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他人の選択に口出しする人って

観音(かのん)は 自分をこの世に送り出した張本人である父親から、自分の存在そのものを百パーセント、肯定してもらっている。


だから彼女は他人を妬む必要がない。他人を羨む必要がない。他人と比べる必要がない。


確かに母親には捨てられたけど、それについては思うところもないわけでもないみたいだけど、もう一方の当事者である父親から存在を認められていることで、まあなんとか折り合いは付けられているみたい。


当然、いい気はしなくても、ひどく恨んだり憎んだりっていう必要も感じてないみたい。


まさしくこれが、たとえシングル家庭であっても子供がまっとうに育つことがあるっていうことのヒントになるんじゃないかな。


まあ、家庭より子供より仕事を選んで出て行って、それで養育費の一つも送ってこない、連絡の一つもよこさない、っていう母親についてはきっと批判もあると思う。


『なんで女性が養育費を払わなきゃいけないの?』


って意見もあると思うけど、男女平等を掲げるなら、家庭や子供より仕事を選んで父親に押し付けて行った場合くらいは、さすがに養育費を支払っても当然だと思うんだけどな。


ただ、これについては、彼の方が、


「彼女が家庭人や母親に向いていない人だということを分かっていて結婚し、子供まで作ったのは、あくまで僕自身の選択でもある。だから彼女に対しては、あれこれ言うつもりはないんだ」


きっと彼のこの判断に対しても、今度は、


『女に甘すぎる!』


って批判もあると思う。だけど当事者である彼自身がそう判断したのなら、他人がとやかく口出しすることじゃないと私は思ってる。思ってるから、私は口出ししない。彼の判断を私が強引に翻そうとするのは、それは彼の人格を蔑ろにしていることだと私は思う。


彼が母親の分まで全て負担すると決めたのなら、私はその選択を尊重するだけだ。


この私の決断についてもきっと批判はあるだろうな。でも、当事者の判断に難癖をつける人は、ただ難癖をつけたいだけだから、それに耳を傾けようとは思わない。煩わされようとは思わない。


『そんなこと言ってるから調子に乗る女がいるんだ!』


とか言われても、私自身が、ストーカーみたいな真似をする人間だからね。観音(かのん)の母親を責める資格があるとは思わないんだ。


それにだいたい、他人の選択に口出しする人って、口出しだけして責任は取らないからね。


加えて観音(かのん)の母親も、生半可な覚悟で家庭も子供も捨てて仕事を選んだわけじゃないと思うから、そういう意味でも、実はちょっと、『すごい人だな』と思わないでもないんだよね。



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