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アフター①


「……ううっ」


広嶋が目覚めると、自分がなんだったのかを思い出すのに時間が掛かった。

ベッドの隣には馬鹿そうなツインテールの娘が心配そうに眠っていた。



「あー?……?……」



ゆっくりと状況を思い出す。自分の名前やこいつの名前、その他もろもろ思い出し始める。すると、扉が開く音と共に体にいくつもの包帯を巻いて治療中のような、金髪の女狐がやってきた。


「広嶋、起きてるじゃん。元気?あたしが誰か分かる?」

「…………雑魚」


咄嗟に放った言葉と共に、手負いと思われる女から神速の拳が広嶋に叩きこまれた。

ベッドと毛布が一瞬で破壊され隣で、治療に疲れ寝ていたミムラが飛び起きるほどだった。



「もう一回言ったら、命が戻らないと思いなさい」

「……お前も帰ってきたのか、山本灯」

「な、何事ですか!?って、広嶋くんが起きてる!良かった!無事だったんだね!」



思いっきり殴られておいて無事と表現するのはおかしい。


「あんたがやられるなんて結構驚きよ」

「相打ちだ。たまたまこっちに運があっただけだ。ミムラっつー、道具があるからな」

「また道具呼ばわり!?酷いよ!せっかく、治療したんだよ!みんなで心配したんだよ!」


ミムラは起きている広嶋に飛びつくも、鬱陶しがられ弾かれる。

疲れはまだ残っているが、怪我そのものはあまりなく、失われた努力の多くは取り戻せた。



「つーか、お前も大丈夫か?灯。ボロボロじゃねぇか」

「獣退治でね。あんたほどじゃないわ。お熱い手当てなんていらなかったわ」

「そうかい。んじゃあ、残りは藤砂だけか?意外だな」

「ひ、広嶋くん!動いちゃダメだよ!」

「うるせぇ、アホ。それから、東京は大丈夫だったのか?」



広嶋は灯とミムラの様子から不安はなかったが、この目で見ようと外に向かおうとしたがミムラに止められる。



「大丈夫よ。アシズムがそこらへん、やってくれたみたい」

「そうそう!私は広嶋くん!アシズムさんが東京全体を直したみたいだよ!……でも、死者はやっぱり出ちゃったみたい」

「ここが残っているならそれで十分さ。……裏切やのんは学校か?」

「ちゃんと生活してた方が起きた時、広嶋くんが喜ぶと思うからって私が上手く誘導したんだよ!」

「……本当か?」



なんか変な狙いもあるような気がすると広嶋と灯はミムラを見ながら思っていた。

だが、とりあえず。みんなを不安にさせて、あげくこの地球で戦争をおっ始めた広嶋だ。灯は意地悪そうな顔になって



「藤砂が戻る前だけど、先に責任をとってもらおうかしらね。広嶋~」

「なんだよ?お前、カンケーねぇじゃん」

「いいのよ。とりあえず。……そうね、ミムラ。こいつに全部旅費を払わせるのなんてどう?」

「りょ、旅費?」

「佐世保行くって話し!こいつ、乗る気なかったけど。責任ってことで同行も込み」

「はぁ?なんで面倒くさいことを」

「そうです!広嶋くん!私達を不安にさせた罪として、旅行の同伴を願います!逃げちゃ絶対ダメです!」

「はい、決まりー」



広嶋はミムラの顔と、灯の言葉に反省しながら、小さく頷いた。仕方ないという気持ちだった。

しかし、それが一つの悲劇の始まりだった。灯は携帯を取り出し、



「じゃあ、連絡しましょ。姫子、清金、福道、鯉川、パピィ、村木、阿波野、一二三とか、友達(戦友)沢山連れてこよう」

「は?今、お前何人言った?相当多かったぞ」



灯がメールを打ち込むところを見たミムラもそれに同調し。


「わ、私も彩や、沙耶ちゃん、佐々木さん、愛海さん、美生さん、保崎さん、吉祥さん、姫路さん、颯丸さんとかも呼んじゃおう!」

「お、お前も今何人言った!?どんな団体だ!そこからさらに増やす気だろ!」



携帯をとりに行こうとするミムラを制止させようとする広嶋であったが、灯の拳で止められる。



「弱い奴が文句を言わない。男だろ」

「限度あんだろ!何人で行く気だ!?金がトブぞ!のんも、裏切も入ってねぇのに!10人超えてるだろ!」

「大丈夫よ。全員、女子よ。それも私やミムラの同期みたいなもんだし」

「そこは問題じゃねぇよ!」



圧倒的な能力を有する2人であるが、この世界では人間として上手くやっており、友達の数はハンパではなかった。元々、広嶋と同じくここ出身でもある。

佐世保には無料の女子会(広嶋が全額)という形で行く事になった。



「いいね!バスで行くなんて!手配とかお願いしてもいい?金の心配はないから!……え?運転してくれるのパピィ!?マジ、すご!……え、阿波野もやれるんだ!?じゃあ、それいいわね!」

「おい!バスで佐世保までって、どーゆう発想だ!?何日掛かると思ってんだ!費用がヤバイだろ!」

「じゃあ、まずみんなでショッピングしよ!細かいところのお金は全部任せていいから!」

「そこは許容範囲じゃねぇよ!やっぱなしだ!テメェ等、いい加減にしろ!」



ミムラと灯は広嶋の怒りに、笑顔で



「文句を言わない、これは迷惑代だよ!」




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