子女の子した服>を好んで着てた、フェミニンな女の子だった。
とは言えこの子も、その言動はどこか<天然系>で、いわゆる<普通>とはズレてて、
『なるほど観音の友達だな』
と妙に納得させられるところはあったかな。
そんなこんなで、『ノリが普通じゃない』という点で他の子達からは距離を置かれてるっていう意味でも<似た者同士>なのかもしれない。
だからこそ、<癒し>を必要としてたんだろうな。
特に大上五月の方は、家族がどうもデリカシーに欠けるタイプみたいで、相手を傷付けるようなことを平気で口にするんだとか。
正直、デリカシーに欠ける印象のある大上五月自身がそう言うってことは、よっぽどなんだろうな。




