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内地にて 4

お待たせしました。

「そうだ。それを話すためにもう一人呼んである。そろそろ来るだろう。」


「もう一人ですか。」


一体だれだろうかと考える間もなくドアがノックされた。


コンコンッ


「噂をすれば、誰だ」


「矢野和哉です」


「入れ」


入って来たのは弟の和哉だった。

手には地図(?)を丸めたものと何かのノートを持っている。


「和哉、帰ってたのか。」


開戦時和哉は米国にいた。


「無事に大使たちと帰って来たよ。兄さん。」


失礼しますと言いつつ幕僚長の机に地図を広げた。


「帰国後、彼には君がいない間国内の整備や東南アジアの独立支援、外交に関すること、作戦の立案などなど手伝ってもらっている。」


「よく頑張ってるんだな。」


達哉は感心する。


「兄さんがいない時、私がしっかりしとかないとと思って頑張ってるよ。それよりインド洋作戦の作戦がある程度まとまりましたので説明します幕僚長。」


広げたインド洋の地図を三人は囲い和哉は説明を始める。


「まず今回の作戦主目的はインド洋にいる英国海軍東洋艦隊の撃滅し、インド洋の制海権確保です。副目的はビルマへの補給を絶ち、陸軍のビルマ攻略支援です。制海権さえ手に入れれば豪州封鎖も完成します。」


「して、その戦略は?」


大石幕僚長の質問に和哉はセイロン島を指差した。


「英国のインド洋最大の拠点であるセイロン島のコロンボとトリンコマリー。海軍海自の連合艦隊はここをまず叩きます。」


セイロン島を指していた指を動かしインド南部をトンと叩く。


「セイロン島への攻撃後、連合艦隊は二つに分け海軍艦隊は北上してマドラスやカルカッタの軍事基地を攻撃します。」


再び指を動かし今度はインド西部を指差す。


「海自艦隊はボンペイの軍事基地を攻撃します。」


「ちょっと待て」


達哉は和哉の説明を止めた。


「セイロン島攻撃は分かる史実でもしたからな。だがボンペイやマドラスを攻撃する必要はあるのか?艦隊が陸上機の攻撃に晒されることとなる。それよりもチャゴス諸島を占領しインド洋方面の拠点として使い通商破壊に専念したほうがいいんじゃないのか」


チャゴス諸島。

インド洋、南半球にある英国領の諸島である。

住人は18世紀頃からいたそうだが1973年に住人をモーリシャスに強制移住させ2007年のデータによるとディエゴガルシア島以外無人となっている。

このディエゴガルシア島は英国が米国に50年間租借している。その為この諸島には米軍しかいない。

因みにこの租借の期限は2016年12月に期限切れとなる。(ウィキペディア参照)


「その考えもあったけど補給からして維持が困難。豪州封鎖の拠点として考えるならチャゴス諸島よりもクリスマス島か、ココス諸島がいい。」


それにと付け加える。


「インドに日本軍が現れたらどうなると思う」


「おい、まさか・・・」


何が言いたいのか達哉はわかった。

和哉はインドを利用しようとしている。


「インドの人々は独立への動きが再燃する。

それも度々でもインドの英国軍基地を攻撃し、ビルマ方面からインドへ進撃すれば独立運動は激しくなり英国は力を失う。そうならないために英国は二つの選択肢のどちらかを選ばなくてはならない。一つは米国に頼み込み太平洋に日本の戦力を集中させる、もう一つは日英の講和。」


この選択肢は事実上一つだった。

日本の戦力を太平洋に向けさせるには米軍戦力は足りない。

そもそも米国が動くかもわからない。

なら英国は対日講和に踏み込む可能性が高かった。




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